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2017夏 反核・平和に関連する放送番組

<テレビ>
7月28日(金)20:00~ NHK総合「原爆の絵からたどるヒロシマ」
8月 5日(土)19:00~ NHK・Eテレ「最後の盾~満州開拓村 女たちの敗戦」 

8月 6日(日)24:55~ 広島テレビ NNNドキュメント「4400人が暮らしていた町~吉川晃司の原点 ヒロ                    シマ平和公園」
8月 6日(日)13:05~ NHK総合「”原爆の絵”~被爆直後の3日間」
8月 6日
(日) 14:30~ NHK・Eテレ「これはあなたのもの~1943ーウクライナ」
8月 6日(日)21:00~ NHK総合「原爆死ホットスポット~ビッグデータで迫る72年目の真実」
8月 6日(日)22:00~ NHK・BS1「74年目の郵便配達」 
8月 9日(水)22:00~ NHK総合 NHKスペシャル「沖縄と核」
8月12日(土)19:30~ NHK総合 土曜ドラマSP「1942年のプレイボール」
8月12日(土) 21:00~  NHK総合 NHKスペシャル「本土空襲~日本はこうして焼き尽くされた」
8月12日(土) 21:00~  NHK・BS1「長崎 幻の原爆ドーム」
8月12日(土) 21:00~ NHK・BSプレミアム ドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」
8月12日(土)23:00~ NHK・Eテレ「原爆と沈黙~長崎浦上地区の受難」
8月13日(日)22:00~ NHK・BS1「なぜ日本は焼き尽くされたのか~米軍幹部が語った”真相”」
8月13日(日)24:55~ 広島テレビ NNNドキュメント「弾除け神社~奉納写真2万枚の思い」
8月14日(月)20:00~ NHK総合 NHKスペシャル「忘れられた戦場~樺太・40万人の悲劇」
8月15日(火)19:30~ NHK総合 NHKスペシャル「全記録 インパール作戦」
8月19日(土)23:00~ NHK・Eテレ「戦時中の暮らしの記録~名もなき庶民が綴った1763通の手紙」

<ラジオ>
8月 6日(日)8:05~ NHKラジオ第1 「ドキュメント・原爆ドーム前」
8月 6日(日)20:05~ NHKラジオ第1 「ドキュメント・原爆ドーム前」
8月 7日(月)21:05~ NHKラジオ第1 「戦争の歌たち」
8月 9日(水)20:05~ NHKラジオ第1 「原爆の惨禍を生き抜いて 知られざる原爆孤児」
8月 9日(水)21:05~ NHKラジオ第1 「姉が残した被爆の記憶~72年前の日記が伝える平和への願い」
8月15日(火)20:05~ NHKラジオ第1 「太平洋戦争への道~戦前の日本の歴史の選択」

※平和式典中継番組は割愛しています。
                                                                 (17.7.21)  


「共謀罪」法の死文化、廃止を求める
葬送の儀&サイレントデモ


 6月15日に「中間報告」という禁じ手まで使って参院本会議で強行採決された「共謀罪」。これを何としても葬り去る決意を込めて、施行日の7月11日、午後5時から広島市中区の福屋前で「共謀罪」法の「葬送の儀」が行われた。市民有志の緊急の呼びかけにもかかわらず、45人が喪服や喪章を身に付けて参加、お二人が弔辞を朗読した。増田千代子さんは「『共謀罪』は、自由な議論や表現を抑制し、政府批判、権力者批判を罰する法律。こんなものが社会のなかで適用されることを拒否したい。協力し合う社会、認め合う社会、助けられる社会、感謝する社会を望みます」と「弔辞」を読んだ。
 終わりに、「『共謀罪』法の廃止と死文化を目指すとともに言論、表現、市民活動、労働運動などの自由と権利の侵害を企てる『安倍政権』の退陣を強く求める」とのアピールを採択した。その後、黒いリボンをかけた「共謀罪法」の遺影を先頭に、「『共謀罪』法を葬ろう」との横断幕を掲げて、金座街から本通りをサイレント(厳粛に)デモ行進、青山前で「ストップ!戦争法」の街宣行動と合流した。街宣行動には50人が参加、「共謀罪」法の廃止を訴えた。                                               (17.7.12)


 米イージス艦事故で自衛隊出動

               

  静岡県・伊豆半島沖で6月17日未明、米海軍のイージス艦とコンテナ船が衝突、米兵7人が死亡した事故は、最先端の軍艦の意外なもろさと平穏な海で巨大船との衝突を防げなかった米軍の運航水準のお粗末さを露呈した。現場は日本領海で海上交通の要衝。再発防止のため事故原因の徹底究明が必要だが、日米地位協定で米艦に日本の捜査権が及ばず、真相は闇に消えそうだ。日米安保や軍事問題に詳しい朝日新聞OBでJCJ会員の大内要三さん(写真)は、今回の事故での自衛隊の出動は事実上の米艦防護であり、日米共同作戦の実績づくりの疑惑が捨てきれない、と指摘する。
 大内さんは20日広島地裁で開かれた、自衛艦「おおすみ」と釣り船衝突事件の民事裁判の取材で来広、前日の6月19日、JCJ広島支部主宰の「Jサロン」で「いま沖縄が問う日本国憲法の有効性」と題して講演した際、イージス艦事故についても解説した。大内さんの解説を紹介する。
 【写真下】事故を伝える新聞各紙

 【解説】  大内要三 (日本ジャーナリスト会議会員)

 イージス艦はなぜ壊れたか

 6月17 日午前2時30分ごろ、静岡県下田沖約20キロの海上で、米海軍のイージス駆逐艦「FITZGERALD (フイッツジェラルド) 」とフィリピン船籍のコンテナ船「ACX CRYSTAL (エーシーエックス・クリスタル) 」の衝突事故が起き、7名の水兵が犠牲になりました。右舷側がひどく損傷したイージス艦の姿を報道でご覧になって、いまどきの軍艦はそんなにヤワなのかと驚かれた方も多いと思いますし、情報収集が得意なはずのイージス艦がなぜ巨大船の接近を回避できなかったのかと危ぶまれる方も多いでしょ う。
 現代の軍艦は平家物語・壇ノ浦の戦いのような、船同士がぶつかる戦闘は想定しておりません。主な武器がミサイルになってから大艦巨砲主義は影を潜めて、いまや「戦艦」というものもない。丈夫にして重くなれば遅くなりますから、戦闘には不利です。丈夫にしたところでどうせミサイルの直撃には耐えられません。「フィッツジェラルド」 は自衛隊のイージス艦がお手本にしたアーレイ・バーク級、全長154メートル、満載排水量は軽量化の努力で8362 トン、乗員337名(事故当時の員数は不明) 、最大速は31ノットとされています。「ACXクリスタル」は総トン数19,060 トンという巨大船ですから、質量は「フィッツジェラルド」 にはるかに勝る。ともに高速で走っていたようですが、ぶつかればコンテナ船のほうが傷は浅いです。
 イージス艦の主任務は航空母艦を守ることです。航空母艦はミサイル攻撃を受けて飛行甲板が損傷すれば役立たずになりますが、航空母艦に載せている戦闘機ではミサイルを撃ち落とせないので、随伴しているイージス艦が敵ミサイルの飛来を察知して、僚艦と分担しながら迎撃ミサイルで敵ミサイルを撃ち落とす。そういうシステムがイージス・システムです。「フィッツジェラルド」も横須賀を定係港とする第7艦隊で空母「ロナルド・レーガン」を中心にした第5空母打撃群に属して、迎撃用ミサイルSM-3 ほかを装備しています。就役は1995年と新しい艦ではありませんが、兵装は適宜バージョンアップされているはずです。
 肝心の全方向を監視する高性能レーダーは、飛来するミサイルを監視するものであって、通常の航海に使うのは民間船と同じような航海用レーダーです。夜間の海上交通輻輳海域のことですから、目視とレーダーで十分に注意しながら航行しなければなりません。

 衝突原因は

 なぜ衝突したのか。国際海上衝突予防規則・海上衝突予防法の規定によれば、コンテナ船が後ろから来たのなら 「追い越し船」で、コンテナ船に衝突回避の義務があります。コンテナ船がイージス艦から見て右から来たのなら「横切り船」で、イージス艦のほうに衝突回避の義務があります。海の警察である海上保安庁は、コンテナ船を業務上過失往来危険容疑で捜査をしました。死者が確認されて以後は業務上過失致死容疑になります。AIS(船舶自動識別装置) 記録や航海日誌などから、コンテナ船のほうの動きについては明らかになるでしょう。事故現場は日本の領海内ですが、イージス艦側は日米地位協定の警察権に関する17条の規定から海上保安庁の捜査を受けず、「通常の運用中」と発表しているだけです。どの方向にどれだけのスピードで、どのような見張り体制で走っていたのかは不明。このままでは衝突原因の解明は不可能です。
 なお「ACXクリスタル」はフィリピン船籍で、20人の乗組員はRonald Advincula船長を含めて全員フィリピン人でした。1080個のコンテナを積載して名古屋港から東京港に向け航行中だったと「NYK Container Line」社(東京) から発表されています。船主は大日インベスト(神戸) 、運航会社は日本郵船(東京) です。日本郵船は1885年創立、三菱グループの中核で、日本の三大海運会社のひとつです。海運業界の厳しい経営環境のなか、日本の会社が所有・運用していても節税のため船籍を外国に移したり、人件費を抑えられる外国人船員、とりわけ外航船では英語の使えるフィリピン人が重用されてきました。複雑な権利関係になりますが、コンテナ船の船長・航海長だけの責任追及に終わらないようにと望みます。

 「行方不明者」捜索に自衛隊出動

 衝突事故でイージス艦は艦橋の右側あたりがひどく損傷したのが映像でよく分かります。しかし深刻な損傷は水面下の乗員居住区域でした。コンテナ船の船首部分水面下には水の抵抗を避けるための丸いバルパスバウという部分が突き出ていて、これがイージス艦の横腹を突き破ったのです。米軍が「行方不明者7名」と発表していたのは、この居住区域にいて脱出できなかった水兵たちでした。浸水被害が広がって沈没にいたらないよう、浸水区域は閉鎖されます。
 行方不明とは、点呼で所在が確認できなかったから行方不明なのでしょうが、衝突の衝撃で海に落ちたと解釈されがちな表現です。捜索救助のため自衛隊が出動しました。6時25分、第三管区海上保安本部から海上自衛隊横須賀地方総監に対する災害派遣要請によるものです。戦争法(安保法制)で加えられた新たな任務、米艦防護ではないはずでした。これが4隻、4機による活動と、なんとも大規模です。
 「フィッツジェラルド」には飛行甲板がありますがヘリコプターは積んでいません。第73航空隊(館山)からUH-60ヘリが「フィッツジェラルド」に降りて、負傷者1名を米軍横須賀基地に運びました。これはマスコミも報道しました。米海軍もイージス駆逐艦 「DEWEY (デューイ) 」と複数の航空機を現場に急行させ、負傷者の搬送をしました。
 防衛省の発表によれば、海上自衛隊では第4航空群(厚木) から7時8分にP-3C哨戒機1機、12 時2分にP-1哨戒機1機が捜索救助活動のため出動しました。また第6護衛隊(横須賀) の「おおなみ」4650トンと、第41掃海隊(横須賀) の「えのしま」
570トンの2隻が、朝から夜間まで引き続き捜索救助活動をしました。「行方不明者」が海上にいるなら、これらの出動は理解できます。たとえば「讀賣」は「行方不明の7人は海に投げ出されたとみられ」と報道、「朝日」はより慎重に「行方不明者は海に投げ出されたか、浸水した区画に取り残されている可能性」と報道していました。
 しかしこれに先だって、横須賀地方隊の「えんしゆう」980 トン、第15護衛隊(大湊)の「はまぎり」3550トン(たまたま横須賀にいたのでしょうか) の2隻は、「警戒活動」のために8時台に相次いで出港しており、先の「えのしま」も捜索救助とともに警戒の任務も与えられていました。事実上の米艦防護であり、米軍・自衛隊の連携の活動であったと思います。日米共同作戦の実績づくり、という疑惑が捨てきれません。もちろん出動した自衛官が人命救助のための最善の行動をしたことは疑いもありませんが。
                                                                 (17.6.28)


共謀罪法案 人間の「生きる自由」奪う

弁護士、市民 500人が訴え


  「共謀罪」法案が参院法務委員会で審議される中、法案に反対する集会が6月4日、広島市中区の原爆ドーム前であり、500人が参加した。広島弁護士会が主催した。下中奈美弁護士会会長は「共謀罪は話し合うことを罪にすることで、人々の心を探ることです。テロ対策ではありません」とし、「共謀罪は安保法制を作った政府が戦争できる国づくりの一環だ」と強調し、「有権者が国会に声を届けることが必要」と呼びかけた。
  続いて、広島市立大の湯浅正恵教授が「法案は生きる自由・生きる権利を奪う。当局が恣意的に使う恐れがある。自己規制するようになり、自らの言葉を失えば、自分を失うことになる。私はひとりの人格を持った人間として、生きる権利を放棄したくない」と述べた。写真家の藤岡亜弥さんは、「生きづらい社会でこれ以上息苦しくなるのはいや」と訴えた。
  この後、参加者は治安立法の危険性を訴え、市内をデモ行進した。 
   【写真】 ドームを背景に,元安橋を進むデモ隊
                                                               (17.6.6) 


特集「沖縄の未来は沖縄が決める」

               「広島ジャーナリスト」28号刊行 当面休刊へ

 2010年に復刊し、7年にわたって年4回発行してきた「広島ジャーナリスト」を当面休刊します。ひとえに編集スタッフの力量不足によるもので長期間、ご購読いただいた方や執筆、編集にご協力いただいた方に感謝とお詫びを申し上げます。
 区切りとなる28号は、オスプレイ墜落事故や運動のリーダー山城博治さんへの不当な拘束(3月18日保釈)が続いた沖縄をめぐる情勢をメーンテーマにした。松元剛・琉球新報記者による「沖縄リポート」や桜井国俊・沖縄大名誉教授による環境・平和・自治・人権の4テーマからの問題掘り下げ、本田博利・元愛媛大教授による「辺野古」最高裁判決批判を柱に、機能強化を進める岩国基地の現状を解説した湯浅一郎さんの講演なども掲載。基地問題の「いま」が俯瞰できる内容とした。
 このほか、「記憶と継承 原爆ドームをめぐって」と題した平岡敬・元広島市長の講演、田中利幸さんの長編論文「空爆と天皇制」など、力感あふれる内容となった。巻末には、復刊後の全号の内容リストをつけた。
 B5判163㌻、定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。問い合わせはファクス082-231-3005か、メールhiro9@opal.plala.or.jp
                                           (17.3.18)

   

第28号(3月15日発行) 目次 

ゴルディアスの結び目

浅川 泰生

特集「沖縄の未来は沖縄が決める

沖縄リポート? 深まる沖縄への「構造的差別」

松元  剛

沖縄は問う 日本の環境・平和・自治・人権

桜井 国俊

沖縄/琉球での政治弾圧に抗議する

日本国際法律家協会

「高江―森が泣いている」広島で上映会

編集部

沖縄2紙はオスプレイ事故をどう伝えたか

編集部

最高裁の国策追従判決批判

本田 博利

岩国を戦争に最も近い基地にさせるな

湯浅 一郎

ピースリンク叢書16号を発行

新田 秀樹

岩国基地にF35B配備

編集部

「おおすみ」国賠訴訟に新展開

大内 要三

自衛隊派遣差し止め求める 広島でも安保法制違憲訴訟

編集部

安倍政権でテレビ報道はどう変質しているか

水島 宏明

メディア論余滴 「沈黙」…今の時代にどう読むか

真崎  哲

記憶と継承 原爆ドームをめぐって

平岡  敬

原爆ドーム発 世界へのメッセージ(転載)

平岡  敬

空爆と天皇制

田中 利幸

個人の尊重から憲法を考える

横藤田 誠

「伊方」直下に新たな活断層

早坂 康隆

福島瑞穂議員の質問主意書に対する政府答弁について

 

トランプ政権下の中東

坂井 定雄

われ、その驥尾に付して 鈴木敏夫さん

井上 一夫

アングル「この世界の片隅に」

真崎  哲

戦後思想の空虚感はどこから来るか~書評「丸山眞男の敗北」「教養としての戦後<平和論>

真崎  哲

THE BOOK 「在外被爆者裁判」「セカンドハンドの時代『赤い国』を生きた人々」

風訊帖 残り2分半、今そこにある危機

酒井 正知

              

    
 映画「高江―森が泣いている」  広島で上映会

 藤本幸久、影山あさ子共同監督のドキュメンタリー映画「高江―森が泣いている」2部作の上映会が1月15日、広島市中区の原爆資料館東館地下で開かれた。沖縄・辺野古に新基地を作らせない広島実行委員会主催。この日は強力な寒波の襲来で広島市内は12年ぶりに10cmを超す積雪を記録したが、約30人が訪れ映像に見入った。【写真左】
 2016年参院選で、沖縄では現職の沖縄担当相を大差で退け、伊波洋一・元宜野湾市長が当選、明確な反基地の民意を示した、しかし、選挙翌日の7月11日から沖縄北部訓練場の高江では、民意に挑戦するようにヘリパッド(オスプレイパッド)建設の資材搬入が本格化した。映画はこの時からの反基地の闘いを追った。住民の一人安次嶺現達さんは「普通の暮らしがしたいだけ。住民を追い出して戦争優先の基地を造ろうとするのは許せない」と話す。
 1部(64分)は、ヘリパッド建設工事でやんばるの森が無残に切り裂かれる一方で出された、辺野古埋め立て承認取り消しをめぐる福岡高裁那覇支部判決までを追い、第2部(63分)は、4千種を超える野生生物がすむといわれるやんばるの森の生態系を紹介しながら、10月下旬の山城博治・沖縄平和運動センター議長拘束までを映像化した。
 大手メディアが入ることのないヘリパッド建設現場にカメラを入れた藤本・景山両監督は「環境に配慮して70㌢幅のモノレールで資材を運ぶとした防衛省の説明とは異なり、4㍍幅の工事用道路が造られている。現場に立たなければ、中で何が行われているかわからない」という(この部分「森の映画社★札幌編集室」=http://america-banzai.blogspot.jp/から)。会場では「まとまった映像を見たのは初めて。高江で何が起きているかとともに、山城さんの怒りと悲しみが伝わる」との声が聞かれた。
 「森の映画社」は、高江で何が行われているかを知ってもらうため、上映権付DVDを1万円で販売している。希望者は「森の映画社」へ。藤本・景山共同監督作品としては2015年から16年にかけて辺野古の新基地建設をめぐる闘いを追った「圧殺の海」「圧殺の海第2章『辺野古』」がある。             (17.1.16)     

      ジャーナリズムの危機 深刻化

         テレビマン 水島宏明氏 講演

 テレビマンから大学教授に転身、ジャーナリズムの動向を追い続けている水島宏明氏(上智大教授)【写真】が12月11日、広島市中区の広島平和記念資料館地下会議室で「安倍政権でテレビ報道はどう変質しているか」と題して講演した。
  水島氏は「テレビは感動に飛びつくメディア」であり、安倍晋三政権はそうしたテレビメディアの特質を見切っているようだ、と述べた。そのうえで、メディア対策を巧妙に展開しているのが第2次安倍政権の特徴で、具体的には、「偏向報道」とレッテルを張り、番組出演を断るというカードをちらつかせる一方、特定のメディアには生放送でニュースバリューのある情報を明らかにするというかたちで選別と〝利益供与〟を行っていると指摘した。
 これに対してメディア側は、NHKニュースで首相に対するヤジの音声が消されるなど自己規制が進み、ジャーナリズムの危機が深刻化しているため、原点に立って再チェックする必要があると述べた。
 政府から独立したNHKをめざす広島の会、日本ジャーナリスト会議広島支部共催。約70人が聴いた。
                                           (17.1.15)



「憲法」「沖縄」に見る戦後社会の危機

「広島ジャーナリスト」27号を発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は12月15日、「広島ジャーナリスト」第27号を発行した。特集テーマを「漂流する『戦後』―危機の憲法・沖縄」とした。

 巻頭には田中利幸氏の労作「原爆と天皇」を掲載。戦後日本の出発点である終戦工作に天皇制と原爆投下がどう絡み合っていたかを詳細に分析した。反核・平和を訴え続けた被爆牧師・宗藤尚三さんが89歳で亡くなった。本誌では故人をしのんで、昨年夏に日本キリスト教団広島教会で行った宗藤さんの被爆証言を同協会広報誌から転載した。このほか、横藤田誠さんの「『個人の尊重』から憲法を考える」、纐纈厚さんの「平成の『非立憲内閣』を問う」、渡辺治さんの「安倍改憲の新段階と九条の会の新たな課題」、本田博利さんの「『辺野古』国策追認の高裁判決」、屋良朝博さんの「辺野古新基地も海兵隊もいらない」など憲法、沖縄をめぐる講演記録を掲載した。
 B5判112㌻、定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス0822313005
                                         (16.12.21)

第27号(12月15日発行) 目次

この荒涼とした風景 浅川 泰生

浅川 泰生

特集「漂流する『戦後』危機の憲法・沖縄」

原爆と天皇制 

田中 利幸

宗藤尚三さん死去

編集部

被爆七十周年の被爆証言と提言(転載)

宗藤 尚三

「個人の尊重」から憲法を考える 

横藤田 誠

平成の「非立憲内閣」を問う 

纐纈  厚

安倍改憲の新段階と九条の会の新たな課題

渡辺  治

「駆けつけ警護」許さない 広島でデモ

編集部

学問・研究は平和のために

浜田 盛久

安心して学べる奨学金制度を

そふぃ

「辺野古」国策追認の高裁判決 

本田 博利

辺野古新基地も海兵隊もいらない 

屋良 朝博

原発より危険 米空母原子炉 

呉東 正彦

中央構造線が動き出した

広瀬  隆

自衛艦衝突、裁判で真相究明 釣り船族ら提訴

編集部

メディアスクランブル 「トランプ大統領」「憲法70年」「『土人』発言」

真崎  哲

アングル 蘇る佐藤泰志 

真崎  哲

THE BOOK 「唐牛伝」「私の1960年代」「喪失の戦後史」「逆走する安倍政治」「影の権力者 内閣官房長官菅義偉」「武器輸出と日本企業」「ユーロから始まる世界経済の大崩壊」

風訊帖 3A、3B、3Cの街

浜風子















   


南スーダンへの自衛隊派兵反対!撤退を訴え

  広島市内を300人がデモ

 ストップ!戦争法ヒロシマ実行委員会主催の行動が1111日、広島市 内で開かれた。原爆ドーム前には300人の人が集まり、南スーダンから自衛隊を撤退させるよう訴えた。集会は儀保唯弁護士の司会で始まり、主催者を代表して秋葉忠利前広島市長が「南スーダンに行ってみたら、行っていたのは自衛隊だけだったということになりかねない。憲法を守らせる闘いを続けよう」とよびかけた。また、安保法制違憲訴訟広島の会事務局の宮井誉子さんは、全国18の都道府県で違憲訴訟の提訴または提訴準備されていると報告。
 政府を包囲していくために訴訟の支援を訴えた。最後に1030日の「自衛隊を南スーダンに送るな青森集会」に参加したピースリンクの新田秀樹さんが「新任務を加えられた自衛隊を行かすまいと寒い中、1000人が参加した。自衛隊員の母親の痛切な訴えが心に響いた」と報告した。
 このあと参加者は、にぎわう金座街や本通りなどの繁華街をデモ行進し、市民に訴えた。
 なお、「駆けつけ警護」任務付与の閣議決定が予想される1115日、午後5時半から広島市本通り電停前でストップ!戦争法ヒロシマ実行委員会による街頭宣伝が行われる。
 【写真】広島・本通りを行くデモ                                                 
                                            (16.11.13)


特集テーマは 「本当の『核廃絶』を語ろう」

 「広島ジャーナリスト」 26号を発行

 日本ジャーナリスト会議広島支部は9月15日、「広島ジャーナリスト」第26号を発行した。特集テーマを「本当の『核廃絶』を語ろう」とした。8月に核兵器禁止条約交渉開始を勧告した国連作業部会の動きを川崎哲さんが報告。続いて5月のオバマ米大統領の広島訪問の意味を考えたシンポジウム(日本ジャーナリスト会議広島支部主催)の詳報を掲載した。ハンナ・アーレントの言葉を手掛かりに原爆投下の「罪と責任」をとらえなおした田中利幸さんの論文、太田昌克・共同通信編集委員らによる8・6国際シンポなど、核と平和を考える内容となった。
 松元剛・琉球新報記者が久々に「沖縄リポート」を寄せ、東村高江のヘリパッド建設をめぐる無法な住民弾圧を生々しく描き出した。米軍属による4月の女性殺害事件と合わせ、沖縄には構造的暴力が吹き荒れているとするが、こうした実態は本土メディアでほとんど報じられていない。
 B5判123㌻、定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス0822313005
 日本ジャーナリスト会議広島支部は9月15日、「広島ジャーナリスト」第26号を発行した。特集テーマを「本当の『核廃絶』を語ろう」とした。8月に核兵器禁止条約交渉開始を勧告した国連作業部会の動きを川崎哲さんが報告。続いて5月のオバマ米大統領の広島訪問の意味を考えたシンポジウム(日本ジャーナリスト会議広島支部主催)の詳報を掲載した。ハンナ・アーレントの言葉を手掛かりに原爆投下の「罪と責任」をとらえなおした田中利幸さんの論文、太田昌克・共同通信編集委員らによる8・6国際シンポなど、核と平和を考える内容となった。
 松元剛・琉球新報記者が久々に「沖縄リポート」を寄せ、東村高江のヘリパッド建設をめぐる無法な住民弾圧を生々しく描き出した。米軍属による4月の女性殺害事件と合わせ、沖縄には構造的暴力が吹き荒れているとするが、こうした実態は本土メディアでほとんど報じられていない。
 B5判123㌻、定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス082
2313005



第26号(9月15日発行) 目次

特集・本当の「核廃絶」を語ろう

歴史は繰り返すか

浅川 泰生

核兵器禁止条約プロセスが始まった

川崎  哲

「オバマ訪問」は何だったのか 広島でシンポ ?

 

罪と責任 

田中 利幸

広島・長崎平和宣言

核抑止批判の湯崎知事あいさつ際立つ 

難波 健治

核抑止力の虚妄性問う 8・6国際シンポ

誰が平和を殺すのか

佐高  信

市民による平和宣言2016 ?

広島平和研問題を考える

藍原 寛子

守ろう世界遺産 京都・広島が連携シンポ

大亀 信行

書評・「現代思想8月号 特集〈広島〉の思想」

景観訴訟―鞆の浦からかき船訴訟へ

富井 利安

伊方原発は経営のお荷物

牧田  寛

伊方原発の危険性浮き彫り

湯浅 一郎

世論無視の埋め立て免許延長許可

木原 省治

避難者が東電・国の責任問う

石森雄一郎

加速するコミュニティ崩壊

藤原  遥

沖縄 抗う市民を強権で組み敷く

松元  剛

事実と真実を伝えねば

北村  肇

広島で山口二郎・西山太吉対談

メディア論余滴 「自由」を考える

真崎  哲

われ、その驥尾に付して 伊奈かっぺいさん

井上 一夫

メディアスクランブル 「国威発揚」と「優生思想」と「天皇制」

真崎  哲

アングル「FAKE」―表現者としての森達也

真崎  哲

THE BOOK 「原爆にも部落差別にも負けなかった人びと」「核の戦後史」「憲法の無意識」「戦後政治を終わらせる 永続敗戦のその先へ」「原発プロパガンダ」「獄中メモは問う 作文教育が罪にされた時代」「偽りの保守・安倍晋三の正体」「バーニー・サンダース自伝」

風訊帖 東京の中空から見えるものは 浜風子




     「壊憲NO! 野党協力」 改めて強調

不戦のつどいで纐纈さん講演

 日本ジャーナリスト会議広島支部は9月3日、広島平和記念資料館東館で不戦のつどいを開いた。参院選山口県選挙区で野党統一候補として安保関連法の撤廃、立憲主義と民主主義の取り戻しなどを訴えた纐纈厚さん(山口大学名誉教授・写真上)が 「改憲(=壊憲)の時代に抗するために~逆走する安倍政治に歯止めを~」と題して講演。衆院選へ向けての野党統一候補の成否は有権者の動向にかかっていると述べた。125人が聞き入った。
 纐纈さんは集団的自衛権行使の閣議決定など安倍政権の暴走にかねがね危機感を強めていた今年1月、統一候補になることを決断。山口大退官後のいくつかのオファーを断り、選挙に集中した。本来、政党はそれぞれの綱領に従って政策を訴える。しかし巨大な与党勢力によって平和憲法が破壊されようとしている現状に対して野党は協力していく必要があると決意したという。野合批判をする自公は多くの点で、綱領に違いがあると指摘した。
 今後の野党共闘について纐纈さんは「現状のままではまとまりをつけるのは容易でないかもしれないが、成否を決するのは有権者の声」と述べた。
 安倍首相が強調する日米同盟の今後について纐纈さんは、核兵器問題などで深刻な見方を示した。米には同盟国への安全保障の負担について、それぞれの国に移せばいいとする考え方「オフショア・バランシング」があるという。米はアジアの覇権を手放すことはないが「沖合に退いて日韓を利用する」という戦略だ。一部には日本は核武装してもかまわないという容認論さえある。こうした動きに安倍首相は乗っているのではないかと纐纈さん。3月に内閣法制局長官が「現行憲法でも核武装を禁じていない」と国会答弁。4月1日には閣議決定もしている。   
(写真下) 125人が集まった不戦のつどい

 










                                                            (16.9.3)

9月3日 JCJ「不戦のつどい」
参院選山口選挙区候補・纐纈さんが講演

 日本ジャーナリスト会議広島支部主催の「不戦のつどい」が、9月3日(土)午後2時から、広島市中区の広島平和記念資料館東館地階会議室(1)で開きます。
 今回の講師は7月の参院選山口選挙区で、野党統一候補として奮闘した纐纈厚(こうけつあつし・写真)さん。演題は「改憲(壊憲)の時代に抗するために~逆走する安倍政治に歯止めを」です。戦争に向かって暴走する安倍首相の地元でのたたかいをすすめた纐纈さんから参院選の教訓、今後、私たちが向かうべき方向などについて、お話しを聞きます。資料代500円。ただし学生は無料。どうぞご参加ください。

  <纐纈厚さんの経歴>

 1951年生まれ、岐阜県出身。前山口大学副学長、日本政治学会理事を歴任。著書に『暴走する自衛隊』(ちくま新書)、『監視社会の未来』(小学館)など多数。                                                                       (16.8.25)   


「核抑止力は虚妄」 浮彫りに

HANWA 8・6ヒロシマ国際対話集会開く


 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)は8月6日、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザでシンポジウム「日米の核をめぐる現状と進むべき道」を開いた。核兵器禁止に向けた国連の作業部会が大詰めを迎えようとしている中、核抑止力を虚妄とするヒロシマの立ち位置や運動のあり方などについて考えた。120人が参加した。
 パネリストはヒロシマの動向を注視する太田昌克共同通信編集委員、小寺隆幸原爆の図丸木美術館理事長、アメリカン大学のピーター・カズニック教授の3人。まず太田さんが広島市長の平和宣言について「正直残念だった。『核兵器禁止の法的枠組みが不可欠』と当たり前のことを言っているだけ」と述べた。オバマ大統領の来広後の米日の動きについて、オバマ政権から核兵器の先制不使用など核政策の見直しが伝えられている。ところが安倍内閣は「とんでもない」と反対しており「核抑止力は減らさないという(冷戦時代の)佐藤政権時の発想が残っている」と指摘した。
 小寺さんは米での「原爆の図」巡回展が関心を集めたと報告。米の最近の世論調査によると日本への原爆投下について、若い世代では「誤り」であったとする割合が「正しい」とするよりも多くなっていると紹介した。米では教科書に投下の事実を載せることによって子どもたちが議論できるようにしていると、教育の在り方について問題提起した。
 カズニックさんは、米はほかの国とは違うという根強い例外主義があると紹介。米以前の大国は領土拡大、資源収奪を繰り返してきたが「米は自由と民主主義を世界に広げたいとするところが違うとの考えが根強い」。そうした点からして「日米は歴史を曲げる共犯関係にある」と手厳しい。オバマ氏はイラク帰還兵に、デモクラシ―の正しさために戦っているとして、石油のために戦っていたことを認めないという。「オバマ氏はプラハ演説を広島で行うべきであった。ともあれ言葉よりも行動が重要だ」とカズニックさんは強調した。
 これらの発言に対してHANWA共同代表の森瀧春子さんは「オバマ氏の来広は日米の新たな同盟強化である。広島でもこぞって大歓迎ではない。市長らの謝罪はいらないとの発言は許せない。国連作業部会で多くの国が一体感を見せている動きに米は危機感を募らせてパフォーマンスしているのではないか。ヒロシマは被害の原点を背負って行動する責任がある」と訴えた。            
 【写真】 国際対話集会シンポジウムのパネリストの皆さん                                                                   (16.8.17)


2016夏 反核・平和に関連する放送番組

<テレビ>
7月24日(日)19:00~ NHKBS1 「原爆救護~少年兵が見たヒロシマ」 
7月30日(土)21:00~ NHK総合 ドラマ「百合子さんの絵本」
7月30日(土)24:55~ 広島テレビ「原爆開発の町は今~オバマ訪問の波紋」
7月31日(日)24:55~ 広島テレビ ドキュメント16 「隠された被爆米兵~ヒロシマの墓標は語る」
8月 2日(火)20:00~ NHK・Eテレ ハートネットTV 障害者と戦争 
                「難民であり障害者である私たちにとってのシリア紛争」
8月 3日(水)20:00~ NHK・Eテレ ハートネットTV 障害者と戦争「ろう者の戦争」
8月 4日(木)14:00~ NHK総合 ドラマ「ふろたき大将 故郷に帰る」
8月 6日(土) 21:00~  NHK総合 NHKスペシャル「原爆投下 書き替えられた真実」
8月 6日(土) 23:00~  ETV特集 「54枚の写真~長崎・被爆者たちを訪ねて」
8月 6日(土) 19:30~ NHKBSプレミアム ドラマ「戦艦武蔵」
8月 6日(土)10:40~ 中国放送「8月6日の切符~あの日列車が走った」
8月 6日(土) 7:58~ 広島ホーム「『あの日』は何を変えたのか?~被爆71年 アメリカの今」
8月 6日(土)1200~ 新広島「たしかに そこは町だった~広島平和公園の下に」
8月13日(土)21:00~ NHK総合 NHKスペシャル 「オキナワ『空白の1年』~戦後はこうして始まった」
8月13日(土)23:00~ NHKEテレ ETV特集「加藤周一 その青春と戦争」
8月14日(日)21:00~ NHK総合 NHKスペシャル
                「村人はこうして満州へ送られた~国策『満蒙開拓』71年目の真実」
8月15日(月)20:00~ NHK・Eテレ ハートネットTV 障害者と戦争 「認知症と沖縄」
<ラジオ>
8月 6日(土)21:05~ NHKラジオ 「あの日、母は少女だった~被爆の記憶をたどる母と息子の対話」
8月 6日(土)22:00~ NHKラジオ 「妻から夫へ~被爆を語り継ぐある夫婦の物語」
8月 6日(土)7:00~  RCCラジオ 週末ナチュラリスト 「被爆71年 あなたがヒロシマを忘れるとき」
8月 7日(日)19:00~ 広島エフエム 「広島の復興を支えた音楽」
8月 9日(火)20:05~ NHKラジオ 「被爆劇~恵の丘長崎原爆ホームの舞台」
8月15日(月)20:05~ NHKラジオ 「街角で聞く71年目の戦後」

  ※局の都合により、変更される場合があります。                                                                        (16.7.28)



かき船の設置・営業 まれにみる悪質な行政

 シンポジウム「世界遺産と景観問題を考える」開く


 かき船問題を考える会と世界遺産原爆ドームを守る会は7月23日、広島市中区の広島弁護士会館でシンポジウム「世界遺産と景観問題を考える」を開いた。114人が参加。世界遺産のある京都市と広島市で景観保全などを無視した開発や観光施策が行われている現状と住民運動の報告を受け、世論喚起の必要性などについて学んだ。
  まず京都から駆けつけた弁護士の中島晃さんが、下鴨神社の世界遺産区域隣接地(バッファゾーン)、糺(ただす)の森で始まったマンション建設に対して今年3月に建設許可取り消しを求めて住民たちが京都地裁に提訴した経緯を報告した。中島さんは、世界遺産条約履行のための作業指針(2005年)によると、バッファゾーンは世界遺産の効果的な保護を目的に補充的に設けられた「遺産利用及び開発を制約するもうひとつの保護の網」であるにもかかわらず、その精神が受け止められていないと指摘した。 
 日本では世界遺産を観光資源として営利活動に利用しようとする姿勢を、行政が強めている。その事例の一つが原爆ドームのすぐ下流(元安川)に移転、新設された「かき船」といえよう。その水域はバッファゾーンである。住民、被爆者たちが河川占用許可取り消しを求めて昨年6月に提訴。9月21日には第6回口頭弁論がある。
 続いて広島大学名誉教授の富井利安さんが講演。環境権に根ざしそのシンボルでもある景観権は「公法上もしくは私法上の法理と手続きに従って保護されるのは当然といえる」と強調した。「かき船」問題について富井さんは、1997年の河川法改正をクローズアップ。「河川環境の整備と保全」に加えて「地域住民等の意見を反映させるための手続導入」が入ったが「今回、行政は地域住民等の意見を十分に汲み上げる手続きを欠いている。これでは改正の趣旨・目的を没却するもではないかとさえ思える」と批判した。さらに、市の「平和記念施設保存・整備方針」は「聖地」「観光地」及び「都市公園」を掲げているものの「かき船」の慌ただしい手続きは「特に『観光地』を売りにした集客ねらいが顕著である」と断じた。
 提訴を支援してきた広島大学名誉教授の田村和之さんは「料亭船(かき船)の設置・営業は違法だらけだ」とする。?建築確認を受けていない違法建物②市街化調整区域の元安川での「開発行為」は都市計画法違反③都市公園法違反④景観法・景観条例違反⑤河川法違反―と「近来まれにみる悪質な行政だ」とあきれていた。
  質疑応答で鞆の浦訴訟弁護士だった藤井裕さんは「鞆の景観は自然だけでなく人々の暮らし、歴史と一体になったものだ。そのことの訴えが全国的に共感を呼び、文化人の支援などもあって国民の関心が高まった。かき船問題でも同じように広く訴えて、運動を盛り上げていく必要がある」と呼びかけた。           (16.7.25)   


2016年度 JCJ賞決まる

 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は7月16日、優れたジャーナリズム活動・作品に贈る、今年の「JCJ賞」受賞作を決定した。贈賞式は8月13日、東京・日本プレスセンター・ホールで行われる。 2016年度JCJ大賞、JCJ賞、JCJ特別賞は次の通り。
◇JCJ大賞   憲法骨抜きを許した内閣法制局の対応をスクープ 毎日新聞社
◇JCJ賞   「時代の正体」 神奈川新聞社  
◇JCJ賞   「反核・写真運動」監修 編者:小松健一 新藤健一
         『決定版 広島原爆写真集』『決定版 長崎原爆写真集』 勉誠出版
◇JCJ賞   松本創 『誰が「橋下徹」をつくったか-大阪都構想とメディアの迷走』 140B
◇JCJ賞   「映像’15 なぜペンをとるのか~沖縄の新聞記者たち~」 毎日放送
◇JCJ賞   報道ステーション「憲法改正の行方……『緊急事態条項』独ワイマール憲法が生んだ独裁の教訓」         テレビ朝日
◇JCJ特別賞 嬉野京子さんの50年間の沖縄取材活動
                                                               (16.7.25)



慰霊碑前の日米同盟強化の演出に不満

オバマ広島訪問検証シンポに100人が参加


 オバマ米大統領の広島訪問を検証するシンポジウムが7月3日、広島市中区で開かれた。100人が参加し、憲法9条を破壊する戦争法施行直後に、原爆慰霊碑の前で日米のトップが同盟強化をうたったことをどう受け止めるかなどについて議論があった。日本ジャーナリスト会議広島支部が主催した。
 「広島ジャーナリスト」編集長の浅川泰生さんが、オバマ大統領が米軍岩国基地で演説したことに触れ、日米和解と強固な同盟維持を強調する一方で沖縄の女性殺害事件は無視したと問題提起。さらに被爆者は謝罪求めずの世論がメディアによってつくられたと指摘した。
 パネリストのピースボート代表の川崎哲さんは、核兵器禁止条約に消極的な日米のトップが核廃絶を誓うことのギャップを述べた。オバマ広島訪問については①核兵器保有国のリーダーが核被害に向き合うことは評価②原爆投下の特殊性に触れなかった③日本人以外の被爆者に触れた④核廃絶の具体論を語らず⑤科学革命の道徳上の問題⑥紛争の平和的解決を強調。同盟よりも戦争によらない解決などを挙げた。しかし、核兵器は人間の苦しみをもたらしたが、犯罪的行為であるとは認めなかった。
 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表の森瀧春子さんは「広島の平和公園に核のボタンのかばんが置かれていたことに怒りを感じた。原爆投下の間違いを認めるべきだった。日米軍事同盟の強化を広島でしたことに慚愧の思いが強い」と語った。
 元広島市立大広島平和研講師の高橋博子さんは「原爆資料館をじっくり訪問して謝罪すべき。安倍首相の発言は日米同盟強化の証としての広島訪問だった」と批判。岩国市議の田村順玄さんは、岩国基地が拡大強化され、オスプレイが先導したオバマ広島訪問を問題視。沖縄出身の弁護士の儀保唯さんは「核のボタンを持つ大統領には被害を見てもらいたい。自分が感じたことを話してもらいたかった。女性殺害事件には涙が出た」と述べた。
 最後にヒロシマで始まった核時代をヒロシマで終わらせてゆくことを誓ってシンポを終えた。                                                      (16.7.9)



情報隠蔽の一方で 都合の良いものはどんどん流す

西山元記者ら 「情報操作に監視力を持とう」


 広島弁護士会は72日、広島市中区の広島国際会議場でシンポジウム「憲法を護ろう!~立憲主義、そして表現の自由の危機」を開いた。まず法政大法学部教授の山口二郎さんが「憲法と立憲主義の危機」と題して講演。続いて沖縄返還時の日米密約をつきとめた元毎日新聞記者の西山太吉さんが「報道のあり方と民主主義」について語った。500人が耳を傾けた。
 山口さんは、改憲派が「憲法は敗戦によって押しつけられた」と主張している点について、大正デモクラシーの流れが「回復されたのだ」と指摘。専守防衛にとどめて経済成長にまい進することができたという。安倍首相は安全保障環境の悪化を強調するが「これは個別的自衛権の問題」と述べた。自民党の改憲草案について「憲法は国民の心の内面に踏み込むようなものではない。議論に値しない」と批判した。参院選で「投票率が50%を切るようだと民主主義の自殺である」と警告した。
 西山さんは「時の政府権力はすべての公的情報を握っている。それを利用して、どんどん権力基盤を拡大していく。右に行くか左に行くか、自由自在に操作できる。その情報独占が民主主義を形骸化させ、崩壊させていく」と指摘。情報公開請求者が、該当文書があるといっても「今はもうありませんと回答すれば、裁判でもそれが通ってしまう。われわれはそのような社会で生活しているのに学者、メディアはのほほんと議論しているだけ」と危機感を募らせる。隠蔽することと並行して人事に介入する。「NHKの会長問題、また内閣法制局長官に外務官僚を据えたのを契機に、集団的自衛権の行使容認を閣議決定で可能にすることなどが行われた」と述べた。
 その後、2人は対談。西山さんは「安倍内閣の情報操作は特に強い。隠蔽の一方で自分に都合のいい時はどんどん情報を流す。情報操作の典型だ。権力は手のこんだいろんな形でじわじわやってくる。市民の監視力が大事だ」と強調した。山口さんは「国民投票は改憲の歯止めにならないのではないか。まず国民投票をさせないようにすることだ」と述べた。 
【写真】 左からコーディネーターの平田かおり弁護士、山口さん、西山さん                                                              (16.7.5)



 中国電力取締役社長の解任求める

株主が「放射性廃棄物処理」の偽造で責任追及


 中国電力が6月28日、広島市中区の本店で開いた定時株主総会で、この4月に副社長から昇格した清水希茂取締役社長の解任議案が株主(96人)提案された。提案は否決されたが、清水氏は副社長時に島根原子力発電所虚偽記載事件の実質的な最高責任者であったにもかかわらず、責任の取り方は「報酬を1カ月間10%自主返上」であった。その一方で「不正を行ったとされる社員は、昨年12月16日付で諭旨解雇処分を受け」た。
 中電は昨年度定時総会後の6月30日に「島根原子力発電所の低レベル放射性廃棄物の処理をめぐる書類虚偽」を明らかにした。株主提案は「当該社員への処分内容についての『軽い・重い』の認識は別にして、実質的な最高責任者の責任の取り方と、当該社員の処分との格差について、強い違和感を受ける」としている。この事件については今日でも「多くの人たちや自治体から、強い批判が続いている」として、「社長就任は辞退されるのが常識的な判断だ」と提起した。「書類偽造」への中電の対処について株主からは「株主総会が終わるのを待っていたかのようにして明らかにした。これが中電のまさに体質である」と厳しい指摘があった。
 これに対して中電取締役会は清水取締役について「社長として、グループをあげたコンプライアンス最優先の経営の実践に向けて忠実にその職務を遂行しております。…低レベル放射性廃棄物のモルタル充填に用いる流量計の不適切事案に関しましても、再発防止に全力で取り組んでおり、解任を求められる事由はありません」と解任議案に反対した。
 このほか株主から定款一部変更として「原発事故時避難者受け入れ自治体との安全協定を結ぶ」「原子力発電からの完全撤退」「原発の再稼働は行わない」「(使用済み燃料の)再処理を行わないため経営破たんの可能性の高い日本原燃料、日本原子力発電への出資を行わない」「再生可能エネルギー発電へのシフト」を追加する提案があった。いずれも否決されたが、中電に課題を突きつけた。                                                    (16.7.1)


「『謝罪』なき広島のオバマ」「安倍政治を終わらせる」を特集

「広島ジャーナリスト」25号を発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は6月15日、「広島ジャーナリスト」第25号を発行した。特集は「『謝罪』なき広島のオバマ」「安倍政治を終わらせる」の2本立てとした。オバマ米大統領の広島訪問では、田中利幸氏の長編論文「『普遍原理』で投下責任隠す」を掲載。国家そのものが被害者であるかのような広島・長崎の政治利用は終戦直後から今に至るまで続き、オバマ大統領の広島訪問における「謝罪は求めず」の大合唱につながったと指摘、そのうえで大統領の所感は原爆投下の責任を「人類総責任」=「人類総被害者」の問題に相対化したと厳しく批判した。ほぼ同時刻に行われた「オバマ大統領来広の意味を問う」市民シンポも詳しく伝えた。パネリストのうち川崎哲さん、森瀧春子さんの発言は詳報を掲載した。川崎さんは米国がボイコットを続ける国連作業部会での核兵器禁止条約をめぐる議論を紹介、森瀧さんは、日米間で今も食い違う被爆死者の総数の問題などに触れた。
 「安倍政治を終わらせる」では、辺野古の新基地建設をめぐる国と沖縄県の「和解」の裏側に潜む問題点を本田博利・元愛媛大教授が法律的側面を中心に浮き彫りにした。野党協力による政権交代を追求する小林節・慶応大名誉教授の講演や、高市早苗総務相のテレビ電波「停止」答弁をめぐる問題点を明らかにした山田健太・専修大教授の講演も掲載した。
 ずさんさが浮き彫りになった呉市の教科書採択については、教科書問題を考える市民ネット事務局の岸直人さんがこれまでの経緯をまとめた。
 B5判123㌻、定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。
 定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。                                (16.6.18)   

湯浅さん講演 「中央構造線が危ない!」

             熊本地震が示した伊方原発のこの先

  「上関原発止めよう!広島ネットワーク」と「さよなら原発ヒロシマの会」は福島原発事故5年3カ月の6月11日、広島市中区の原爆資料館地下会議室で「中央構造線が危ない!伊方原発動かすな!広島集会」を開いた。65人が参加。環瀬戸内海会議副代表の湯浅一郎さんの講演「伊方原発立地点の不適切さを浮き彫りにしている熊本地震」を聴いた後、「放射能汚染の被害者となりうる当事者として伊方原発3号機の再稼働を止め、豊かな瀬戸内海を守り、西日本に住む人々、私たちの命を守るために行動をしていきます」と集会アピールを採択した。同日、伊方原発ゲート前には150人が結集した。
  湯浅さんは熊本地震が湯布院-別府―万年山断層=大分に連動した点に注目。その先には佐賀関、愛媛県の佐田岬、伊方がある。熊本地震は西南日本を南北に分断する中央構造線の西端で生じており「伊方原発直近の中央構造線で大地震が起きない保証はない」と指摘した。政府は原子力施設からおおむね30㌔圏内を目安に避難計画の策定を自治体に義務付けている。川内原発再稼働では鹿児島県と薩摩川内市の容認だけで済ませている。湯浅さんは伊方原発でも川内原発の前例が踏襲されようとしているとして「当事者とは誰かを争うべきである」と述べた。
 伊方原発で福島のような事故が起きた場合について湯浅さんは「年平均の風の分布からして放出された放射性物質の半分近くが南北方向に拡散して、その相当部分が伊予灘・広島湾と豊後水道・宇和海に降下する」と推定している。その結果、瀬戸内海の食物連鎖の基盤を担うイカナゴ、カタクチイワシの汚染が進んでいくと懸念した。湯浅さんは「原発事故は人知を超えた手に負えないもの。防災計画とか避難訓練など策定しようがない。事故は起きてはならない。原発をゼロにするしかない」と主張した。                                                               (16.6.14)


7月3日、JCJ広島支部が「オバマ訪問」シンポ






























にぎわう街 「選挙で変えよう!」の訴え

6・5ヒロシマ集会・デモに1000人


 「明日を決めるのは私たち 政治を変えよう」。ストップ!戦争法ヒロシマ実行委員会は6月5日、広島市中区の原爆ドーム前で同日の「全国総がかかり大行動」に呼応してヒロシマ集会を開いた。戦争法廃止!安倍内閣退陣!の呼びかけに1000人が結集した。この日、県内では三次、三原、尾道、福山で集会があった。
 広島集会では同実行委員会共同代表の山田延廣弁護士が「立憲主義と平和憲法の無視は庶民の生活にも影響する。自衛隊の予算は10パーセントも伸びて5兆円になっている。7月の参院選は天王山の戦いになる。負けるわけにはいかない」とあいさつ。続いて32の参院選一人区すべてで統一候補を擁立することにまとまった野党の代表が並び「被爆地広島から戦争法廃止の声を高めよう」「『致し方ない』『しょうがない』といった言葉にごまかされてはいけない」などと訴えた。
 その後、大学人や平和団体、労組代表らと共にママの会メンバーら2人が発言。「会としていろんな人が、いろんな意見を言える場を目指していきたい」「戦争は国民を守るものではない」「憲法を守らない時代遅れの政治を変えたい」などと述べた。三原市からやってきた母親は「戦争を知らないけど、戦争は想像するだけで怖い。自分の子どもが殺されたり、殺したりするようなことは絶対にあってはならない」と訴えた。集会後、参加者たちは夏の前触れ「とうかさん」でにぎわう中心部、商店街をデモ行進。「選挙にいこうよ」などと浴衣姿の若者たちに呼びかけた。  

 【写真】」駆けつけた野党と主催者代表が手を結んで参院選を闘おうとアピール。左から三木郁子新社会党広島県委員会委員長、檀上正光社民党広島県連合代表、森本真治民進党参院議員、山田延廣弁護士、高見篤己共産党参院選広島選挙区予定候補、佐藤公治生活の党と山本太郎となかまたち・元参院議員                           (16.6.5)


オバマ大統領の来広の意味を問う

HANWAがシンポジウム開く

  核兵器廃絶日本NGO連絡会と核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)は5月27日、オバマ米大統領の広島訪問に合わせて中区の広島県立体育館会議室で市民シンポジウム「核兵器廃絶への一歩となるか否か/オバマ大統領の来広の意味を問う」を開いた。オバマ氏が平和記念公園で述べた所感についてパネリストたちがそれぞれコメント。「核なき世界を」との呼びかけと「核抑止力依存」の矛盾が克服されていない点などを指摘した。
 午後5時半すぎ、会議室のスクリーンにオバマ氏の姿がテレビ実況中継で大写しになった。原爆慰霊碑に献花。その後の所感は簡単になりそうと推測されていたが、慰霊碑を背にしたスピーチは謝罪なしで17分間に及んだ。2009年4月にプラハで「核なき世界を」と演説した時の自身の姿を再現するかのようだった。その演説の中にあった、自分の生きている間には実現できないかもしれないとの文言も繰り返した。理想と現実は違うと言いたいのだろうか。
 オバマ氏の予想外に早い広島入りで、シンポはさながらライブに。パネリストたちがスピーチに対する感想を述べることから始まった。まず川崎哲・ピースボート共同代表が「戦争を繰り返してはならないとする思いは分かるが、核兵器廃絶については中身のない演説だった」と述べた。国連では今年2月から始まった核軍縮作業部会で核兵器の法的禁止へ議論が進んでいるが、米国は公開作業部会の欠席を続けている。藤森俊希日本被団協事務局次長は「スピーチには課題を具体的に示してどうするということがない。すべての人は平等というが、米国はそうしているだろうか」と疑問を呈した。
  村上正晃・平和公園ボランティアガイドは「朝鮮人の死が数千人というのは誤りだ」と指摘。森瀧春子・核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表は「広島訪問を前に会としての要請書を出し、わざわざ被害の数値も入れたが予習もなしに来広したとしか思えない。米国の原爆投下は戦争犯罪であり過ちを認めてもらうしかないのだが、どういう覚悟で来たのだろうか」と語気を強めた。   
   【写真】テレビの生中継を見ながら進められたシンポジウム                           (16.5.28)  

安倍内閣支持率を支えるNHK

「異議あり!テレビ報道」 北村さん講演


 週刊金曜日の発行人である北村肇さんが5月23日、広島市中区のまちづくり市民交流プラザで「異議あり!テレビ報道 瀬戸際のジャーナリズム」と題して講演した。広島マスコミ九条の会が主催。63人が参加した。北村さんは元毎日新聞記者で新聞労連委員長としても活躍。週刊金曜日では編集長を務めた。
 安倍内閣はここに来ても高い支持率を得ている。北村さんは「私の周辺では、そういう人を見かけないのでびっくりする」と切り出した。大学に出向いて安倍政権のでたらめぶりを学生に伝えると「圧倒的に不支持が多い。支持率が高いのはマスメディアが真実を伝えていないからだ」と喝破した。
 オバマ大統領の広島訪問の「特ダネ」をとったのはNHK岩田明子記者だったという。北村さんは「彼女は月刊誌で安倍首相の母親にインタビューしていた」「優秀な政治記者は、どの政治家に食い込んでいるかといったことは表に出さない。広島訪問は特ダネではなくリークに過ぎない」と述べた。
 NHKは安倍チャンネルと言われている。どう対抗すればいいか。10万、100万人と不払いが広がるとNHKがいちいち裁判を起こすことは不可能だ。「籾井氏が会長であるかぎり不払いとすればいい」と北村さん。
 集団的自衛権に関する安倍首相のでたらめな説明や緊急事態条項などマスコミは批判すべき点をまともに報じていない。核問題について安倍内閣は4月1日、憲法九条は核兵器の保有、使用を禁止しているわけではないと、質問主意書に対する答弁を閣議決定した。北村さんは「とんでもないことなのにNHKは1回も報じていない」と指摘した。マスメディア信頼調査によるとNHKが依然1位。北村さんは「安倍内閣の支持率を下げるにはNHKを変えることだ」と呼びかけた。     (16.5.25)



雨にも負けず、アベニモマケズ

 5・3ヒロシマ憲法集会ひらく


 広島で毎年5月3日憲法記念日にそれぞれ結集してきた二つの護憲集会が、今年は一つになって大集会を開き、一段とパワーアップした。「平和といのちと人権を!」を掲げて広島市中区のハノーバー庭園であった「5・3ヒロシマ憲法集会」(スットップ!戦争法ヒロシマ実行委員会主催)。雨の中、約2000人が「憲法蹂躙の安倍政権を打倒しよう」と連帯を深めた。(写真下)
 まず「戦争をさせないヒロシマ1000人委員会」の佐古正明さんが「安倍政権打倒の1点で結集していこう」と呼びかけた。続いて「広島県9条の会ネットワーク」の石口俊一さんが「統一して集会が開かれるのは初めての経験。今この場で足が震えるほどうれしい」と述べた。
  しなやかな立憲主義活動で知られる落合恵子さん(写真左)がメーンスピーカーとして登場。傘、傘を広げた参加者たちに「お元気ですか。長生きしていい社会に変わっていく体験者になってください」と呼びかけた。当意即妙、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を替えて「安倍ニモマケズ」と鼓舞。オスプレイの自衛隊購入を例に「お金のかけかたが違う。庶民は常に捨てられている。もっと怒っていいじゃないですか」と訴えた。落合さんは日本国憲法をめぐっては戦争へ行こう、いや憲法を守る、そんなこと言っても分からないという三つのタイプの人がいると指摘。「一番多いのが最後のタイプ。この人たちにどれだけノックすることができるかが大事」と語った。
  その後、呉市の3人の子ども持つ母親が「子どもの命をいとも簡単に失わせるようなことがあってはならない。街角に立って訴え続けていく」と発言。続いて弁護士になったばかりの男性が「子どもの時、母親たちはなぜ戦争を止めなかったのかと子ども心にも憤りを感じていた。今、そのことが私たちに降りかかっている。安保法制をなぜ止めてくれなかったのかと将来世代から糾弾されないように行動したい」と誓った。主催者によると広島県の「戦争法廃止署名」は5月2日現在で22万1000筆を突破した。さらなる署名拡大と6月5日、原爆ドーム前での「戦争法廃止!安倍内閣退陣!6・5ヒロシマ集会」結集の呼びかけをもって閉会した。









 
 解散後、広島県民文化センターでは恒例の憲法ミュージカルがあった。今年の演題は「主権者って言われても。~今、覚醒のとき~」。18歳選挙権行使を前に、広島高校生平和ゼミナールの生徒たちも加わって「試練のメディア」「主権者って?」「主権者の誕生 九条高校公開授業」などの各場面が、今の政治への鋭い風刺とユーモアをまじえて熱演された。  (16.5.4)


広島における教科書問題

広島支部総会記念講演会開く

日本ジャーナリスト会議(JCJ)広島支部は4月29日、2016年度総会後に記念講演会を開いた。講師は元教員で「教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま」事務局の岸直人さん。市民を含め43人が「広島における教科書問題-尾道・呉の中学教科書採択に対する市民の取り組み」について聞き入った。
 公立中学校の教科書採択は4年ごとに行われ、昨年がその年だった。広島県では愛国心の刷り込みなど政府政策を支持する育鵬社の社会科教科書(歴史、公民)をめぐって尾道市教委と呉市教委で対照的な決定があった。尾道市は前回と違って育鵬社版(公民)を採択しなかったが呉市は引き続き採択した。
 尾道市教委が2011年育鵬社版を採択した経緯について「尾道の教育を考える市民の会」が調べたところ、当時の教育委員長が選定委員会の答申を無視して強引な多数決で採択していたことが分かった。この問題では地域紙の山陽日日新聞がキャンペーンを展開したという。そうしたことがあって、今回の不採択につながった。「教科書ネット・呉」の調査では、呉市教委の社会科指導主事が選考委員と調査研究員を重複できるような仕組みが出来上がっていることが分かった。加えて市教委は県教委とは違う「独自の評価方法」を駆使して育鵬社版(歴史)の高評価につなげていた。
  「教科書ネット・呉」は2月に市教委に採択無効の公開質問状を提出し、市民への説明責任の実行を求めた。それにもかかわらず市教委は3月4日に再度の採択決定。その後、教育長が理由を明らかにしないまま辞任を表明した。岸さんは「教科書は食品と同じで、安心して学べないといけない。採択への政治介入を阻止するための市民の取り組みが広がっている」と述べた。                                                                   (16.4.30)



「政権批判」を防ぐための壁づくりはNO!

山田健太教授 高市発言の狙いを指摘


 放送法には表現の自由のための『のりしろ』がある。悪用しないことを前提とした紳士法だから、どうとも読める部分もある。政府はそれを悪用して、のりしろを狭くしている」。言論法の山田健太専修大学教授(写真)が3月30日、広島弁護士会館で「放送法とは何か~安倍政権のマスコミジャックと高市発言の狙い」と題して講演した。日本ジャーナリスト会議広島支部、秘密法廃止!広島ネットワークなどの主催で85人が学んだ。
 山田さんは高市早苗総務相の停波発言について二つの側面があると指摘した。一つは総務省が番組を個々に事後審査する意思を明確にしたこと。もう一つは政権として「政治的公平性」に関する放送局監視の意思を再度示した点である。発言の背景をたどれば1980年代に強まった市民のメディア批判に行き着く。その社会的空気をうまく利用して自民党は90年代からメディア規制に注力するようになった。2000年代に入ると政府は放送法の運用を強化して「がんがんに行政指導が増えてきた」。
 「政治的公平性」について山田さんは日本と外国では意味が違うと述べた。日本では真ん中、ニュートラルを意味するが外国では政治からの独立を意味する。「日本型報道ルールの客観中立、不偏不党は海外にあまりない」という。福沢諭吉が政論新聞とは違う、ビジネスとしての新聞(時事新報)を創刊し成功したことに起因する。140年の歴史があるだけに、その文言は一般に受け入れられやすい。放送法の目的条項にも流れ込んでおり「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保する」とある。表現の自由を保障するのは政府の責任だが、そうなっていない。政権・政治家を批判から守る壁があってはならない。名誉棄損の壁は破っていいのだが「政府はもう一枚壁をつくっている」。山田さんは「放送法の制度と運用について関心を持ち、常時チェックしていくことが大事」と強調した。   (16.4.2)



「非核の世界へ」を特集

「広島ジャーナリスト」24号を発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は3月15日、「広島ジャーナリスト」第24号を発行した。「非核の世界へ」を特集タイトルとし、11月21~23日に広島市であった「世界核被害者フォーラム」の詳報を冒頭に掲載した。3日間の日程の中から、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)創始者で、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の共同議長でもあるティルマン・ラフ氏と元京都大原子炉実験所助教の小出裕章氏の講演をピックアップ、重点的に掲載した。
 広島市立大広島平和研で13年間、「ヒロシマ」「ヒバクシャ」を問い続け、昨年9月限りで研究拠点を明治学院大国際平和研に移した高橋博子さんの「さよなら講演」も、詳報を掲載した。
 このほか、原発とコストの問題を追究する大島堅一・立命館大教授、戦争法反対で街頭行動の先頭に立つ中野晃一・上智大教授、沖縄の基地問題を追い続ける前泊博盛・沖縄国際大教授の講演なども、内容を詳しく掲載した。
 B5判123㌻、定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。                     (16.3.25)



戦争法廃止へ 「野党共闘が一番大事」

広島弁護士会集会で小林節さんが講演


 「安保関連法はどうして憲法違反なのか」。広島弁護士会が3月19日、広島市中区の広島弁護士会館で開いた講演会で慶応大名誉教授の小林節さ【写真】んは「海外派兵などを憲法9条2項は認めていない」と指摘し、安保関連法廃止へ参院選での野党共闘を進めていくことがいま一番大事と600人に呼びかけた。
 小林さんは長年、自民党の憲法ブレーンとして知られていたが安倍首相の憲法改正手続き(96条)改変の言動を「裏口入学」と批判したのを機に、立憲主義の危機を訴えてきた。小林さんは、安保関連法をずばり戦争法と呼んでいる。これまで内閣法制局も自民政府も海外派兵はできないとしていたが、安倍首相は憲法を変えることなくできるようにした。「戦争できない国が、戦争できる国になった。故に戦争法と私はいう」と述べた。
 小林さんは「米軍の2軍として、海外派兵するのは憲法違反であるばかりか愚かな政策である」と明快。欧米諸国とイスラムの対立について「日本が介入することはない。日本はお金を出して民生面で貢献すればいい。米は戦費破産している。米軍需産業の客筋になることはない」と主張した。
 憲法は国民の自由、豊かさ、平和を保障するものである。「日本は憲法によって70年間も戦争をしなくて済んだ史上まれな大国。それを覆そうとする勢力は倒さなければならない」と小林さん。「まず投票にいこう。賢い有権者になる必要がある」と訴えた。会場から安保関連法に反対するママの会・広島の近松直子さんが登壇し、同法が成立した9月19日以降も元教員から「公民」を学んだり、憲法カフェを開くなどしていることを報告した。 (16.3.20)



「沖縄は優遇されている」に反論

  「オール沖縄」の仲里衆院議員が講演


 オール沖縄を象徴する沖縄4区の衆院議員(無所属)の仲里利信さん【写真】が2月11日、広島平和記念資料館で講演し「戦争法を押しつぶすためにも辺野古に米軍新基地をつくらせてはならない」と訴えた。ヒロシマ革新懇などの主催で150人が聞き入った。
 仲里さんが自民党に所属し県議会議長を務めていた2007年、教科書検定問題が起こった。沖縄戦の実相を曲げてはならないと県民大会の開催に実行委員長として尽力した。その後、自民党を離れた。山原を逃げ回り、乳飲み子の弟を亡くすなど悲惨な体験をしている。
 オール沖縄の候補が敗れた先の宜野湾市長選について仲里さんは「辺野古が争点からはずされてしまった」と述べた。新基地ができるということは、これまでのように基地を無理やりに押し付けられたのとは違って、沖縄が了解してできたことになると指摘。軍港、核兵器格納可能な弾薬庫、基地高層マンションなど「後出しじゃんけんが次々となされている」と憤った。
 沖縄は国の予算で優遇されているとの声に仲里さんは実数をあげて反論した。たとえば02年度から10年間の国の振興計画予算は2兆4910億円だったが、沖縄の国税収納額は2兆6080億円でそれを上回っている(沖縄タイムス社)。内外の観光客の増加、物流基地としての発展もあり「もう経済的にやっていける。独立論もぼちぼち出ている」。仲里さんは「沖縄について政府から国民にまっとうなことが知らされていない。みなさんに沖縄の現場をみてほしい。新基地ができるようだと日本の将来は危ない」と警告した。
                                          (16.2.12)


      天井見えないフクシマ原状回復費用

         大島教授が講演「経済から見る原子力発電」

 
 原発のコスト問題を20年以上研究している大島堅一立命館大教授(写真)が2月7日、広島平和記念資料館で「経済から見る原子力発電」と題して講演した。大島さんは、「原発に経済性はない。事故のコストが国民・電力消費者につけ回されている」と述べた。さよなら原発ヒロシマの会の会員らが学んだ。
 政府、電力会社は原発再稼働を進めるために①原発のコストは安い②電気料金が上がると経済がだめになる-などと言っている。大島さんは「そうかなと思う人もいるかもしれないが、燃料費だけでなく社会的費用をみないといけない」と指摘。福島原発事故で分かるように事故の原状回復費用は増えるばかりで今後もずっと続く。その額は12兆円超とも言われるが「まだ天井が見えない。これからが本番だ」と大島さん。対して東京電力がこれまで原発で得た収益は約4兆円という。
 加えて放射線廃棄物の処理、費用問題もある。将来世代にとっては単なるごみなのに、費用は彼らの負担になる。ドイツはかつて地下の岩塩層に廃棄物を投棄したが、地下水に見舞われて回収作業をしている。大島さんは「ドイツは過去の失敗をオープンにみせている」と評価していた。
 長期の保守も含めて原発の総コストは、ばく大なものになる。いったいだれが払うのか。東京電力はどうか。汚染者、加害者だから同社が支払うべきだが自力では払いきれない。本来であれば経営破綻は避けられない。ところが政府によって原発事業者を債務超過させない枠組みがつくられている。そのつけは税金、電気料金として国民に回ってくる。大島さんは「原発ゼロの方が合理的」と結んだ。
                                            (16.2.8)


      アメリカに取り入る安倍政治

     中野晃一教授(上智大)が「ストップ戦争法」で講演


 戦争法廃止へ全国2000万統一署名活動に加わっている「ストップ!戦争法 ヒロシマ実行委員会」は1月16日、広島市中区の県民文化センター・ホールで「署名成功をめざすヒロシマ集会」を開いた。集会には約750人が参加。「立憲デモクラシーの会」の中心メンバーで「右傾化する日本政治」(岩波新書)などの著書がある中野晃一上智大学国際教養学部教授(写真)が「グローバルな寡頭支配としての安倍政治―自由・民主・平和は私たちが守りはぐくむ―」と題して講演した。
 中野さんは、安倍政治の対米追随に言及。昨年夏の戦後70年安倍首相談話もよく読めば、アジア諸国に対する謝罪ではなく「私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます」と米国と戦争したことを謝っているだけと指摘した。米国に取り入っての寡頭、すなわち少数支配の政治を強行しているという。
 民主主義、平和憲法破壊の政治にどう対抗していくか。中野さんは、これまで地道に護憲運動をしてきた人たちを「敷布団」、国会前などで民主主義を守ろうと安倍政治に対して反対の声を上げている若者、ママの会などの新しい市民運動の芽生えを「掛け布団」にたとえて大きな反響を呼んだ。両者相まっての多様な運動体の緩やかな連携と共闘態勢の持続、拡大を訴えて「個人で考える勇気を持ち、お互いを尊重し学び合おう。個人の尊厳を守るために憲法はある。政治をつくり直していこう」と呼びかけた。 
                                          (16.1.17)


「一億総活躍の虚妄」を特集

「広島ジャーナリスト」23号を発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は12月15日、「広島ジャーナリスト」第23号を発行した。「一億総活躍の虚妄」を特集タイトルとし、安保関連法成立を強行した安倍晋三政権が軍国化路線のまやかしとして掲げたスローガン「一億総活躍」の虚構性を暴いた。
 安倍政権は、全国民が活躍する社会を目指すとしながら、沖縄・普天間飛行場については「返還」でなく「辺野古移転」に固執、翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しに対し、知事権限を剥奪する代執行訴訟を起こした。一連の政府の対応ぶりをみると、自ら掲げた「一億総活躍」の視野に沖縄は入っていないようだ。
 こうした状況に、琉球新報の松元剛記者が「民主主義と地方自治の危機」とする「沖縄リポート」を寄せた。辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前で座り込む86歳・島袋文子さんの思い、代執行訴訟の口頭弁論で翁長知事が全国民に問いかけたこと、印象操作に走る官邸…と、沖縄をめぐる不条理を力強い筆致で浮き彫りにした。
 本田博利・元愛媛大教授(行政法)は、こうした政府の対応ぶりを「日本の地方自治史上最悪の『暴政』」ととらえ、法的問題点を多角的にあぶりだした。環瀬戸内海会議副代表の湯浅一郎さんは、辺野古埋め立てによって生物多様性が失われると警鐘を鳴らした。
 日本ジャーナリスト会議(JCJ)が10月中旬に沖縄で開いた全国交流会(広島から4人参加)のさなかに那覇市内であったマスコミ労協「反戦ティーチイン」」の議論も紹介。琉球新報、琉球朝日放送の二人の記者、ジャーナリスト安田浩一さんなど、沖縄をめぐる言論状況がよくわかる発言は詳報を掲載した。
 このほか、岩国基地問題の現状、反原発の闘い、「黒い雨」をめぐる被爆者訴訟、広島・平和公園での「かき船」問題などもとりあげた。
 グローバル時代の経済学を研究する浜矩子さん、国会前12万人集会を実現させた高田健さん、加速する集団化社会に警鐘を鳴らし続ける森達也さんらの講演記録も掲載。「一億総活躍」などという空疎な言葉ではくくれない今日の社会状況を際立たせる内容となっている。
 B5判123㌻、定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。
 定期購読の申し込みは、ファクス 082(231)3005 へ。               (15.12.22)


「メディアと安倍政権」論じる

          政府から独立したNHKをめざす会1周年のつどい

 「政府から独立したNHKをめざす広島の会」は12月13日、日本ジャーナリスト会議代表委員の1人である隅井孝雄さんを迎えて広島市中区の広島弁護士会館で1周年のつどいを開いた。64人が参加した。
 隅井さんは「公共放送って何だ!?~メディアと安倍政権~」と題して講演。NHKが籾井勝人会長の就任などによって「安倍チャンネル」化している状況を指摘した。こうした中で、NHKの改革を求める市民団体が全国で24組織発足。署名も7万7000筆に達している。
 公共放送の運営は政府、議会から切り離すのが世界の常識だが日本は中国、北朝鮮のような状況にあるという。隅井さんは「報道の自由は民主主義社会に欠かせない。報道の自由、政治的、社会的、文化的多様性を守ることは政府の責務である」と定めている「EU(ヨーロッパ連合)報道の自由憲章」などを紹介。それらと放送法との比較なども課題になると述べ、市民視聴者にNHKを取り戻していくための改革私案を披露した。
第一に政府、国会と切り離し第三者委員会の監督下に置いてNHKと民放連でつくる放送倫理・番組向上機構(BPО)に周波数割り当てや予算案審議を付与する。人事面では会長公選、経営委員会立候補制、経営委員選出の視聴者参加を進める。番組については番組審議委員会の完全公開、視聴者との対話の双方向チャンネルの多様化が必要としている。隅井さんは「いい番組を視聴したらすぐに賛同、激励のメッセージをNHKに伝えることも大切」と強調した。
                                          (15.12.14) 


       核被害者権利憲章草案 採択

           世界フォーラム 情報共有、発信力強化を確認











 
  ウラン採掘から原爆、原発、劣化ウラン弾、放射性廃棄物まで核のサイクルによる健康、暮らしの被害に苦しむ人々の実態報告を聞き、その支援と被害防止を目指す世界核被害者フォーラムが11月21日から3日間、広島市国際会議場で開かれた。米、豪、イラク、インド、ウクライナなど海外9カ国からの参加者と広島、長崎の被爆者ら延べ900人が参集。「自然放射線・医療用放射線以外の放射線被曝を受けない」権利を掲げる「世界核被害者の権利憲章要綱草案」などを採択した。
 フォーラムではウラン採掘で先祖伝来の聖なる土地を奪われた上に、多大な健康被害に苦しむ米、豪の先住民代表たちが差別、抑圧の構造を指摘。土地、住居の回復と民族文化の再生を目指していると訴えた。チェルノブイリ、福島の原発事故では周辺の住民と事故処理労働者が放射線被曝の脅威に直面している。討議で「核の連鎖があるかぎり放射能災害の発生を防ぐことはできず、増え続ける核廃棄物の処理・処分の見通しは全く立たないうえ、核汚染は長期にわたり、環境の原状回復は不可能ということから、人類は核エネルギーを使ってはならない」との認識を深めた。
 このフォーラムを契機に、世界各地の核被害者情報を共有。加えて芸術、メディアとの連携によって発信力を高めていくことを確認した。閉会時にはフォーラムの準備、進行に携わった多くの若者たちが一堂に並び、参加者たちからねぎらいの大きな拍手を受けた。
                                          (15.11.24)


    戦費のための「アベノミクス」を痛烈批判

        憲法公布69周年のつどい浜矩子さん講演


 日本国憲法公布日の11月3日、広島県9条の会ネットワークは広島市中区の広島YМCA国際文化ホールで、同志社大大学院ビジネス研究科教授の浜矩子さん (写真)を迎えて「11・3憲法のつどい・ひろしま」を開いた。280人収容の会場で満員の聴衆を前に浜さんは「日本国憲法は地球時代の救世主 平和の経済学をめざして」と題して講演。「安倍首相は経済成長することで国防費を増やし、戦前の富国強兵を再現しようとしている。それがアベノミクス」と喝破した。講演の後、250人がデモ行進して「戦争法廃止を」などとアピールした。 
 浜さんは安倍首相が今春訪米した時に、笹川平和財団アメリカ主催のシンポジウムで語った本音を紹介した。首相は自分の外交・安全保障政策はアベノミクスと表裏一体と話し経済成長は社会保障の基盤を強くすると一応述べた後「防衛費をしっかりと増やしていくこともできる」と本音を語っている。浜さんは「大日本帝国の復活を狙っている。このような発想はあってはならない。徹底して闘わなければならない」と語気を強めた。
 浜さんは経済政策の使命は、過度のインフレやデフレに陥った経済活動の均衡を回復することと弱者救済にあると指摘。日本国憲法が指し示す「だれもが自由に豊かに平和に生存していける世界」をどのようにつくっていくか。浜さんは、成熟した日本経済においては「ヒトの痛みが分かる共感力が大事」と強調。異論も傾聴できる耳、もらい泣きし涙する目、差し伸べる手を持とう訴えた。
 参加者たちは「つどい」の後、近くの公園からデモ行進。福屋横から本通りを抜けて平和記念公園まで買い物客らに「安倍政治許さないぞ」などと呼びかけた。
                                         (15.11.4)


     戦争法の社会、次世代に渡さない

    「総がかり行動」実行委事務局の高田健さん、廿日市で講演


 戦争法に反対する中で、8月30日に国会前12万人集会を実現させた「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」実行委員会の事務局を担当する高田健さんが10月10日、廿日市市商工保健会館交流プラザで講演、運動を振り返るとともに、今後も戦争法廃止運動を続けていくと述べた。さらに、戦争法発動を阻止し、戦争をする国にしないことが今生きている私たちの責任だと語った。九条の会・はつかいちが主催し、約80人が聞いた。
 高田さんは、12万人集会が実現できた要因として、これまでいくつかに分かれていた平和運動が統一されたことが大きいと語り、背景には、とんでもない悪法が出る時代に分かれて運動したのではどうにもならない、という危機感が広くあったと述べた。そうした統一を守るため非暴力主義を貫く必要があり、それが守られたことが大きいとし、60年安保、70年安保を上回る質の運動が展開できたと総括した。そのうえで「日本はデモのある社会になった」と感慨を述べた。
 そのうえで、市民運動が盛り上がる中で野党連携も実現し、民主党をはじめとする国会議員も変わっていったと振り返った。
 しかし、結果として戦争法案が9月19日に採決され「成立」したことに対しては、公明党内に反乱者が出たり、庄原市で見られたように自民党県議を代表者にした安保法制反対の市民の会もできたりしたが、そうした動きを広げることができず、敗北につながったとした。また、中堅サラリーマン層の意識を変えるに至らなかったこと、非正規雇用の人たちへの働きかけがいま一つだったこと、戦争法に対する女性の拒否感を十分生かし切れなかったことなどを闘いの反省点として挙げた。
 高田さんは、今後も戦争法発動を阻止する闘いを継続するとし、野党連携を進めるため2千万人の署名運動を始めると述べた。最後に「戦争法発動を阻止していくことが今生きている者たちの責任だ。後の世代に戦争法の社会を渡すわけにはいかいない」と、講演を締めくくった。
 一連の闘いの中で、マスコミの報道が積極的でなかった点について「現場の記者たちを激励し、一緒に考えてメディア自身を変革していくのが運動だ」と、批判だけでなく記者を巻き込んだメディア変革が必要だと訴えた。
【写真】新聞に載せた意見広告を手に、運動を振り返る高田さん。
                                         (15.10.22)


「被爆70年 戦後70年」を特集

「広島ジャーナリスト」22号を発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は9月15日、「広島ジャーナリスト」第22号を発行した。戦後70年の節目の年であることを踏まえて、特集タイトルを「被爆70年 戦後70年」とした。
 トップはピースボート共同代表の川崎哲氏による現在の核情勢。核兵器禁止条約への道筋をあらためてたどってもらった。これに続けてピースデポ副代表の湯浅一郎氏が広島、長崎、沖縄の三つの平和宣言を読み解き、非戦の太い流れを浮き彫りにした。長崎からは毎日新聞支局の樋口岳大記者が、安保法案に慎重審議を求めた長崎平和宣言の作成過程での議論をまとめた。右傾化する国政に対して被爆地から声を上げるには、一首長だけでなく市民の後押しこそ必要であるということが伝わるレポートだった。
 8月6日を中心に、広島では今年もさまざまな催しが開かれた。その中から、日米の戦争責任を問い過去の克服を目指す「8・6ヒロシマ平和へのつどい2015」を取り上げ、女性学、ジェンダー研究で知られる上野千鶴子さん、60年代のベ平連運動など、一貫して平和運動とかかわってきた武藤一羊さんの講演を取り上げた。上野さんは、敗戦以来日本社会が持ち続けてきた「ねじれ」を解消するため、憲法を選びなおすことが必要と訴え、武藤さんは、戦後日本には憲法の平和原理と米国派遣原理のほか大日本帝国原理という第三の原理があり、安倍政権とはこうした原理次元での対決が必要だと強調した。
 また、8月6日には世界核被害者フォーラム実行委員会による「国際対話―反核の夕べ」が開かれた。その中から福島の教育現場、高校生平和大使を務めた福島高専生、先住民族への「核」被害研究者からの報告をピックアップして掲載した。
 最近、再び噴出した自民党のメディア威圧発言については、山田健太・専修大教授が問題点を整理したうえで「表現の自由の危機」と警鐘を鳴らした。関連して植村隆・元朝日新聞記者の「私は『捏造記者』ではない」と訴えた講演の詳報も掲載した。
 定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。                                           (15.9.30)


       国の河川占用許可取り消し求める

           かき船移設反対で第1回口頭弁論


 元安川への「かき船」の移転・新設をめぐり、被爆者や新設地の近隣住民たちが、国が「(株)かなわ」に出した河川占用許可の取り消しを求めた裁判の第1回口頭弁論が9月16日、広島地裁であった。
 原告団長で広島県原水禁代表委員の金子哲夫さんが意見陳述した。金子さんは、世界遺産化を求める165万筆の市民の署名が衆参両院の国会決議を実現させて政府を動かした結果、世界遺産に承認された経緯などを、署名活動に取り組んだ一人として証言。ドームとそのバッファゾーン(遺産を守るのに十分な周辺緩衝地帯)は一体のものであり、国と広島市はそれを守る責務があるにもかかわらず、国は移転問題で「その責務を果たしていない」と主張した。さらに国が占用許可を出す前提として、広島市が景観審議会に諮り景観問題を検討すべきだったのに、市は審議会を開かなかったことを、原告らが指摘するまで国は知らなかったと指摘。占用許可を「再検討し、取り消すのが行政が行うべき判断…世界遺産・原爆ドームの価値を問う裁判でもある」と述べた。一方、国側は答弁書で原告適格がないとして、門前払いするように主張している。次回は11月25日午後1時半開廷する。
 この問題では「かき船問題を考える会」が松井一實・広島市長に対する「かき船の移設に反対し撤去を求める」署名運動を進めており、既に4万4000筆を集めているが10月末までに5万筆達成を目標にしている。10月26日から福岡で、ユネスコの諮問機関として世界遺産登録の審査、モニタリング活動をしているイコモス(国際記念物遺跡会議)本部の年次総会・諮問委員会が開かれるのを機に、十数名の委員が広島を訪れる。考える会や住民は、その際にかき船の移転・新設反対をアピールする方針。この問題で日本イコモス国内委員会は今年1月29日付で「牡蠣船移動設置への懸念表明」を広島市へ送付している。 
 【写真】原爆ドームを守ろう裁判第1回 入廷する原告団               (15.9.26)


「NO WAR」「NO ABE」人文字 
広島で7000人が結集


 大きく長く、しっかりとつながり、戦争法反対の強固な思いを被爆地から世界へ発信。「ストップ!戦争法 ヒロシマ集会実行委員会」は9月13日、広島市中央公園で7000人を結集し「NO WAR NO ABE」の人文字を浮き立たせた。
 人文字づくりを前に、若者や幼児を連れた母親らが太鼓や笛をにぎやかに奏でながら市心部を行進。中央公園に続々と集まってきた人たちと合流した。人文字は横90㍍、縦50㍍のスペースに構築。戦争法に反対する国会議員ら5人(うち1人はメッセージ)が決意の挨拶をした。集会がたけなわになったころ、報道ヘリコプターなど5機が上空を何度も旋回。「戦争法を絶対止めよう」「沖縄、福島、岩国とつながろう」「みんなとつながろう」「みんなの願い、世界へ届け」など声高く沸き上がる人文字を空撮した。
 庄原と三次の市議の有志代表が登壇。地元での反対署名活動などについて「賛同する人が非常に多かった」と報告した。東広島市でデモ行進をした広島大生の永井千晶さんは「安保法制はあいまいで国民の理解を得ていない。数の力で押し切るのは正しくない」ときっぱり。「安保関連法案に反対するママの会」の広島のメンバー、内野知恵さんは「世界の戦争に自衛隊員が出るようになると必ず戦死者が出る」と訴え、命がけで生んだ子どもは命がけで守ると決意を語った。若人を代表して岡田和樹さんが「日本の若者の命をアメリカの戦争にさしだす…それは、ヒロシマの誓いである憲法第9条を破壊…戦争法案の成立を必ず阻止」と集会アピールを読み上げた。
 当面の行動計画は14日から16日まで毎日午後5時半から1時間、広島市中区本通りの青山前で街頭宣伝。17日は午後5時半、原爆ドーム前での集会後、中心部をデモ行進する。18日も同じく集会を開くが、デモ行進コースは未定。
 【写真】広島市中央公園に出来上がった人文字(提供:ストップ!戦争法 ヒロシマ実行委員会)   
                                         (15.9.15)


     武器を持って群れることの危険性

        「不戦のつどい」で森達也さん 指摘

 
 日本ジャーナリスト会議(JCJ)広島支部は9月2日、広島市中区で映画監督で作家の森達也さんを招いて「不戦のつどい」を開いた。森さんは「暴走する政府と萎縮するマスメディア―新たな視点で“今”を見る―」と題して講演。戦争法案が「このままでいくと大きな転換になる。絶対そうしたくない」と述べ、ひとりひとり集団圧力にあらがい反対していこうと呼びかけた。120人が聞き入った。
 森さんはオウム真理教の地下鉄サリン事件の後、信者を主人公にドキュメンタリー映画「A」をつくるなどして「自分よりもはるかに善良な人たちなのになぜ」と問い続けてきた。その動機は解明されないままに、メディアの大報道もあって社会に不安、恐怖感が高まったという。それに便乗するかのように、実は殺人事件や少年事件の件数は減っているのに監視カメラの設置台数は世界最多になっている。厳罰化が進み、死刑判決が増えている。メディアもビジネスだから読者、視聴者の関心を引くために事件をますます大きく扱い、不安をあおる傾向が著しい。森さんは「欧米では経営と現場の摩擦がすごいが、日本の場合それがない。いい報道があれば、よかったと伝えて現場を奮い立たせてほしい」と要望した。
  群れていれば安心と「集団としてまとまりたい、管理されたい、統制されたい」と集団志向は強まるばかり。振り返ってみれば、武器を持った集団は世界中でとんでもないことを繰り返してきた。森さんは「銃を持たないことを宣言した日本国憲法第九条はすさまじいアンティテーゼ。武器を持つから抑止力が暴走する。九条は崇高なやせがまんだ。それが押し切られかけている。ひとりひとりが集団からちょっと踏み出して考え、行動しよう」と語った。
                                           (15.9.3) 

     森達也さんを迎えて「不戦のつどい」

        -暴走する政府と萎縮するマスメディアー


 JCJ広島支部は9月2日、広島市中区袋町の「ひと・まちプラザ」(旧・市民交流プラザ)で2015年「不戦のつどい」を開催する。今回は映画監督で作家の森達也さんを迎え、「暴走する政府と萎縮するマスメディア~新たな視点で”今”を見る」と題する講演を予定している。
 森さんは1956年呉市生まれ。現在、明治大学特任教授を務めている。1980年代前半からテレビ・ディレクターとして報道とドキュメンタリーで活動。98年にオウム真理教信者を被写体としたドキュメンタリー映画『A』で高い評価を得た。2001年、続編『A2』が、山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。最近の著書は「アは愛国のア」(潮出版)、「たった一つの真実なんてない」(ちくまプリマー新書)、「すべての戦争は自意識から始まる」(ダイヤモンド社)など。
 安倍政権が暴走しマスメディアの支配、介入の動きが顕著な今、これをどう見るのか、私たちはどう対抗すべきか、
「今」の視点で語ってもらう。
  ■日時  9月2日(水)午後6時10分開場  6時30分開会
  ■会場  ひと・まちプラザ(旧・市民交流プラザ、広島市中区袋町6-36)
       北棟6階 マルチメディアスタジオ
  ■資料代 500円                                (15.8.23)



     「国民はいま、9条を選び直している」

        広島弁護士会館落成記念講演会で水島教授


  広島弁護士会は8月22日、広島市中区の同会館で会館落成記念イベント「戦後70年、平和憲法を破棄する!?~決めるのは主権者である『あなたです』~」を開いた。早大法学学術院教授の水島朝穂さん(写真)が「憲法から安全保障を考える」、続いて戦場カメラマンの渡部陽一さんが「世界からのメッセージ~平和と命の大切さ~」と題して講演。安倍政権が集団的自衛権の行使容認の閣議決定など解釈改憲で強引に進めている「戦争法案」、安全保障政策の時代遅れと危うさについて約200人が認識を深めた。
 昨今、個別的自衛権、集団的自衛権との言葉が飛び交っている。そうした中、水島さんは自衛権自体についてよく考えてみる必要があると注意を促した。大惨事を引き起こした第一次、二次世界大戦は相手に攻撃されたからと自衛を口実に戦禍が拡大していった。第二次大戦後に発効した国連憲章の51条は、各国の自衛権を暫定的に承認しているが「各国はそれぞれの自身の憲法に従えばよいとの趣旨である」と水島さん。日本は平和憲法の下、専守防衛に徹してきた。水島さんは、そこのラインまで引き戻さなければならないと訴えた。
 「戦争法案」が成立すれば、自衛隊員は自身と全く関係のない国で血を流すことになりかねない。最近の東京の状況について水島さんは「若い人たち、高校生までがデモに加わって、これが民主主義だと言っている。戦後のものすごい平和の貯金を取り崩す直前だったが、国民は9条を選び直した。それを国会前で目撃した。廃案にしなければならない」と呼びかけた。                                   (15.8.23)



      胎内被爆者らの体験記を発行

         被爆者手帳取得者 全国に7000人


  原爆胎内被爆者全国連絡会は8月5日、広島市中区で初の公開シンポジウムを開き、併せて初の体験記集「被爆70年に想う」(写真)を披露した。シンポには会員17人ら33人が参加。広島、愛媛、香川3県と東京都の会員6人がこれまでの宙ぶらりんの心もようや健康への不安、被爆二世・三世のつなぎ役としての自覚の芽生えなどについて語った。
 胎内被爆者は母親の腹中で放射線に対する感受性がもっとも高い状態で被ばくした。小頭症の人たちは「きのこ会」を結成し交流を続けているが、多くの胎内被爆者はまとまって集う機会がなく、昨年になってようやく連絡会が発足した。会員は7月末現在で45人。会の輪をもっと広げようと長崎の胎内被爆者との交流や福島原発被災者とのふれあいを検討している。胎内被爆者で被爆者健康手帳を取得している人は7000人超で全被爆者に占める割合は4%という。
 被爆した両親の思い出や自分史をまとめることも目標の一つで、その先駆けが今回の体験記集。18人が寄稿した。爆心地から1・5㌔の広島電鉄横川停留所で被爆した母親の胎内にいた呉市の女性は「母は私たちの身体の心配ばかりして、風邪で熱が出たぐらいでも、すぐ近くの町医者で注射して貰うように、異常なまでに神経を使って」いたと振り返る。女性は母親の不安が被爆によるのだと当時、気がつかなかった。「被爆者の家族は生存している間ずっと身体的不安と言う大きな荷物を背負って、長い道のりを生き続けます・・・2代目、3代目と1世紀以上掛かって重たい荷物を下ろすことができるのでしょうか」と述べている。
 B5判、49㌻。500円。事務局は☎090-7375-1211。                 (15.8.7)



      2015年度JCJ賞決まる


 日本ジャーナリスト会議は7月15日、2015年度のJCJ賞受賞作品を発表した。受賞作品は以下の通りです。
 【JCJ大賞】
   琉球新報 「普天間・辺野古問題」を中心にこの国の民主主義を問う一連の報道キャンペーン
 【JCJ賞】
   北海道新聞 佐竹直子記者「獄中メモは問う 北海道綴方教育連盟事件」
   東京新聞 「安保法案」改憲など安倍政権を追及・報道
   樫田秀樹 『〝悪夢の超特急〟リニア中央新幹線』旬報社
   眞並恭介 『牛と土―福島、3・11その後。』集英社
   サンデーモーニング TBS
 【JCJ特別賞】
   松田 浩 長年にわたるジャーナリズム実践・研究活動、元日本経済新聞記者

  贈賞式は8月15日、東京・千代田区飯田橋の東京しごとセンターで行われる。参加費 1000円
                                           (15.7.31)


     憲法違反はイケン! 4500人が集う

        ストップ!戦争法7・12ヒロシマ集会

  












 大竹市のシンガー・ソングライター、二階堂和美さん(写真)が歌う「いのちの記憶」と新曲「伝える花」が、爆殺された地にしみとおった。今ヒロシマから声を上げなくてどうする。二階堂さんも呼びかけ人の一人である「ストップ!戦争法ヒロシマ集会」が7月12日、広島市中央公園で開かれた。米海兵隊基地のある岩国市の住民も加わり、約4500人(実行委員会発表)が安倍内閣の集団的自衛権容認は憲法違反、戦争法案を阻止しようと一斉に「戦争イケン」のプラカードを掲げた。
 まず実行委員会委員長の石口俊一弁護士が「ヒロシマから大きな声を」と開会の辞。法案反対運動の先頭に立っている広島弁護士会の木村豊会長が「全国52の弁護士会すべてが、戦争法案に反対している」と報告した。秋葉忠利・前広島市長は「安倍政権は4重に憲法違反している」と指摘。「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表の森瀧春子さんは「ヒトラーの再現を許してはならない」と決意を述べた。平岡敬・元広島市長は「若い人が戦争に行かなくていいように、日本を根本的に変えていく必要がある」とのメッセージを寄せた。また、広島出身の国会議員である亀井静香、森本真治、大平喜信の各氏からのメッセージが披露された。
 安倍政権は法案の強行採決の構えをみせている。集会は「安倍政権は立憲主義をまっこうから否定し、市民をないがしろにして命を危険にさらしている。必ず戦争法案を廃案に」と決議。その後、参加者は中心部の紙屋町交差点から二手に分かれてデモ行進し、行き交う乗用車やバス、電車、買い物客らに廃案にと呼びかけた。
                                          (15.7.14)


       これで地域電力を担えるのか

           25日、中国電力が株主総会


  中国電力は6月25日、広島市中区の本社で株主総会を開いた。来年度からの電力小売り全面自由化を前にした総会であったにもかかわらず、中電は国頼みの原子力発電に固執するなど地域独占体質の刷新に取り組む気概はうかがえなかった。原発反対を粘り強く訴えてきた人々のおかげで原発の比率が相対的に低く、福島原発事故による経営への打撃を緩和できた教訓にも背を向けている。
 中電は事業報告で「島根3号機の早期運転開始はもとより、新規原子力である上関原子力発電所の開発はこれまで以上に重要な経営課題であり、早期に着手できるよう、引き続き取り組んでまいります」と述べている。よくもぬけぬけと言えたものだ。上関原発計画は既に30数年を経ているが、用地埋め立てさえままならないのが現状だ。その件で中電は筆頭株主でもある山口県と醜態を繰り返している。ちょうどこの日、中電と示し合わせたかどうか定かではないが、上関町長の柏原重海氏が4選を目指して立候補すると表明した(26日付中国新聞)。
 原発予定地の向かいにある祝島から総会に出席した女性からは、正体不明の人物が島の旅館に泊まり、なにか工作していたように思えることがあったが、中電関係者ではないのかとの質問が出た。中電は「島の住民に迷惑を掛けたくなかったので、会社名を名乗ってこなかった」と答えた。地域社会を割ることばかりに費やされた気の遠くなるような歳月。現経営トップらに、その自覚があるのか疑問に思う。「後は野となれ山となれ」なのか。
 株主87人からは定款を一部変更して「原子力発電から撤退することを宣言する」「原子力部門の清算・廃炉会社の創設及び原発廃炉事業」「再生エネルギーの販路拡大事業」などを織り込むようにとの提案があった。一方、取締役会は原発について①資源の乏しさを補える➁低廉で安定した電力③バランスのとれた電源構成-などに寄与すると述べ、まるで福島原発事故はなかったかのような姿勢に終始した。株主提案は否決されたが、原発でひとたび過酷事故が起これば当の電力会社だけでなく地域もとんでもない打撃を受ける。取締役会と大株主らにまかせてはおけない。 
                                          (15.6.26)


    「『沖縄』が問う『戦後70年』」を特集

         「広島ジャーナリスト」21号を発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は6月15日、「広島ジャーナリスト」第21号を発行した。「『沖縄』が問う『戦後70年』」を特集タイトルに、現在の安倍晋三政権と日本国の形を問うた。
 トップは、隔号掲載の琉球新報・松元剛記者による沖縄リポート。沖縄の民意が一本化され、日を追うごとに強固になるのとは裏腹に安倍官邸は沖縄の声を無視する暴挙に出ている。その構図を、かつての沖縄戦以来脈々と流れる反戦平和の島の意思を基調にしながら、松元記者が熱く鮮やかに浮き彫りにした。
 続いて、4月上旬にあった菅義偉官房長官との会談冒頭での翁長雄志・沖縄知事の発言全文を琉球新報から転載した。名実ともに沖縄の声の代表者である翁長知事の訴えは胸をうつとともに鬼気迫るものがある。
 ドキュメンタリー映画「標的の村」の監督、三上智恵さんの講演記事も、沖縄のおじいやおばあの人間模様を際立たせて興味深い。三上さんが取材を進める辺野古の闘いでは、キャンプ・シュワブ前で2人の男性が不当拘束された。1人は一連の反基地闘争をリードする山城博治さん。もう1人は呉市出身で定年退職後宮古島に移り住んだ谷本さん。その谷本さんが里帰りし行った闘争報告を詳報として掲載した。元岩波書店編集者・井上一夫さんは、本誌連載エッセイで沖縄反戦地主として知られる阿波根昌鴻さんを取り上げた。
 ヒロシマ関連では田村和之さんが「『ヒロシマ平和六法』を編む」と題して、平和都市の法的基盤を概観した。大亀信行さんは前号に続いて「かき船」問題を取り上げ「原爆ドームを危機遺産にしてはならない」と、広島市の平和行政を批判した。
 原発問題では、3・11事故の刑事責任を問うべき、と声をあげる武藤類子さん、地脇美和さんの報告や、長年反原発運動にかかわり京都大原子炉実験所を今春に定年退職した小出裕章さんの講演、瀬戸内海の環境汚染問題と取り組んできた湯浅一郎さんの川内原発事故をシミュレーションした講演など、多角的な構成となった。
 「慰安婦」問題で国の責任は免れないと論陣を張る吉見義明・中央大教授の講演は詳細な資料とともに詳報を掲載した。「慰安婦」制度への日本軍のかかわりや、性奴隷制そのものだった実態が、明快に解き明かされている。
 本田博利・元愛媛大教授は、福山市による商業施設の経営管理の民間企業への丸投げ問題を取り上げた。ずさんこのうえない実態が浮き彫りにされている。
 定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。                                          (15.6.21)


    元記者の植村さんが講演「捏造していない」

        広島マスコミ九条の会 10周年記念集会


  広島マスコミ九条の会は6月7日、広島市中区で結成10周年記念講演会を開いた。講師は元朝日新聞記者の植村隆さん。(写真)昨年、慰安婦報道に先んじたことで逆に「捏造記事」の記者として名誉を貶められたばかりか、家族も匿名の脅迫に直面した。140人を前に「慰安婦問題をないことにしたい勢力の存在を感じる。私は断固闘う」と決意を述べた。
 植村さんは、決まっていた私立大学教授の道を断たれるなど異常なバッシングの標的にされた。1991年に「朝鮮人従軍慰安婦」の声を先駆けて紹介した記事に対する言いがかり、決めつけだった。後年明らかになった済州島での強制連行証言の吉田清治氏による創作とは全く関係ないにもかかわらず、週刊誌や一部新聞などによって「捏造記事」のレッテルが張られた。植村さんは「強制連行という表現は、いっさいしていない。女子挺身隊とは書いたが当時は自分だけでなく韓国、日本の記者たちもそう書いている状況だった」と説明した。
 植村さんは今年1月、自身への攻撃激化のきっかけをつくった週刊誌の発行元などを名誉棄損で東京地裁に提訴した。「みなさんの励ましで、私だけの問題ではなく日本の民主主義の問題と思うようになった。民主主義は多大な犠牲の上に出来上がったのではないだろうか。広島の人から何回も励ましの手紙をいただき、心の支えになってきた」。朝日新聞について「戦前、戦争協力をしたが、戦後は一定の役割を果たしてきたと思う。朝日が倒れると地方の新聞にも及んで、総崩れになりかねない」と述べた。
 同会は記念誌「10年のあゆみ」(A4判、250㌻)を発刊。活動の記録と5月発行の第57号までの全会報を収録している。講演会で出席者に配布したが、欠席の会員には後日発送する。
                                          (05.6.8)


      「愛する人 戦争に行かせない」

       6月14日、弁護士会主催デモへの参加を訴える


 「戦争法案」を廃案にしようと進めている広島弁護士会と市民グループによる、4回目の街頭宣伝が6月4日、広島市中区の本通り電停前で行われ、約600枚のチラシを市民に手渡した。行動には35人が参加、6月14日、原爆ドーム前で行われる広島弁護士会主催の集会と市内デモへの参加と署名を呼びかけた。
 広島弁護士会の4人の弁護士らがマイクを握り、「安保法案という名の『戦争法案』が国会で審議されている。愛する人を戦場に行かせることがないように」と、行動への参加を訴えた。
 集会は14日、午後2時から原爆ドーム前(旧市民球場側)で行なわれ、その後金座街、本通り経由で元安橋までデモをする。
【写真】法案の廃案を訴える弁護士と市民グループ
                                          (15.6.5)


       NHK広島放送局前で職員に訴え

       「考える会」が「会長解任」など要望書を提出

   
 「[政府から独立したNHKをめざす会」(略称:NHKを考える広島の会)は5月20日、広島市中区のNHK広島放送局前で、NHK職員へのビラ配り行動を行った。行動には会員15人、およそ1時間で250枚を配った。
 会員代表らは午後、広島放送局の金山伸二放送局長あてに要望書を提出、「籾井会長の自主的辞任、または経営委員会による解任」、「自民党の事情著主への対応」「会長のハイヤー問題」などについて、「考える会」との話し合いを求めた。要望書について見解は6月末日までに示すことを要求した。
【写真】NHK広報部門担当者と話し合いをする「考える会」会員
                                          (15.5.28)  


    「かき船」移設地 サクラの巨木伐採

 5月22日、広島市の原爆ドームから200㍍の元安川河畔の緑地帯にあるサクラの巨木3本が切り倒された。現地は「かき船かなわ」の移設先とされている場所のすぐ前で、近隣の住民や被爆者を含む市民が「ヒロシマ復興」の象徴である樹木の伐採を中止するよう求めていたが、作業が強行された。 
 前日21日昼休みには、サクラ伐採の情報を聞いた市民団体「かき船問題を考える会」のよびかけで約20人が、伐採の中止を求める行動を行った。

 ★YouTube動画はこちら→ https://youtu.be/ftlTGc8e0ys                                              
                                         (15.5.25)


         核兵器と原発は違法

         国際法学者 浦田賢治さんが広島で講演

 
  11月21日から3日間、広島で開く「2015世界核被害者フォーラム」の第3回プレ企画として浦田賢治早大名誉教授が5月23日、広島市中区で講演した。同フォーラム実行委員会の主催でテーマは「戦後70年、ヒロシマ・ナガサキを捉え直す」。浦田さんは約50人を前に、核兵器と原発の存在は人道法の視点から違法であると述べた。
 浦田さんは核兵器に関する数少ない国際法学者。廃絶に向けて活動、提言している。核兵器と、核エネルギー利用すなわち原発は表裏一体で世界中に放射線被害をもたらしている現状に危機感を強めている。2011年の福島原発事故で、その犯罪性が一般にも強く意識されるようになった。浦田さんはフクシマを契機に「原発の存続・拡張は国際人道法、環境法、持続的発展に関する法などに違反」とする国際反核法律家らの提言を紹介。一方でベトナム、トルコなどに原発を輸出しようとする動きが政経一体で出ている。これに対して日立、東芝、GEといった原発メーカーを外国の賛同者と共に裁判に訴える動きもある。浦田さんは「地下の水脈が流れている」と注視する。
 質疑で「憲法99条の『憲法尊重擁護義務』に反して9条を骨抜きにする安倍首相を断罪できないのか」との声が上がった。浦田さんは「憲法反逆罪は、日本の法律には書かれてない。主権者である我々が非暴力、直接行動すなわち憲法違反の法令に従わないことで対抗しよう」と呼びかけた。
                                         (05.5.25)


     「圧殺の海」上映会に延べ100人余

           沖縄住民に密着するカメラ


 この10年、沖縄・辺野古を撮り続けた藤本幸久・影山あさ子両監督によるドキュメンタリー映画「圧殺の海―沖縄・辺野古」の上映会が5月10日、廿日市の阿品市民センターであり、2回で延べ100人余りが観た。岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会主催。【写真】
 2014年7月の辺野古新基地建設着手から11月の知事選までの沖縄住民の闘いを109分の映像にした。徹底的な非暴力によるキャンプ・シュワブのゲート前での資材搬入阻止闘争、辺野古沖のカヌーによる抗議活動などを、住民サイドに密着したカメラワークでとらえた。
 山城博治・平和運動センター議長や安次富浩ヘリ基地反対協議会共同代表らとともに、「弱いことが力になる」というカヌー隊の闘いぶりを追い、県警機動隊や海上保安官による暴力的鎮圧行動を浮き彫りにした。「この闘いは勝てる」(安次富さん)という言葉が実感として迫る迫力の映像が続いている。撮影中、カメラを持つ影山監督自身が海上保安官によって妨害される事態も発生している。
 上映の合間には、最近辺野古を訪れたという岩国基地訴訟原告団連絡会事務局の大月純子さんが情勢を報告。「海保は命の安全を守るのが仕事のはずだが、見えないところで暴力が振るわれている。どちらが暴力的か、だれが過激か、この映画を見たら分かると思う」としたうえで「沖縄で起きていることは地方自治の崩壊。民意の自己決定権を守るためにも、唯一の解決策である普天間飛行場の即時閉鎖を求めなければならない」と訴えた。
 さらに、4月29日付の沖縄2紙を掲げ、「安倍政権は2年前の4月28日に『主権回復の日』というとんでもないことをやったが、沖縄では今年もこの日、抗議の集会があった。2紙はいずれも一面トップで伝えたが、中国新聞には1行も載っていない」と、沖縄と本土の温度差を指摘した。
 「圧殺の海―沖縄・辺野古」は、2014年キネマ旬報文化映画ベストテン第7位に選ばれている。
                                         (05.5.12)


      「平和都市」の中身が問われている

           かき船移設問題で討論会

  原爆ドームに近い元安川下流への「かき船」移設に対して、設置場所の変更を求めている「かき船問題を考える会」は5月9日、広島市中区で市担当者らとの公開討論会を開いた。被爆者や近くの住民ら約130人が参加した。「考える会」は既に始まっている工事を中断して議論を続けるように要請したが、市と「かき船」の経営者は中止の意向を示さなかった。
 「考える会」は「このまま移設工事が進んで、世界遺産の『原爆ドーム』が危機遺産リストに登録されるようになった場合、どう対処するのか」と質問。これに対して市側は、危機遺産登録の可能性はないと思うが、そうなれば考えていかなければならないとは述べた。経営者の説明は、かき船文化についての強調にとどまった。
 「考える会」は署名活動を続けており、既に約4万1400筆を集めている。今後も続けるとともに法的な対抗措置に移らざるを得ないと言明した。また6月にドイツのボンであるユネスコの世界遺産会議などで国内外の世論に訴えていくという。
 今回の問題では、はからずも被爆70年を迎えるに当たって世界へ核兵器廃絶、恒久平和を訴えいかなければならない市の総合力、中身が問われている。法的形式さえ整えればそれでよしとする、いわゆるお役所仕事と決別。ヒロシマの理念に立ち返って、市民と議論しながら国際平和文化都市の実を積み上げていく誠実、真摯さを求める声が、討論会では多く出た。
 【写真】2回目の公開討論会。左が広島市側、右は「考える会」の代表
                                        (15.5.10)


     講演と歌で 憲法無視の安倍政権を批判 

         憲法記念日 雨の中300人のデモも

 風刺ミュージカルで安倍政権を笑い飛ばし、ストップ戦争法案。2015年広島憲法集会「マイライフ憲法」が5月3日、広島市中区の県民文化センターであった。法律家らでつくる実行委員会主催。約700人が集い、力を合わせて平和憲法を守り抜かねばと熱気にあふれた。
 まず沖縄大客員教授の小林武さんが「沖縄から語る憲法」と題して記念講演。辺野古問題でオール沖縄が発信しているのは「基地の本土移設といったことではなく、既存の米軍基地をなくし新しい基地をつくらせない決意と覚悟」と報告した。小林さんは、安倍政権について歴代自民党政権にもなかった危険性を持つと指摘。一方で「憲法無視の手法に改憲論者も反発。立憲主義擁護の国民的共同の動きが広がっている。私たちの憲法を、無傷で次の世代に手渡そう」と呼びかけた。
 その後22回目になる憲法ミュージカル、「『憲法チャ・チャ・チャ♫』~世界に広がれ第9条~」が披露された。ピート・シーガーの反戦歌「花はどこへ行った」のメロディーを基調に、安倍政権のグロテスクさとこっけいさを浮き彫りにした。「アベノミクス アホノミクス ウソノミクス …アベコベ アベコベ ぼくはヤベ ウソノミクスは素敵な言葉」。沖縄への応援歌も。「負けぬ辺野古」と題して「わしらの武器は 言葉と歌さ わしらの宝 守ろう」。
 メディアには「ダメディア音頭」がさく裂した。「ハァー メディアの幹部と首相の 会合 エェジャナイカ エジャナイカ 仲良きことは 美しい 腹を割って 話しましょう 手を取り合って 頬寄せて 国の未来を 作りましょう…口裏合わせて伝えましょう 国民知ったら 怒りだす 大事な秘密は隠しましょう」。終わりは「広がれ世界に憲法第9条」。「戦を起こさせないための 大きな備えは武器を持たせない 9条があること 広がれ世界に 広がれ憲法第9条 過去に学び 明日を描く 私たちを守るよ 命を」と歌い上げた。
 22回すべての脚本を担当した廣島敦隆弁護士が登壇。「現実があまりにとんでいるので、面白いことが頭に出てこない。みんなからも、しょうがないと言われたが、結果として笑ってもらったので、やった意義はあった」と締めくくった。 
 この集会後、秘密法廃止!広島ネットワーク主催の市民デモがあり、雨の中300人が原爆ドームから中国電力本社前まで歩き、フラワーフェスティバル参加者に「戦争立法NO!」を呼びかけた。
 【写真】22回目の憲法ミュージカルの開幕ダンス 
                                           (15.5.4)


    「東側」から見た原子力の「平和利用」

       2015年度支部総会で市川教授が記念講演


 日本ジャーナリスト会議広島支部は4月29日、2015年度総会と記念講演会を開いた。総会には20人、講演会(一般にも公開)には50人の会員と市民が参加した。
 総会では活動報告、決算報告などを承認し、運動方針を決めた。
 記念講演の講師は広島大学教授の市川浩さん(科学技術史)(写真)。演題は「東西冷戦と日本の原発ー広島から福島へ」。市川さんは、ビキニ事件(1954年)の放射性降下物(死の灰)に対する 科学者の取り組みから説き起こし、「許容線量」という用語が誕生した政治的な背景について説明。
 アイゼンハワー米大統領が1953年12月に国連総会で行った「アトムズ・フォー・ピース(原子力の平和利用)」演説は、当時まだ軽水炉が開発途上で「空手形」にすぎなかったこと、原子力の「平和利用」という考え方は、それよりも前に旧ソ連が打ち出していたことことなどを紹介した。
 “東側”(ソ連)から見た「平和利用」の話は初めて聞く歴史事実も多く、参加者に新鮮な刺激を与えていた。

                                          (15.5.1)


    第九条の会ヒロシマが23周年記念講演会

      「標的の村」の映画監督 三上智恵さん講演


 第九条の会ヒロシマは3月21日、広島YMCA国際文化ホールで「結成23周年記念講演会」を開いた。講師は、元琉球朝日放送のキャスターで、高江の米軍ヘリパット問題を取り上げた映画「標的の村」の監督である三上智恵さん(写真)。約240人が、「憲法を獲得する沖縄」と題して語る三上さんの熱い講演に聞き入った。
 講演のトピックは大きく分けて2つ。1つは、なぜ、「標的の村」を制作したのか、もう1つは現在、編集作業が大詰めを迎え、7月公開予定のドキュメンタリー「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」の制作に込めた想いだ。
なぜ「標的の村」を制作したのか。三上さんは言う。1995年に米兵による少女暴行事件があった。基地撤去を求める8万6千人の大集会があり、大田昌秀知事は代理署名を拒否、日米両政府は、1996年に普天間基地の返還を発表した。マスコミは、これをまるでサプライズのように報じ、よいニュースであるかのように伝えたが、あの報道はまずかった。「県内移設」ということが厳然と書かれていたことを瞬時に評価できず、基地撤去が実現すると、全く嘘のストーリーを伝えた。私たちメディアの責任は極めて重い。20本以上のドキュメンタリーをつくったが真実が伝わらなかったし、全国ネットにものらない。どうしたら沖縄に起きていることを伝えられるのか。それがこの映画制作の動機だった。

 もう1つ、いま制作中の映画「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」について、三上さんは、このタイトルは「戦場のとどめ」という意味、昨年の知事選で翁長さんを勝たせ、70年続いた戦場を終わらせる、そうした沖縄の闘いと決意をタイトルに込めたもの、と説明。編集中の映像を使い、大浦湾の美しい珊瑚が、開発で9割が死滅した本島周りの珊瑚を再生させるホットスポットになっていることを紹介、その心臓部を埋め立てるなど決して許されない、と話した。にもかかわらず、なぜここが狙われたのか。大浦湾と塩屋湾は海底が切り込みV字谷を形成し、軍艦が入れるからだ。辺野古に基地ができれば、強襲揚陸艦が接岸、原子力潜水艦も来て放射性物質をまき散らす、そんな軍港になる。ベトナム然り、イラク然りだが、日本を米国と一緒になって人殺しに行く国にしてはならない。辺野古の闘いは、安倍政権の暴走を止め、日本の戦争を止める闘い。だから、84歳のおばぁ、島袋文子さんや、おじいが体を張っている。カヌー隊は若者もいるが、60歳以上が殆どで最高齢は80歳。海上保安庁はこうした高齢者、女性などを海に沈め、抵抗できないほど水を飲ませている。
 沖縄は、戦争から一日も自由になった時はないが、この歴史を終わらせたい。憲法を獲得するための島ぐるみの闘争、そうした映像を沢山の人に見てもらい、辺野古に関心を持ち、エールを送ってほしい。「戦場ぬ止み」は7月に公開予定、ぜひ足を運んでもらいたいと、三上さんは結んだ。
 会場が一つになった素晴らしい講演。映画制作のための会場カンパは19万円近くも寄せられた。
                                         (15.3.24)


     原発は何を奪ったか、明らかにしよう

       福島原発告訴団長の武藤類子さん 広島で講演


 反原発運動にかかわり、2012年から福島原発告訴団長として事故責任を問う運動を進めている武藤類子さん(写真)が3月22日、広島市中区の広島市まちづくり市民交流プラザで「福島からあなたへ~原発事故は何をもたらし、何を奪うのか~」と題して講演した。上関原発を止めよう!広島ネットワーク、福島原発告訴団・中四国が共催し、市民ら約80人が聴いた。
 武藤さんは、まず福島の放射能汚染の実態に触れ、事故を起こした福島第1原発で従事する労働者数が、汚染水対策の悪化に伴って昨年の1日あたり3000人が現在は2倍以上の7000人に増えている状況を紹介。さらに下請け、孫請けなどの雇用環境が5重、6重から現在は10重ぐらいまであり、最下層では賃金は削られ危険手当も出ておらず劣悪だと訴えた。
 さらに、汚染水問題が重大化することは当初から分かっており、2011年5月ごろ考えられた粘土壁で囲む方式が、コスト高のため東電の経営悪化を招くとして先送りされた結果、今日の深刻な汚染水の状況を生んでいるとした。これに対して安倍晋三首相は「汚染水はコントロールされている」と国際舞台で語り、最近では原発2号機の屋根にたまった汚染水が海に流れ出していたことが公表されたが、東電は早くからこの事実をつかんでおり「無責任体質は変わらない」と述べた。
 このほか、福島の農地に置かれた放射能汚染土を収容するフレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)が耐用年数5年の触れこみなのに多くが破損していること、学校給食が、当初は他県産を使っていたが最近は県内産に切り替わったものの放射能測定の面で安全性に疑問があること、焼却場の建設が、「仮設」を理由に事前の環境アセスメントが行われていないこと、しかも建設は原発関連の企業グループが受け持ち、相変わらずの原発利権構造であることなどをあげ、きちんとした責任追及を行って、原発は私たちから何を奪ったかを明らかにしないといけないと訴えた。
 そのうえで、今年1月13日に福島原発告訴団14人が行った告訴・告発に参加するよう呼び掛けた。告訴されたのは東電関係者3人、旧経産省原子力安全・保安院関係者4人、氏名不詳の原子力安全委員会と電事連各1人の計9人で容疑は業務上過失致死罪。参加費は1人1口1000円から、申し込み締め切りは4月30日。問い合わせは 〒963-4316 福島県田村市船引町芦沢字小倉140-1 福島原発告訴団(☎080-5739-7279)。
 福島原発事故については、2012年に全国1万4716人が政府関係者や東電幹部33人を業務上過失致死罪で告訴・告発。東京地検が翌年に全員不起訴の決定をしたため告訴団は検察審査会に申し立て、2014年に「起訴すべき」との議決を得た。再調査を行った東京地検は2015年1月に再度の不起訴決定をしたため、検察審査会は2度目の審査を行っている。再び「起訴妥当」の議決が出れば強制起訴によって刑事裁判が行われる。
                                       (15.3.23)


    「海を守り、主体的な生き方していく」

       上関原発を建てさせない大集会で祝島島民

 「福島を忘れない…さようなら上関原発」。中国電力上関原発を建てさせない山口県民大集会が昨年に続いて3月21日、山口市の維新百年記念公園野外音楽堂を中心に開かれた。広島県などからの参加者も含めて4000人(主催県民連絡会発表)が集い「祝島の人たちを中心に30年以上続けられてきた上関原発反対のたたかいに、今度こそ終止符を打ち、すべての原発をなくしていくためにも、共に立ち上がり、声を上げていきます」と宣言。一斉に「NОN」と印刷したビラを掲げた。
 福島からは原発告訴団長の武藤類子さんが駆けつけた。「子ども・被災者生活支援法が骨抜きにされて、子どもの保養のための公費がでない。事故の責任もきちんと問われていない」と現状報告。続いて祝島の反対住民たちが「原発建設を止めれば終わりでなく、海を守り主体的な生き方をしていくスタートにしたい」などと決意表明した。

 中国電力に抗議して同社から4人で計4800万円の損害賠償請求、いわゆる「スラップ(恫喝)訴訟」の「被告」になっている青年が「時間的、金銭的、精神的苦痛を受けている。表現の自由にかかわる問題でもある。中電だけでなく山口県、国にも責任がある」と訴えた。裁判は山口地裁で開かれており、第28回が6月10日、第29回は7月1日、いずれも午後1時半開廷の予定。
 集会後、参加者は公園を出て約400㍍デモ行進。公園に戻って「祝島朝市」「福島応援団」などの小間が並ぶ広場で交流を深めた。
 【写真】4000人の参加者に建設撤回までたたかうと訴える祝島島民の会の代表者たち
                                         (15.3.23)


     「事実を認めて謝罪することから」

      吉見義明さん迎え 日本軍「慰安婦」問題講演会


 靖国参拝問題や村山談話とともに安倍政権の歴史認識に深く関わる日本軍「慰安婦」問題の学習講演会が3月20日、広島市中区の市民交流センターであった。市民ら約70人が参加、中央大学教授の吉見義明さん(写真)から旧日本軍「慰安婦」の実態、「性奴隷扱いは人道に反する罪」など、公文書や証言、詳細な資料をもとにした講演を聞き理解を深めた。
 吉見さんは、初めに残存する旧日本軍の通達や軍医の報告など入手した公文書をもとに、「慰安所」が軍の指示・命令で設営されていたことを示し、「慰安婦」制度は全軍的につくられたもので「軍が統制・管理していたことは事実だ」と、一部の「捏造批判」に反論した。
 その上で「河野談話」見直しにも絡む「強制」について、裁判記録や軍医の手記、警察資料などから「略取・誘拐・移送・人身売買により連行された」幾つかの事例を紹介、国際法が禁じたこれらの犯罪行為を当時の政府と軍は、「植民地に適用しなかった」とも指摘した。
 「慰安婦」たちには外出の自由も、軍人相手を「拒否する自由」もなかった。軍の「特殊慰安業務規定」や「軍人倶楽部利用規定」を示し、その扱いは国際司法裁判所規定第7条「人道に対する罪」に等しい性奴隷制だと告発した。
 講演の後の質疑応答で吉見教授は「戦争を知らない世代が増えた。まず事実を知ること、知らせること、そして事実を認め、謝ることが第1歩。世界から孤立しない日本でありたい」と訴えて講演を終えた。
 この集会は市民団体・日本軍「慰安婦」問題解決広島ネットワークの結成3周年集会として企画された。
                                        (15.3.21)


    「被爆70年、核廃絶の道を探る」を特集

        「広島ジャーナリスト」20号を発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は3月15日、「広島ジャーナリスト」第20号を発行した。「被爆70年、核廃絶の道を探る」を特集タイトルに、被爆都市広島の現在位置を多角的に探った。
 トップは、昨年12月にウィーンで開かれた「第3回核兵器の非人道性に関する国際会議」に参加した沢田正さんの報告。国連加盟国の8割を超す158カ国が参加、核兵器禁止条約へ向けた動きは大きな潮流になりつつあるが、初参加の米国が核兵器禁止条約作成作業を日程に乗せることに明確に反対しているほか、日本政府も対米追従の姿勢を崩さず消極姿勢に終始していることをあらためて浮き彫りにした。また、日本政府代表の佐野利男在ジュネーブ軍縮代表部大使が核兵器が使われた場合の対応に言及、参加者に冷水を浴びせたことも取り上げた。
 3月末で退任する広島市立大広島平和研究所の田中利幸教授が2月に広島市内で行った講演の「ノート」も、広島の被爆体験継承運動のあり方に対する広島での最後のメッセージとして掲載した。田中氏は、「過去の克服」を目指したドイツの戦争体験継承との比較の中で、加害者責任を問わないまま記憶の伝承に依拠し過ぎる広島の運動は表層的ではないかと訴え、丸木美術館の広島移転などいくつかの具体的提案を行った、
 ともに89歳で1月に亡くなった広島県被団協理事長・金子一士さん、医師で詩人の丸屋博さんにまつわる思い出を、元広島市立広島平和研究所所長の浅井基文さんに寄せてもらった。このほか中国放送記者の藤原大介さんは、インタビュー取材を通じて感じた金子さんの統一問題をめぐる思いを、医師の青木克明さんは、仲間作りの達人だった丸屋さんの人柄をしのんだ。
 反原発・反天皇制運動を進める天野恵一さんが広島で行った講演の記録も掲載。天野さんは安倍晋三政権による原発再稼働の先には明文改憲と核武装化の狙いがあるとした。
 日本イコモス国内委員会の「懸念」表明で議論に拍車がかかる広島市のかき船移設問題では「考える会」事務局長の大亀信行さんが、これまでの経緯とともに、問題の背景にある市民の思いをつづった。広島大名誉教授の田村和之さんは問題の法的側面についての解説を寄せた。
 このほか、福島の詩人・若松丈太郎さんが、事故後4年の地域の状況を、市民運動と取り組む渡田正弘さんが、メディアで報じられることの少ない台湾の反原発運動の報告をそれぞれ寄せた。専修大教授の山田健太さんには、仏週刊紙襲撃事件でクローズアップされた「表現の自由」と「信教の自由」の問題をどう考えるかを整理してもらった。
 定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。
                                         (15.3.18)


       川内原発が事故を起こしたら

   放射能 海流に乗って移動  漁場は致命的影響

          「海の専門家」湯浅一郎さんが警告


 産業技術総合研究所職員として2009年まで呉市に在住、瀬戸内海の環境汚染問題に取り組んできた湯浅一郎さんが3月15日、広島市中区大手町の広島市男女共同参画推進センターで「原発再稼働と日本の海 川内原発で大事故が起きたら」と題して講演した。「ピースリンク広島・呉・岩国」主催。市民ら32人が聴いた。
 湯浅さんは、原子力規制庁が2012年に公表したデータを基にシミュレーションを重ね、原発再稼働の一番手と見られる鹿児島の川内原発が事故を起こせば、放射能は日本列島を取り巻く海流に乗って拡散、環境や漁業に与える被害ははかりしれないとした。
 漏出した放射能の多くは潮の満ち引きの残差によって生じる甑(こしき)南下流に乗って南下、薩摩半島沖で黒潮に乗り2週間で1000㌔を超える移動をする恐れがあると指摘。この場合、土佐湾から房総半島沖まで、日本の有数の漁場が汚染されかねないとした。季節によっては川内沖から北上する海流の影響も考慮する必要があり、対馬海流に乗って日本海が汚染される可能性もあるという。黒潮と親潮がぶつかりあう福島原発沖とは全く違う状況が生まれると強調した。
 汚染される魚種としてはまず表層性のキビナゴやシラス、それらを食べるカジキ、タイ、サバ、アジ、さらにはアイナメ、メバルなど底層魚が長期、広範囲にわたって影響を受けるとした。少なくとも60年間は漁業ができない状況が生まれ、そうなれば沿岸漁業の歴史、伝統は消滅すると警告を発した。
 最後に、安倍晋三政権は「地方創生」をいうが、原発は交付金によって自治体財政を破壊、事故を起こせば回復不能な環境破壊を招くから両者は相矛盾する理念であり、「地方創生」のためにはまず原発再稼働を止めるべきだとした。
 【写真】海流の流れを示しながら、川内原発事故時の影響を説明する湯浅さん
                                         (15.3.17)


       花幻忌の会 原民喜碑前祭

          詩人御庄博実さんを偲ぶ会も


 「夏の花」で知られる広島市出身の被爆作家原民喜(1905~51年)を顕彰する「広島花幻忌の会」は3月14日、広島市中区のカトリック幟町教会で碑前祭を開いた。同会世話人の1人で1月に亡くなった詩人の御庄博実(本名丸屋博)さんをしのぶ会も併せて開催、平和を愛した2人の精神を継承し、次の世代に伝える決意を新たにした。
 御庄さんをしのぶ会では、劣化ウラン弾をテーマにした詩「私の胸のふくらみに」が朗読されたほか、詩人の井野口慧子さんが御庄さん最後の詩集「燕の歌」から命のつながりをうたった表題詩を読み上げ、「人間への愛が伝われば」と語った。
 民喜の碑前祭では俳優の高尾六平さんが芝居を通した民喜や御庄さんとの出会いを語った。また、民喜の詩「永遠のみどり」をもとに作曲家の尾上和彦さんが曲をつくった新曲を幟町小児童が披露した。
 花幻忌の会事務局長の長津功三良さんは「民喜、峠三吉、栗原貞子、御庄さんという現代詩の立会者を失った」と語った。
 【写真】尾上和彦さん作曲の新曲を歌う幟町小学校合唱部のみなさん
                                          (15.3.15)


      集団的自衛権行使容認に反対を

    広島弁護士会主催集会 「ホントに戦争をする国になるの?」


 広島弁護士会は3月14日、広島市中区の中国新聞ホールでシンポジウム「ホントに戦争をする国になるの?~集団的自衛権を問う」を開いた。まず日弁連の憲法問題対策本部副本部長の伊藤真弁護士(写真上)が基調講演で、約200人を前に「集団的自衛権行使容認に反対である。日本国憲法の理念に現実を近づけることこそ必要」と呼びかけた。学生、3児の母親、被爆者ら5人のリレートークの後、参加者一同で「政府が閣議決定を撤回するまで、決してあきらめません。集団的自衛権を行使するための安全保障法制の改訂に反対します」と宣言した。

 伊藤弁護士は日本国憲法について個人の尊重のための立憲主義、人権を保障するために権力を拘束する世界の近代憲法の流れを継承していると指摘。さらに、積極的非暴力平和主義という先進性、独自性を備えていると評価した。ところが安倍政権は戦争ができる国を志向し、しかも他国の戦争にまでかかわろうとしている。そもそも集団的自衛権は大国による小国への軍事政策とも言える。伊藤弁護士は「国民が知らない間に、逆方向へ国の形が変わろうとしている」と懸念した。                                     知らないでは済まされない。憲法前文は「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意…」とし、第12条では「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と戒めている。
 閉会後、「秘密法廃止!広島ネットワーク」の先導で平和大橋を渡って左折し、原爆ドーム前までパレード。さらに切れ目なく、広島弁護士会を先頭に福島原発事故避難家族ら市民も加わって目抜き通りをラップ調のシュプレヒコールをまじえながらパレード(写真下)。道行く若者たちが思わず笑みをもらしていた。                         (15.3.15)


       原発事故の責任追及の声 ひびく

         フクシマ事故4周年集会・デモに300人

           
 東日本大震災から4周年の3月11日広島市の原爆ドーム前で「さようなら原発ヒロシマ集会」が開かれた。呼びかけ人の広島県被団協の坪井直さん、上関原発損害賠償裁判(スラップ裁判)を闘う岡田和樹さんらが福島の被災者の救援と原発廃炉、再稼働阻止を訴えた。
 福島原発告訴団事務局長の地脇美和さんも集会に駆けつけ、「一民間企業の営利活動によって犠牲を強いられている。原発再稼働、海外への輸出など到底許すことができない。事故前の環境に戻すことができないのなら、せめて、すべての原発を即時廃炉にすることが償いの第一歩ではないか」と東電と政府を厳しく批判した。
 集会後、参加者は中国電力までデモ行進。およそ300人が「再稼働反対、上関原発建設反対」などを市民に訴えた。
 【写真】集会で訴えるフクシマ原発告訴団の地脇美和さん
                                          (15.3.12)



     「日本は法治国家といえるのか」

         京大原子炉実験所 小出裕章さんが講演


 今秋広島である「世界核被害者フォーラム」の実行委員会はプレ企画として3月8日、広島市中区の世界平和記念聖堂で講演会「福島原発事故から4年」を開いた。先日、最終講義をした京都大原子炉実験所の小出裕章さんが「核=原子力に対してどう向き合うか、私たちは未来の子どもたちから必ず問われる」と約450人に責任の重さを訴えた。
 小出さんはなぜ原子力を選んで進学したのか。電力供給など人類生存に不可欠なエネルギーと「完ぺきに信じていた」。ところが原発は発電効率の悪い蒸気機関にすぎないのに、大量の放射性物質を生み出す。燃料のウランは大量に必要なのに、埋蔵量が少ないことも分かった。そこから小出さんの原発反対活動が始まった。
 福島原発事故について小出さんは「事故は収束していない」と指摘。すべてが応急的なもので、敷地内の汚染水の流れもコントロールできないまま海に流れ出しているという。放出されたセシウム137は大気中だけでも広島原発168発分に相当する。汚染は東京の下町の一部まで放射線管理区域にしなければならないほど広がっているが「国は法律を守らず、緊急事態だから我慢しろと住民を切って捨てている。日本は法治国家といえるのか」。
 自民党政権下、安全性を確認したとして58基の原発が建てられた。しかし事故が起こった。それにもかかわらず「安全性を確認して再稼働させると言い、今進行している悲劇を少しでも小さくみせて事故を忘れさせようとしている」。日本は原子力の「平和利用」に隠れながら「ウラン濃縮、原子炉、再処理という核兵器技術を保有。実質的な核保有国だ」と小出さんは述べた。
                                          (15.3.9)


      平和希求遺産の価値低下もたらす

          「かき船」移転をめぐって激論


 「かき船」問題公開討論会が2月22日、広島市西区の生協けんこうプラザで開かれ被爆者ら市民150人が出席した。
 討論会は、「かき船」を現在の場所から原爆ドームにより近い、元安川上流への移設に反対している市民団体「かき船問題を考える会」が主催。「会」の世話人代表と広島市の課長らが討論メンバーとして出席した。「会」の大亀信行事務局長がこれまでの経過を報告、原爆瓦掘り出しに関わった生徒の作文を紹介し、多くの被爆者が息絶えた川に水上レストランを設置することはふさわしくないと反対の理由を話した。続いて広島市観光ビジネス担当課の仁井敏子課長が「平和記念施設保存・整備方針」を示しながら、今回の措置はこの方針や関連する法令に反するものではないことを強調した。会場で上映した市側のイメージ映像(写真)によれば、「かき船」は元安川左岸の堤防をはるかに超える高さで、河畔の景観は大きく変化する可能性も示した。
 討論では、世界遺産である原爆ドームや平和公園周辺の景観や雰囲気を守っていくのか、それとも景観が大きく変化することがあっても「かき船」の営業を優先させるのかを巡って、双方の代表、会場参加者による激しいやり取りがあった。市側は、市民や被爆者と引き続き討論する必要があるとしながら、被爆者の気持ちに考慮を求め、平和遺産としての価値低下を訴える「考える会」側の主張を認めなかった。
 
(写真)広島市が会場で上映した元安橋   南側の「かき船」設置イメージ










 (写真)同じく広島市が示した「かき
   船」イメージ







                                        (15.2.23)


    「戦争責任」「過去の克服」で国際会議を

       広島市立大・平和研 田中利幸教授がさよなら講演


 今春、広島市立大広島平和研究所を去る田中利幸教授(写真)が2月21日、広島市中区で「何のための被爆体験継承か?-『過去の克服』としての記憶の継承を考える-」と題して講演した。核兵器廃絶をめざすヒロシマの会などの主催で85人が聞き入った。
 2002年から平和研に在籍して、ヒロシマの市民活動に積極的にかかわってきた田中さんは被爆体験継承のありかたについて、まずドイツの「過去の克服」の経緯をたどることから論じた。ドイツでは戦後の一時期、ユダヤ人大虐殺などナチ及びその関係者に対する責任問題は解決済みとの風潮が東西冷戦の激化もあって強まった。ナチ再現の芽さえ出ようとしている中で、フランクフルト学派の哲学者テオドア・アドルノらによって「過去の克服」運動が始まった。
 アドルノは「民主主義のなかでナチズムが生き延びることのほうが、民主主義に対抗してファシズムが生き延びることよりも、潜在的にはより危険」と主張した。目に見えるよりも、隠れているほうが危険なのだと。なぜ人はファシズム権力に容易に追従して「他律状態に陥るのか」。そうならないように民主主義を強化するには、市民ひとりひとりが自律的な主体性を打ちたてることが必要と訴えたのである。まず過去の行為に目を向け、それを継続していくには民主的な教育の重要性を主張した。
 1960年代末の学生らによる「親たちはいったい何をしたのか」の問いただしにつながり「過去の克服」への道筋が確かなものになった。翻って広島はどうか。田中さんは「被爆者の証言継承も大事だが、それだけでは3世代もたないのではないか」と危惧する。被害だけでなく「南京虐殺」「マレーシア華僑虐殺」「日本軍性奴隷」など日本の過去の加害についてしっかり学び、だれに対して責任を負っているのか考えるべきと主張。そのような形で議論を深めない限り、広島から一方的に発信する「コミュニケーション的記憶」だけでは「広島の記憶」はどんどん薄れてゆきかねないと田中さんは懸念する。そうならないように「文化的記憶」にもっと目を向けることはできないのか。田中さんは丸木美術館の広島への移転と四国五郎さんの作品の並列常設展示、原爆文学館の設置、「戦争責任」と「過去の克服」に関する国際会議の定期的開催などを提案した。
                                         (15.2.23)


     責任者を刑事裁判にかけるシステムを

         さよなら原発の会総会で今中哲二さん


さよなら原発ヒロシマの会は2月21日、広島市南区で講演会・年次総会を開き、京都大原子炉実験所の今中哲二さん(写真)から福島原発事故4年後の現状などについて学んだ。70人が聴講した。
 今中さんはチェルノブイリ原発事故の放射線被害の現地調査研究を継続してきた。福島の調査も重ねている。福島県では今も約12万人が避難生活を送る。全村民避難の飯舘村では「ものすごい除染作業が行われている」。昨秋には人口6000人の村に毎日7500人もの作業員が入っていた。今中さんは「除染という名の環境破壊だ。それだけのお金があるのなら、被害者ひとりひとりの意向を聞いてそれに応じた生活支援をすべきだ。住民たちはなんの責任もない被害者。なぜ、あんな苦しみを負わなければならないのか」と述べた。
 ところが、だれも責任をとらない。今中さんは福島第1原発の安全性について「責任あった人々をすべて審問」し、判断に事故につながる誤り、不作為があれば「刑事裁判にかけて、しかるべき罰を受けてもらうシステムが必要」と強調。事故当時の対応について情報が隠されていたというよりも「各自が情報を管理するどころかバラバラで何も分からなくなっていたのではないか。安全性に責任を持つべき人たちが安全だと信じて自己暗示にかかっていたのではないか」と指摘した。
 中国電力の上関原発建設計画について今中さんが2010年予定地に出向いて感じたのは「とにかく、めちゃくちゃに狭い」だった。しかも埋め立て地の上に原子炉を建設する計画なのだ。上関原発計画などが放棄されないままになるなど、福島の事故がなかったかのような原発推進の動きが出始めている。こうした動きについて今中さんは「核兵器をいつでもつくれる体制を維持したいからだ」とみている。
                                         (15.2.23)


     原発再稼働NO! 島根原発は廃炉に!

       さよなら原発の会 50回目のアピールウォーク


  脱原発を目指す市民団体「さよなら原発ヒロシマの会」の金曜デモ「アピールウオーク」が2月21日、50回目を迎え、市民約90人が広島市中区を行進した。
 金曜デモは2012年10月5日に始まり、毎月第1・第3金曜日の夕方、国泰寺公園から本通りなどを巡るコースで行われている。
 国泰寺公園で行われた出発式では、1回目から欠かさず参加している石本直さんが「被爆3世として、一歩でも脱原発社会に近づきたい」と語り、続いて事務局長の滝史郎さんが「政府は再稼働に向けて動いているが、私たちの活動で世論が動き、再稼働させない状況だ」とあいさつ。

 この後参加者は「原発いらない!再稼働反対」などと書かれた横断幕を先頭に「フクシマ返せ」「生活返せ」などと訴えながら歩き、中国電力本社前では「島根原発廃炉」「上関原発建設やめろ」と声を振り絞った。
 安倍政権は九州電力川内原発(鹿児島県)と関西電力高浜原発(福井県)が新規制基準に「適合」したとしているが、規制委員会の田中俊一委員長は「安全が担保されたわけではない」と語るなど、不透明な情勢が続く。過酷事故に対する住民の迅速な避難計画や火山対策など不安の声が高まっている。さらに原発から出る「核のごみ」の処理方法も決まっておらず、課題は山積だ。(写真=「アピールウォーク」出発前、国泰寺公園で「青い空」を歌う広島合唱団)
                                         (15.2.22)


   シンポ「ヒロシマの平和行政を考える」開く

          「経済偏重」の姿勢に危惧        

 被爆・敗戦70年を前にシンポジウム「ひろしまの平和行政を考える」が2月11日、広島市南区の広島ロードビルで開かれた。ヒロシマ革新懇などの主催で90人が参加。風化、希薄化の懸念が強まっている広島市の平和行政の現状と今後の課題について意見交換した。
 パネリスト4人が登壇。まずかき船問題を考える会の大亀信行さんが、原爆ドーム近くへの移設が突如明らかになった「かき船」について観光部局サイドで話が進められてきたと報告した。広島県原爆被害者団体協議会の大越和郎さんは、市が発表した「被爆70周年の取組」事業に言及。その基本方針に「平和都市としての求心力の向上」に加えて「ヒト・モノ・カネを呼び込む都市の魅力の創造」が盛り込まれていると指摘した。両氏は市政の方向が、経済に偏るようになっているのではないかと危惧していた。
 児童文学者の三浦精子さんは、戦後の広島の文芸活動について共同執筆したが市などからの助成はなく、逆に持ち出す始末だったと苦笑しながら述べた。戦前の広島の面影を記録しておくことも重要で、そうした資料をどう収集し保存していくか。もう残されている時間は少ないと三浦さんは案じていた。
 元教員の高橋信雄さんは、子どもたちへのヒロシマ継承について振り返った。かつては家庭・地域で体系的ではないにしても継承できたが、高度成長下ではそれらの力が低下。代わって学校が役割を果たしてきた。それも文科省による「指導要領通りの授業」締め付け、市教委から下りてくる教材で教員は縛られてしまっていると述べた。
                                       (15.2.12)


     日本が母港の原子力空母は「稼働中」

            横須賀の呉東弁護士が講演


 岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会が1月24日、廿日市市商工保健会館で開いた総会で、原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会共同代表の呉東正彦弁護士(写真)が講演した。60人が聞き入った。
 呉東弁護士は「今、全国すべての原発が停止しているが実はもう一つ原子力基地がある。それは米空母の母港である横須賀。今年、その空母がジョージ・ワシントンからロナルド・レーガンに交代するが日本政府は何も言えず、究極の治外法権状態だ。このままでいいのだろうかと、広く市民に呼びかけていきたい」と語った。
 原子力空母には陸上にない衝突の危険がある。加えて燃料のウラン濃縮度が高い上、燃料交換は25年に一度で「死の灰」が大量にたまる。冷却用海水を船底から取り入れる。大地震が起これば海底の隆起や津波で海水の取り入れができず、原子炉が空だきになりかねない。事故で首都圏数千万人に影響が及ぶかもしれないが、なにも配慮されてない。
 東京電力福島第一原発事故でトモダチ作戦を展開したロナルド・レーガンは、多数の乗組員が被曝。東電に対する損害賠償裁判が米で提起されている。呉東弁護士は「レーガンの除染がしっかりされてないと、配備後の修理作業で日本人が被曝する恐れもある」と懸念している。
                                          (15.1.25)


   「かき船」のドーム付近への移動は問題あり

         被爆者団体などが「考える会」を結成


 1月24日、「かき船問題を考える会」の結成総会が広島市中区の市民交流プラザで開かれ、100人が参加した(写真)。初めに、被爆瓦発掘や「ヒロシマの碑」建設運動などに取り組んできた高校生平和ゼミナールの生徒が「かき船の移転は考え直してほしい」と訴えた。
 「会」の準備会からは、広島市がかき船「かなわ」を現在の平和大橋南から、元安橋近くに移動(新設)する動きは昨年10月末に始まり、これまでヒロシマの碑建設委員会や原爆遺跡の保存に取り組んできた団体が、国土交通省河川事務所や広島市などと話し合いをして来たこと、日本イコモス委員会が広島を訪問し、移転の問題点を指摘、松井広島市長に申し入れをしたことが報告された。広島市は移転は決定済みとして、再検討することを拒んでいる。
 会議では、呼びかけ人の植木研介広島大名誉教授やユネスコ関係者らが「原爆で焼かれた被爆者にとって広島の川は特別の意味を持っている」とし、原爆ドームのわずか200㍍地点に移動し、新たに設置されようとしている「水上レストラン」に反対の声をあげていくことを確認した。最後に「考える会」の結成、植木氏や被爆者団体代表が共同代表に就任することが承認され、今後、会員拡大や、市民の署名に取り組むことになった。
                                         (15.1.24)


       NHK広島に随時懇談を申し入れ

       NHKを考える広島の会  籾井会長の退任を求める   


 「政府から独立したNHKをめざす広島の会」(略称:NHKを考える広島の会)の代表が12月25日午後、広島市中区のNHK広島放送局を訪ね、12月13日に「会」が発足したことを通告するとともに設立趣旨である公共放送NHKの在るべき姿を求めて会長罷免など2項目を申し入れました。1月中に文書での回答を求めました。
申し入れには篠原一郎共同代表ら世話人7人が参加、局からは清原康仁広報事業部長、上小城(かみこじょう)敬幸同副部長の2人が対応しました。申し入れは①経営委員会による籾井勝人会長の罷免と、百田尚樹、長谷川三千子両経営委員の辞任②市民・視聴者との懇談の場を広島局に随時設けて頂きたい―の2項目。特に会長及び2人の経営委員については安倍政権との密接な関係を重視、経営委員会が自ら確認した基準に照らしても失格人事である点を、3人の発言や行動を挙げて指摘し、世話人がそれぞれ「自ら退任すべきだ」と指摘しました。
 会長退任が実現するまでNHK受信料の不払いまたは「凍結」の動きが多くの視聴者にある点を踏まえて、「NHKを考える広島の会」も署名活動と併せてその運動に賛同することを表明、設立のつどいで確認した「申し合わせ事項」と集会アピールを手渡し、見解を質しました。
 対応した2人からは、「NHKを考える広島の会」が指摘した見解や事実については「承知している」としながら「NHKには異なる見解や意見も寄せられている」として「申し入れの趣旨や見解は経営委員会及び本社関連部局に報告します」と受諾、ただし「文書での回答は約束できない」との姿勢に終始しました。
                                       (14.12.30)

 沖縄・歴史認識・憲法・原発…「時代の岐路」を特集

         「広島ジャーナリスト」19号を発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は12月15日、「広島ジャーナリスト」第19号を発行した。「岐路に立つ『われらの時代』」を特集タイトルとし、沖縄、歴史認識、憲法、原発など現在の日本が抱える問題を通して、安倍晋三政権への批判を展開した。
 トップは、辺野古基地をめぐって賛成、反対両派が激突、反対派の圧勝となった沖縄知事選の報告。琉球新報社の松元剛記者が、「沖縄が示した民意は命と尊厳をかけたもの」と熱くペンをふるった。基地問題では、近畿地区初の米軍基地建設に対する地元住民の反対行動を、米軍Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会共同代表・大湾宗則さんが詳細に報告している。
 「安倍政権の歴史認識を問う」と題して、元NHKディレクター池田恵理子さんが広島市内で行った講演記録も掲載した。池田さんはこの中で、自身が関わった「女性国際戦犯法廷」を扱ったETV2001が、安倍晋三官房副長官(当時)ら自民党議員とNHK上層部によって改変された経緯を、NHK職員としての視点も含め生々しく語った。関連して、戦後世代が「戦争責任」の問題にどう関わるかという原点にも触れた。歴史認識の問題では澤野重男さんに「歴史を学ぶ高校生」を寄稿してもらった。
 阪神大震災以来、防災問題に取り組む弁護士・津久井進さんの講演記録も掲載した。「憲法は災害復興のマニュアル」との視点で、興味深い内容となっている。
 脱原発では、湯浅一郎さんの「『星の恵み』今こそ実感を」、藤田祐幸さんの「止めよう原発再稼働」を載せた。国際情勢では、米中間選を振り返った「『オバマ的なるもの』を拒否したアメリカ」を元共同ワシントン支局長の大島寛さんが、「イスラム国」問題を掘り下げた「命と尊厳破壊する『イスラム国』」を、元共同通信記者の坂井定雄さんが寄せた。
 定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。
                                       (14.12.15)


 「政府から独立したNHKを考える会」を結成(広島)

        永田元プロデューサー 番組介入を報告

  
 政府から独立したNHKをめざす広島の会結成のつどいが12月13日、広島市中区で開かれ87人が参加した。
 つどいでは元NHKプロデューサーの永田浩三さん(写真・左)が「安倍政権のメディア支配を問う」と題して講演。安倍政権が籾井勝人会長をNHKに送りこんで1年。百田尚樹・長谷川三千子両委員も暴言を繰り返し、このままでは安倍さんのNHKになってしまうと永田さんは懸念。2014年はメディアが攻撃を受けて変質した年と強調した。
 永田さんは「慰安婦」問題をとりあげたETV2001番組改変事件について、放送前日の夕方、安倍氏がNHK幹部と面会し、「公平・公正にやってくれ」と言い、さらに「お前、勘ぐれ」と言ったとされているとした。勘ぐれとは「みなまで言わせるな、察しろ」と言っているのだろうという。
 続けて永田さんは、当事者となった番組改変の経緯を次のように話した。
 私に対し、河野談話をできるだけなくせと幹部から指示が飛んだ。被害女性の声はなるべく切るように、「慰安婦」問題を否定するコメントの時間を増やせとも。「毒を食らわば皿までだ」とも言われた。放送当日には加害兵士や被害女性の声をカットしろ、これは業務命令だと言われやむなく切った。当初予定の44分の番組が40分になった。その後、NHKは訴えられたが、最高裁は政治介入を否定された。NHKは「番組への政治介入はなかった」と断定するニュースを放送した。

 永田さんは吉田清治氏の証言をめぐる朝日新聞バッシングにも触れ、メディアの危機はまさに国民の危機でもあり、今こそ本来のメディア同士の連帯が求められ、市民との連帯が求められると指摘した。
 つどいはこの後、NHKが権力の横暴を許さず、国民の負託に応えるよう広く運動を拡げることを訴えるアピールを採択、「政府から独立したNHKをめざす広島の会」、略称「NHKを考える広島の会」を結成した。








                                            (14.12.15)


     JCJ 秘密保護法施行に抗議声明


 国民の「知る権利」を侵害する恐れが強い特定秘密保護法が10日に施行される。安倍政権は10月、法律運用のルールとなる運用基準を決定したが、この法律の危険な本質は何ら変わっていない。日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、施行強行に抗議するとともに、同法の廃止を強く要求する。

 私たちJCJを含め多くの市民がこの特定秘密保護法に対して指摘している問題点は第一に、秘密の範囲が政府の意のままに際限なく拡大する恐れがあることだ。政府は、特定秘密の対象とした「防衛」「外交」など4分野を、運用基準で55項目に細分化し、指定範囲を限定したと説明しているが、行政の恣意が働く余地が広いことに変わりはない。

 第二の問題点は、国民にとって重要な情報が永久に秘密にされる恐れが強いことだ。特定秘密保護法は秘密の指定期間を5年以内としているが、何回でも更新が可能で、内閣が承認すれば60年まで延長できる。「外国政府との交渉に不利益を及ぼす恐れのある情報」など7項目の「例外」に該当すると判断すれば、さらに延長が可能となっている。

 第三は、秘密が「漏れた」場合の厳罰規定だ。公務員など「漏らした」側は、最高懲役10年。ジャーナリストや市民団体、研究者などが情報を知ろうとして「唆したり、煽り立てたり、共謀した」場合は同5年が科せられる。ジャーナリストや人権活動家を処罰の対象から除外するよう求めた国連人権規約委員会の勧告は無視されている。

 見落としてはならない第四の問題点は、安倍政権が特定秘密保護法の施行強行によって、日本をアメリカの戦争に協力する体制を法制面から整備しようとしていることだ。政府は10月に決定した運用基準の特定秘密の中に、「米軍との運用協力に関するもの」を含めており、日米軍事協力に係る情報を「秘密」として国民の目から遮断しようとしている。

 日本ジャーナリスト会議は、国民の目と耳と口を塞ぎ、言論・表現の自由を奪う特定秘密保護法の施行に反対し、同法の廃止を強く要求する。私たちは、この法律の廃止に向けて全力を挙げて闘うことを表明する。
 同時に、全てのジャーナリストに、この法律に萎縮したり、怯んだりすることなく、国民に必要な情報の取材・報道をこれまで以上に強化するよう呼びかける。
    2014年12月9日
                               日本ジャーナリスト会議(JCJ)
                                        (14.12.10)


      秘密法廃止の運動 粘り強く継続を

       広島弁護士会主催の採決1周年集会で川口創弁護士


 1年前に特定秘密保護法が成立した12月6日、広島弁護士会は広島市中区の市青少年センターで「秘密保護法施行反対―廃止を目指す市民集会」を開いた。210人が参加し、国が情報統制を強めて戦争へ戦争へと暴走した戦前の過ちを繰り返さないために10日の施行後も粘り強く廃止運動を続けることを誓い合った。
 集会ではまず名古屋高裁イラク派兵違憲判決事件で弁護団事務局長を務めた川口創弁護士(写真)が「秘密保護法の危険性について」と題して講演した。川口さんは安倍政権がここ2年間軍事優先国家の構築を狙って踏み込んできた諸施策について平和憲法破壊へワンパッケージであると指摘。秘密保護法、日本版NSC(国家安全保障会議)、集団的自衛権行使の閣議決定など具体例を挙げた。
 これらには連動性がある。たとえば集団的自衛権の行使としてアメリカの戦争への参加を決めるのはNSCで、首相、官房長官、外相、防衛相のわずか4大臣を中心に回る。しかも秘密保護法によって判断の経緯などの情報は隠されてしまう。これでは首相らの責任が問われることはなく、歯止めがなくなってしまい無責任政治が横行すると川口さん。加えて情報を入手しようとする側は罰せられる懸念で言論の自由が萎縮しかねず、民主主義が機能しなくなる。川口さんたちは幅広く共闘していこうと今年5月に「国民安保法制懇」を結成。元内閣法制局長官、憲法学者、元内閣官房高官らがメンバーに加わっている。
 市民によるリレートークでは元大学教授、元新聞記者、青年弁護士が平和憲法への熱い思いを語った。最後にスピーチした2児の母親(29)は「子どもが不安をもったまま大人にさせたくない」と訴えた。集会後には広島弁護士会の幟を先頭に繁華街の本通りなどを行進。寒気を吹き飛ばす勢いだった。
                                        (14.12.8)


 政府から独立したNHKをめざす広島の会(仮)結成へ

        元NHKディレクター永田浩三さんが講演

 
 今年1月の会長人事に見られるようなNHKに対する露骨な政治介入が強まっていることについて、全国で批判の声が上がっている。同時に、番組制作などにあたる現場職員を激励しようという声も少なくない。広島でもそうした思いを共有する視聴者、市民有志が集まり、12月13日、「政府から独立したNHKをめざす広島の会」(仮)、略称「NHKを考える会」を結成することになった。元NHKディレクター永田浩三さんの講演のほか、この日、会の結成総会を開き、会員を拡大して、様々な運動を進めることにしている。
   ■日時:12月13日(土)午後1時30分〜4時
   ■会場:中国新聞7階702会議室
   ■参加費:500円(資料代)
                                         (14.12.2)    


     被災者に寄り添い 継続する支援を

       県9条ネット「災害と日本国憲法」でつどい


 広島県9条の会ネットワークは11月3日、広島市中区の市青少年センターで「憲法のつどい」を開き、約250人が広島豪雨土砂災害について考えた。災害現地報告の後、兵庫県で災害問題に取り組んでいる津久井進弁護士(写真)が「災害と日本国憲法」と題して講演した。
 まず被災地で取材を続けている中国新聞災害取材現地支局の久保田剛記者が「住宅二重ローン救済などの問題をどう解決していくか、息の長い取り組みが必要。被災者50人を継続取材していく」と述べた。避難場所を提供した広島医療生協の青木克明副理事長は「受け入れ病棟に調理設備があり、温かい食事をとってもらうことができて好評だった」と振り返った。
 津久井弁護士は災害復興について被災者一人ひとりの困難に、みんなで我がこととして寄り添う気持ちがまず大事と指摘。憲法13条には生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利について、最大の尊重を必要とすると書いてあると紹介。「憲法こそ復興基本法なのだ。被災者は幸せになろうと頑張ることで、自尊感情を取り戻してほしい」と述べた。
 「広島被災地の復興への希望」について津久井弁護士は、被災者とそうでない人たちとの温度差こそ差別の土壌になるので「忘れないことが一番の支援になる」と強調。被災者にとって、あきらめず自らの思いを主張し発信していくことが希望の道具になり「社会、ボランティアらからの呼応は必ずある。相互支援はやまびこと同じ」と語った。
                                        (14.11.4)


       秘密法施行に裁判で対抗を

        医療人九条の会講演会で寺澤さん呼びかけ


  ひろしま医療人・九条の会主催の講演会「今こそ、九条!」が10月26日、広島市中区の広島YMCA国際文化ホールで開かれた。講演したのは、特定秘密保護法は違憲として施行差し止めなどを求める訴訟を東京地裁に起こしたジャーナリスト寺澤有さん(写真)。「民主主義の根幹である取材・報道の自由を脅かし、国民の知る権利を侵害する、このとんでもない法律を12月10日に施行すると政府が決めた。政府にとって都合の悪いことはすべて隠され、真実を明らかにしようとすればいきなり逮捕されるようになる。国家権力に抵抗する人たちを弾圧する道具となった戦前の治安維持法と同じ。この法が施行されたら取り返しがつかなくなる。政府の暴走を止めるのに今、一番効果的なのは裁判を起こすことだ。違憲訴訟は市民の誰もが提起できる。ぜひ広島でも多くの市民が提訴をしてほしい」と訴え、約70人が聴き入った。続いて、コメディアンの松元ヒロさんが一人コントでユーモアたっぷりに今の政治批判や社会風刺を繰り広げ、会場を沸かせた。
                                      (14.10.29)


     国民の不安 無視する安倍政権を批判

        川内原発再稼働反対集会で藤田祐幸さん 


  鹿児島県の川内原発の再稼働に反対する広島集会が10月26日、広島市内で開かれ、280人が参加した。さよなら原発ヒロシマの会と上関原発止めよう!広島ネットワークが呼びかけた。
 集会では元慶応大助教授の藤田祐幸さん(写真)が「再稼働を止めて、原子力の終焉へ」と題して講演。再生エネルギー買い取り中止と原発再稼働がひとつづきの問題であり、九州電力が再生エネルギー買い取り中止を打ち出したことについて、太陽光発電の認可電力で九電の夏の最大電力を賄えると指摘。耕作放棄地がありミニメガソーラーができ、太陽電池出荷量が飛躍的に増えたことが背景にあるという。
 藤田さんは広島の目下の目標は伊方原発再稼働阻止と上関原発計画の白紙撤回と呼びかけた。また福島原発について、海のチェルノブイリ事故と語り、放射性物質が水を汚染し拡散したと強調。さらに、福島県の職員が福島のすべての小中学、幼稚園、保育園の地上1メートルの放射能を調べた結果を基にすると、18歳未満立ち入り禁止の0・6マイクロシーベルト以上が25市町村に上ったと述べた。
 最後に御嶽山の噴火災害を機に原発の火山対策への不安が高まっているのに、国民の声を無視するかのように再稼働を進める安倍政権を批判、福島原発事故によって、3年半が経った現在も1時間に1千万ベクレルの放射能が放出され、汚染水は毎日400トンも発生していることからも原発再稼働をあきらめ、廃炉にするというアピールを採択。このあと、参加者は雨の中、原発NOを訴え、市内をパレードした。
                                      (14.10.29)


      ペテンとマインドコントロールで
     「あの戦争」を繰り返していないか!

          アーサー・ビナードさん、森村誠一さん問いかけ


 10月12日、広島市中区の中国新聞社ホールで、子どもの本九条の会・広島の「5周年の集い」が開かれ、約400人が参加した。
  第1部は、詩人、翻訳家、エッセイストとして活躍中のアーサー・ビナードさん(写真上)が講演。ビナードさんは、米国では日本への原爆投下は戦争の早期終結が目的だったというのが定説だが、これはペテン。太平洋戦争は、1942年のミッドウエイの戦いで日本が4空母を失った時点ですでに勝敗は決していた。アメリカの目的は、戦争を引き延ばし、当時開発中であったウラン型、プルトニウム型原爆を日本に落とし、その威力を実証することだったと指摘した。さらに、戦争が容易にできるようにするために、「米国防総省」と名前を変えたペンタゴンは「ペテンタゴン」だなどと、多くのペテン的事例をユーモアたっぷりに紹介。最後に「押しつけ憲法論」に触れ、憲法は権力に歯止めをかけるかどうかの概念であり、押しつけかどうかの問題ではない。イギリスのマグナカルタは「ラテン語」だし、アメリカの憲法も「舶来品」で、その意味では、憲法は元々「借りもの」「渡りもの」。ぼくらのいちばんの敵は「ペテン」だ。権力者の宣伝やマスコミなどの言葉のマジックに惑わされることなく、真実を見抜く眼を磨き、正確に物事を理解することが大切だと話した。

 第2部は、作家の森村誠一さん(写真下)が「日本国憲法の『証明』」の演題で講演した。森村さんは、憲法9条の必要性を考えるには、戦前を知る必要があるとして、自分が生まれ育った熊谷の町がB29の空襲で火の海となり、市内を流れる星川が累々とした死体で埋め尽くされ、川底も見えなかったことなど、自らが作家を志した原体験から語りはじめた。戦争遂行のために、寺は釣鐘を、女性は指輪を、農家は馬を供出させられた。若者は20歳で死ぬ覚悟を求められ、遺骨は石ころで戻ってきた。女性の振袖は切られ、パーマも禁じられた。国民の多くがマインド・コントロール下に置かれ、自由も人権も言論もすべてが奪われていた時代を具体的に辿りながら、再びあの時代に戻してはいけないと語った。そして、この間の安倍政権の3点セット、つまり秘密保護法、国家安全保障会議、集団的自衛権は、それぞれ戦前の治安維持法、大本営、三国同盟に相当する開戦のための3点セットと極めて近似している。似た状況は少しでも許してはならない。日本国憲法を生み出した大きな柱はヒロシマ、ナガサキだ。平和国家を作り上げるために皆さんがしっかりと発言していくべきだと呼びかけ、講演を締めくくった。
                                       (14.10.13)


   「子どもたちが生きていける世界」考える

          大江健三郎さんが広島でスピーチ

 
 










  戦争をさせないヒロシマ集会が10月4日、広島市中区の市文化交流会館であった。戦争をさせないヒロシマ1000人委員会の主催で広島県9条の会ネットワークが協力。大江健三郎さん(写真右)を迎えて、約1100人が憲法九条を守り原発廃止の「真面目なスピーチ」に聴き入った。
 最初に広島朝鮮初中高級学校の舞踊・コーラス部がステージに。「翼をください」などを披露した後「県の補助金が停止になるなど安心して学べる環境にない」と窮状を訴えた。
 大江さんは夏目漱石が執筆して今年で100年の「こころ」に言及。主人公は自分の抱えてきた秘密、罪を親しい若者に手紙で伝える前に「あなたは本当に真面目なんですか」と問う。執筆からわずか30年後、日本は軍国主義にのめりこみ敗戦を迎えた。核兵器による広島、長崎の大きな犠牲を引き起こした。いわば時代の転換期の心のありようを描いた小説である。いま「戦争を起こさせない」というと、その真面目さをこっけいに思う向きもある。広島の地で真面目に考えていく。「時代遅れという考えは間違っていることを考えさせるのだ」。
 大江さんはチェコ生まれのフランスの作家、ミラン・クンデラの言葉「人間にとって一番の本質は、この環境を次の子どもたちが生きていけない世界にしてはいけないということである」を紹介。「これが反原発の根本だ。再稼働をさせないように努力しよう」と呼びかけた。それらを受けて参加者は「日本国憲法の保障する、集会・デモ・言論・表現の自由を使い、みんなの知恵と力を集めてこの危機を乗り越えるために力をあわせましょう」と集会アピールを採択した。
                                       (14.10.6)  


      「『集団的自衛権』と広島」を特集

         「広島ジャーナリスト」18号を発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は9月20日、「広島ジャーナリスト」第18号を発行した。「『集団的自衛権』と広島」を特集タイトルとし、被爆地の視点から安倍晋三政権の集団的自衛権行使容認を批判した。
 トップには、防衛官僚として小泉純一郎政権などの安全保障政策を官邸で支えた柳澤協二氏の講演記録を置いた。精緻な論理構成で分かりやすく、「集団的自衛権」容認論批判の総論的位置づけに耐えうると判断した。柳澤氏はこの中で、「日本の民主主義そのものが迷走状態にある」と批判、「ポスト戦後」体制の選択が迫られており、その答えが出ない限り問題は終わらないと述べた。呉で長く反基地運動に携わった湯浅一郎ピースデポ代表や浅井基文・元広島市立大広島平和研究所所長がそれぞれの視点で「安全保障と憲法」を分析したほか朝日新聞、毎日新聞の現役記者が広島、長崎の平和宣言を取り上げる中で問題の所在を明らかにした。
 「広島文学資料保全の会」代表の土屋時子さんが「原爆文学を『記憶遺産に』」と題して寄稿、峠三吉や栗原貞子、原民喜らの文学資料が散逸する前にきちんとした保全策を考えるべきだと訴えた。広島平和研教授の田中利幸さんによる連載「自滅に向かう原発大国日本」がスタート、福島県在住の詩人・若松丈太郎さんは「なかったことにできるのか」と「核災」の現状を伝えた。
 原発関連では、「イチエフ」で働いた経験を持つ広島在住の男性の証言を取り上げたほか、関西電力大飯原発訴訟で、経済の論理より人格権が優位にあるとした福井地裁判決の裁判所判断全文を掲載した。
 憲法9条をめぐって自衛官アンケートなどを実施する横須賀の反基地運動家・新倉裕史さんの講演記録や自衛艦と民間船衝突事故の追跡報告など、基地問題も多角的に取り上げた。イスラエル軍による非人道的な殺戮が起きたガザの現状も詳しく分析した。
 定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。
                                        (14.9.22)


       政府方針垂れ流す放送に批判

       「NHK問題を考える会(仮称)」準備会開く

 














 NHK問題を考える広島の会(仮称)準備会が9月18日、広島市中区の大手町平和ビルであり、26人が集まりました。(写真上)第2次安倍政権は発足以来、あの手この手でマスコミの取り込みを画策し、本格的に推進しています。その中で露骨な人事介入まで行われているNHKの「国策放送」化を危惧する有志が急きょ、会の結成を市民に呼びかけて開かれました。準備会には、「NHK問題を考える会(兵庫)」から西川幸さん、昆美恵子さん(写真左)も駆けつけ、10年間続く兵庫での活動を紹介し意見交換しました。
 会場の市民からは、最近のNHKに対する感想や意見が次々に表明されました。NHKの番組の優れた点、評価できる点とともに、「公平・中立」を装いながら政府の考えを一方的にたれ流し続けるニュースなどへの批判も数多く、率直に語られました。
 2時間余りのやり取りのすえ、NHKの現状をこのまま見過ごすわけにはいかないということで、世話人を中心に会の結成を早急に準備していくことになりました。
                                       (14.9.19)


       世界でもまれな生態系を守れ

         シンポジウム「原発と瀬戸内海」開く


 原発事故は瀬戸内海にフクシマを上回る惨状をもたらしかねない。広島弁護士会が9月6日、広島市中区で開いたシンポジウム「原発と瀬戸内海~豊かな海を守るために~」で環瀬戸内海会議顧問の湯浅一郎さん(写真)が講演。四国電力の愛媛県伊方原発を廃炉にし、中国電力の山口県上関原発建設計画を中止させ「太陽と月の恵みに応えなければ」と訴えた。出席は約130人。
 海洋研究者として長年瀬戸内海を見つめてきた湯浅さんは「海底の起伏と太陽・月の引力による潮汐流の作用で、沈下した栄養塩が巻き上げられて繰り返し利用されることが可能になり、世界にまれな豊かな生態系を育んできた」と指摘。それが原発からの放射性物質の放出で連鎖を断ち切られて、瀬戸内海が毒ツボ化しては取り返しがつかないと述べた。
 講演の後、京都大学教授の加藤真さんと上関原発反対運動にかかわってきた祝島の山戸貞夫さんが登壇。加藤さんは瀬戸内海の生物多様性について紹介し「上関周辺の周防灘には貴重な種が残っている」と評価した。山戸さんは、祝島の粘り強い反対運動を支えてきた根本について「『われわれの海』とみんなが思ってきたからだ」と説明。「これは、われわれが海を所有しているという意味ではなく海の恵みで生活でき、命を育んでいることへの感謝の言葉なのだ」と述べた。           
                                        (14.9.8)    

   不戦のつどい 「慰安婦」問題とNHKを語る

         池田恵理子さん 「記憶の暗殺 許さない」

JCJ広島支部主催の第38回不戦のつどいが9月2日、広島市まちづくり市民交流プラザで開かれた。日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワークが共催し、130人が参加した。つどいでは元HHKディレクターで、女たちの戦争と平和資料館館長を務める池田恵理子さん(写真)が「安倍政権の歴史認識を問う~『慰安婦』問題とNHK〜」と題して講演した。
 池田さんは、朝日新聞の「慰安婦」に関する「虚偽報道」をめぐり右派メディアによる「朝日バッシング」が行われ、強制連行の証拠がないことを理由に「慰安婦」問題自体がなかったかのような論調が溢れていることに憂慮を示した。また、安倍首相が1993年の議員当選以来、「慰安婦」問題を歴史記録から消し去ろうとするグループの中心的な存在として活動してきたこと、NHK籾井会長による「慰安婦」は「戦争を起こしているどこの国にもあった」発言に見られるように、「慰安婦」問題が、政治とメディアの関係でも焦点になっていることを明らかにした。そのうえで、「記憶の暗殺者」として、戦争ができる国に走る安倍政権のメディアへの介入などを跳ね返す運動が求められていることを訴えた。
                                        (14.9.3)


     迷走する集団的自衛権と日本の民主主義

          元内閣官房副官 柳沢協二さん 熱弁


 広島弁護士会は8月30日、広島市中区で講師に元内閣官房副長官補の柳沢協二氏
(写真上)を招いてシンポジウム「憲法第9条と集団的自衛権行使」を開いた。約200人が出席。安倍晋三内閣による「解釈改憲」は国民をどこへ導こうとしているのか、認識を深めた。
 小泉から安倍第1次、さらに福田、麻生政権まで4代にわたって安全保障・危機管理担当を務めた柳沢氏だが今春、「亡国の安保政策」を刊行するなど安倍政権を厳しく批判している。同氏は閣議決定などについて「暴走というよりも迷走している。行き先が分からない。やっていることは論理の世界でない」と指摘。「しかも自分と異なる主張に聞く耳を持たない」。歴史認識では「リセットできない東京裁判を否定するような言動があり、米国ともう一度戦争をするのかということになる」。
 集団的自衛権の核心は武力による抑止力。冷戦時代に生まれた「脅し」だが、最近の国際的な潮流は「抑止からルールへ」なのに安倍政権は逆行しているという。柳沢氏は井上正信弁護士との対談で「立法事実があって初めて憲法解釈が出る」と説明。「どういうケースで何をしたいのか。それがないと法案はできない」。これからが安倍政権に とって苦労の始まりで「我々にとって本当の闘いが始 まる」と呼びかけた。 










   第2部で対談する柳澤さんと井上弁護士
                                         (14.9.1)


      原爆、戦争と平和に関する番組一覧
 今年、NHK、民放が放送または放送を予定している、原爆、戦争と平和に関する主な番組を紹介します。平和式典、戦没者追悼式典などの生中継を除いています。
8月3日(日) 16:00~     NHK総合 かたりべさん(ドラマ)
8月3日(日)24:00~ NHKBS1 BS1スペシャル「ドキュメント オリバーストーン~被爆地、そして沖縄で何を語ったか」
8月3日(日)24:50~ 広島テレビ NNNドキュメント’14 無言の語り部~ヒバク遺品は訴える
8月5日(火)21:05~  NHKラジオ第1 語り出す被爆遺品〜69年目に明らかになる真実
8月6日(水)8:36~ RCCテレビ 野球が好きなんじゃ?広島復興とカープ誕生
8月6日(水)9:55~ 広島ホーム テレメンタリ―2014 「幻の広島復興映画」
8月6日(水)12:00~ RCCラジオ 日々感謝。ヒビカン「被爆69年のヒロシマから」
8月6日(水) 14:00~ テレビ新広島 ヒロシマを遺した男~原爆資料館誕生秘話
8月6日(水)20:00~ 広島FM  あの日の二中
8月6日(水)22:00~ NHK総合  NHKスペシャル「水爆60年 ビキニの真実」 広島局制作)
8月8日(金)19:30~ NHK総合  ヒバクシャからの手紙(広島局のみ)
8月10日(日)24:50~ 広島ホーム  封印された”毒ガス”全真相
8月10日(日)24:50~ 広島テレビ  続・放射線を浴びたX年後
8月12日(火)21:00~ NHKBS1  女たちのシベリア抑留
8月13日(水)22:00~ NHK総合  NHKスペシャル 「狂気の戦場・ペリリュー ~〝忘れられた島〟の記録」
8月14日(木)15:30~ BSプレミアム   いのちのうた2014~ヒロシマ・ナガサキから未来へ(広島・長崎局共同制作)
8月14日(木)22:00 NHK総合  NHKスペシャル 「少女たちの戦争~197枚の学級絵日誌」
8月15日(金)20:05~ NHKラジオ第1  奈良岡朋子の戦争体験と朗読 『黒い雨』
8月15日(金)21:00~ テレビ新広島  命ある限り戦え、そして生き抜くんだ(ドラマ)
8月15日(金)22:00~ NHKBS1  遠い祖国 前編 ブラジル日系人抗争の真実
8月16日(土)24:05~ NHK総合  ヒバクシャからの手紙(全国)
8月16日(土)22:00~ NHKBS1  遠い祖国 後編 ブラジル日系人抗争の真実
8月17日(日)21:00~ NHK総合  NHKスペシャル「いつでも夢を~作曲家・吉田正の〝戦争〟」
8月18日(月)22:00~ NHK総合  NHKスペシャル「知られざる衝撃波~長崎原爆・マッハステムの脅威」
8月29日(金)21:00~ NHKBS1  憎しみとゆるし~マニラ市街戦 その後
                                       (14.8.26)


    被爆体験継承をテーマにMICフォーラム

         マスコミ労働者60人が広島に集う

  日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)と広島県マスコミ文化労組共闘会議主催の「MIC広島フォーラム」が8月5日、広島市中区で開かれた。全国の新聞、放送、出版などの労働者約60人が参加した。今年はテーマを「被爆体験の継承〜被爆者の高齢化。何をどう伝えるか〜」とし、原爆投下から70年を迎える来年に向け、課題を探った。
 はじめに中国放送制作のテレビ番組「ヒロシマの山〜葬られた内部被曝調査〜」を視聴、福島原発事故による被曝問題にもつながる放射能影響研究の現状と課題を学んだ。
 パネル討論では平和記念資料館前館長の前田耕一郎さん、岩波書店編集部の大塚茂樹さん、広島女学院中学高校教諭の矢野一郎さん、中国新聞編集局メディアセンター記者の金崎由美さんが、被爆体験を継承していく活動や今後の方策について意見を述べた。
 生徒ととともにネット上で「ヒロシマ・アーカイブ」を運営する矢野教諭は「被爆者の声を受け継いで、若い世代が記憶をつないでくれるだろう。五感への訴求を心がける」と、今後の活動への決意を語った。大塚さんは「仕事で直面した共感や疑問、反発の中で人間として成長できた。人々が宝として持っているものを書き残していきたい」と、継承をめざす編集者としての姿勢を示した。フォーラムは、「2014アピール」を採択して幕を閉じた。
 (写真=パネル討論の模様)
                                        (14.8.8)


    使用済み核燃料の危険性についても言及

      大飯原発運転差し止め勝訴 原告弁護団安部氏が講演


 青年法律家協会(青法協)広島支部は7月31日、広島市中区の広島弁護士会館で関西電力に対する「大飯原発運転差し止め勝訴」講演会を開いた。原告弁護団の安部剛事務局次長(写真)が市民、弁護士ら35人に5月21日の福井地裁判決の意義や樋口英明裁判長たちとのやり取りを報告した。
 原発裁判で原告の住民側が勝ったのは今回で3例目。安部氏は「判決は専門技術的な側面からでなく、国民の常識に沿って生命、幸福追求などの人格権が侵害される具体的な危険があると判断している」と評価。裁判長は福島第一原発の国会事故調報告書を丹念に読み込んでいる印象を持った。
 これまでの原発判決になかった使用済み核燃料の危険性についての言及もあった。大飯原発では、原子炉格納容器の外の建屋内のプールに置かれている。プールから放射性物質が漏れたとき、敷地外部への放出を防御する設備は存在しない。
 安部氏は「裁判長は原発再稼働が決まる前に判決を出したかったようだ」とみる。関電は真正面から提訴に応じている感じではなかった。翌22日には名古屋高裁金沢支部に控訴した。
                                        (14.8.1)
 

      使用済み核燃料処分計画を問う

        大阪大今岡准教授 モンゴルの動向を講演



 「モンゴルへの使用済み核燃料の処分計画を問う」。グローバリゼーションを問う広島ネットワークは7月27日、広島市中区の「ゆいぽーと」で第18回講座を開き、大阪大学准教授の今岡良子さん(写真)からモンゴルのウラン開発の動向と健康被害への懸念の高まりについて現状報告を聞いた。約30人が参加した。
 モンゴルの核燃料サイクル構想は、毎日新聞が福島第一原発事故が起こって間もない2011年5月に「日米が核処分場極秘計画 モンゴルに建設 原発商戦拡大狙う」と報じて明るみに出た。モンゴル国内でも議論を呼び「最終処分場」を大統領が否定した経緯がある。とはいえ世界有数の埋蔵量があるウランの採掘開発は進んでいる。13年10月には三菱商事とフランスのアレバ社が事業調印し本格参入した。
 こうした中で、採掘場周辺では家畜の異常出産などが見られるようになっている。今岡さんの研究テーマは遊牧社会。その根本である大地が核で汚されることにいたたまれなくなり、最終処分場候補地などを訪ねて情報収集するようになった。今岡さんは「汚染された遊牧地が無人となり、その結果最終処分場として使われるようなことがあってはならない。モンゴルの大地と人々を守りたい」と訴えた。 
                                       (14.7.28)


   「慰安婦」問題とNHK 今年の不戦のつどい

         9月2日、池田恵理子さんを迎える


 38回目を迎えるJCJ広島支部の「不戦のつどい」は9月2日、元NHKディレクター池田恵理子さんを迎えて開くことになった。池田さんは1973年にNHKに入局、2000年の女性国際戦犯法廷では主催団体に参加し、これを取り上げたNHKの番組が、政治介入によって改変される事件があった。事件は裁判で争われ、池田さんは原告の一人となった。現在はアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」館長を務めている。
 なお、今年は、日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワークと共催する。
 不戦のつどいの概要は次の通り。
 日 時:9月2日(火)18:30〜20:30
 会 場:広島市まちづくり市民交流プラザ 北棟6階マルチメディアスタジオ
 講 演:安倍政権の歴史認識を問う ―「慰安婦」問題とNHK―
       講師:池田恵理子さん(「女たちの戦争と平和資料館」館長、元NHKディレクター))
 参加費:500円(資料代) 
                                      (14.7.25)


        JCJ大賞は東京新聞に   

            むのたけじさんに 特別賞


 ◇ JCJ大賞  
   東京新聞編集局 「憲法、安保、原発―ずばり核心を突く1面の『論点明示報道』」

  東京新聞は、以前から特報部をはじめ「記者クラブ」に依存しない報道を心掛けてきた。特に昨年来、「本記で報 じて解説で論評する」という従来型報道から脱却。「新聞の顔」である1面で「解釈改憲、普天間・辺野古、原発」 などの重要な争点を正面に据えて、ずばり問題の核心は何か! 読者に「論点を明示する」新たな報道姿勢を打ち出 した。こうした紙面づくりは、ジャーナリズムとしての新聞の新たな可能性と方向性を示す画期的な試みで、高く評 価したい。

 ◇JCJ賞 
    TBSテレビ「報道特集」 特定秘密保護法・集団的自衛権などの一連の報道活動

                     TBSテレビ 毎週土曜日午後5時半~6時55分放送
  TBSテレビ「報道特集」はこの1年、安倍政権が強行した特定秘密保護法と集団的自衛権の解釈改憲について、 問題の核心に迫る取材・報道を展開した。他のテレビ局に先駆けて安倍政権の狙いと危険な実態を粘り強く取材し、 放送を続けている。その特徴は、徹底した現場主義を貫く報道姿勢にある。地に足をつけた取材は確固とした説得力 があり、「報道特集」の評価を高めている。
 

 ◇JCJ賞

   NNNドキュメント13「チェルノブイリから福島へ 未来への答案」
                     日本テレビ  2013年10月27日放送
   チェルノブイリの原発事故は、福島原発の廃炉を含めた処理方法など、我々が学ばなければならない重要な示唆 と多くの課題を提起している。3・11後初めてテレビカメラを入れた中央制御室や、4万5千人が強制退去となっ た「捨てられた町」プリピャチの姿は、福島の27年後と重なる。〝見えない放射能〟を可視化したこの番組は、原 子力関係者を含め各方面から大きな反響を呼んでおり、高く評価できる。
 

 ◇JCJ賞  
    「しんぶん赤旗日曜版」編集部

              「『ブラック企業』を社会問題化させた一連の追及キャンペーン報道」
  働く人々の人格の蹂躙、雇用制度改悪の尖兵ともいうべき「ブラック企業」当初は「しんぶん赤旗日曜版」の独自 報道だった。だが、次第に社会問題化するにつれ、一般紙も追随し、政治や行政を動かした。多くのスクープや連載 などの長期にわたるキャンペーンで「ユニクロ」「ワタミ」などと、具体的に企業名を挙げ、過酷な労働実態を追及 し続けた「しんぶん赤旗」の報道姿勢は特筆に値する。
 

 ◇JCJ賞  
   
相川祐里奈『避難弱者─あの日、福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか? 』

               東洋経済新報社 2013年8月30日刊行
  原発から爆発音が聞こえた――放射線が飛び交う中、自力での避難が不可能な老人や病人を、介護・医療施設から 避難させるため、施設長や職員たちが、自らの危険を顧みず、死にものぐるいで救助に当たった。その奮闘と実態を、元国会事故調の調査員で26歳という若い著者が、20施設の関係者47人に取材し、克明に描き出す感動のルポ。

 ◇JCJ特別賞  むのたけじ

  99歳の今、「老いたな、よしきた。さらに賢く、さらに美しくなるぞ」と著書に記す反骨のジャーナリスト。戦争 責任を受け止め、朝日新聞社を1945年8月15日に退社。秋田県横手市で30年間、週刊新聞「たいまつ」を発行し続 けた。その後、現在に至るまで戦争のない平和な社会の実現に向けて、あるべきジャーナリズムについて熱を込めて 語り続ける。全国のジャーナリストの姿勢を正させるその活動は特別賞にふさわしい。
                                      (14.7.22)

  

       広島県からも200人が参加

           さよなら島根原発!大集会


 全国の県庁所在都市で唯一、原発のある島根県松江市で7月20日、「ひろげよう!みどりのエネルギー~さよなら島根原発!大集会」があった。くにびきメッセに全国から約4100人(実行委員会発表)が集い、子どもたちに美しいふるさとを残すために力を合わせようと誓った。広島県からは約200人が参加した。
 ゲストとしてルポライターの鎌田慧さんと講談師の神田香織さんが駆けつけ、鎌田さんは「さよなら原発の署名が850万筆に達した。目標の1000万までもう一息」と報告。神田さんは「安倍首相は原発についても嘘ばかりついている」と糾弾。見てきたような嘘をつきと言われる講釈師もかなわない、「これではアベコベ」と皮肉った。最後に「はだしのゲン」に出てくる原爆投下でガラス片が全身に刺さり、青白く光っている女性たちの姿を抜き読みした。
 さらに上関原発の建設に反対して今年で33年目の祝島からリーダーの清水敏保さん、また愛媛からは伊方原発運転差止請求訴訟の原告団に加わっている堀内美鈴さんが登壇。連帯を深めた。集会後は二手に分かれてパレード。広島県の参加者は県庁までの途中、マンション2階のテラスに出ていた母子、また松江観光の目玉の一つになっている堀川めぐり遊覧船の乗客と手を振り合うなど意を強くした。



 
  (写真上)原発をなくそうと声を合わせる松江集会参加者
  (写真下)デモの先頭に立つ広島からの参加者
                                       (14.7.21)



     「1号機廃炉」あらためてめて指摘

            島根原発の現状と問題点


 「原発はごめんだヒロシマ市民の会」代表の木原省治さん(写真)は7月13日、1週間後に松江市内で開かれる「さよなら島根原発!大集会」に向けた同会学習会(広島市中央公民館)で島根原発の現状と問題点をあらためて指摘した。市民ら約20人が参加した。
 木原さんは島根原発の特徴として、①県庁所在地にある②県名がかぶせられた原発―をあげ、背景として「政治力原発」(ノンフィクション作家鎌田慧氏)と呼ばれる招致に至る経緯を紹介した。
 中国電力2代目社長桜内幹雄氏の実弟で衆院議長などを務めた義雄氏と首相経験者・竹下登氏による権力争いである。最終的に桜内氏の力で原発は建設されたが、その結果、県庁からわずか10㌔という全国に例を見ない立地になった、とした。
 そのうえで、周辺には数多くの活断層が存在し、そのうち原発の南2㌔に位置する宍道断層(約22㌔)をはじめとする四つについては原子力規制委員会が追加調査を命じているとした。
 また1970年着工、74年運転開始の1号機は、これまで各方面から欠陥原発と指摘されたGE社製の沸騰水型MARKⅠであり、既に40年を経過したことからも廃炉にすべきで、廃炉を明言しない中国電力の対応は疑問だと述べた。
 原発の「地元」はこれまで10㌔圏とする見方が強かったが、福島原発事故以来30㌔圏とする見方が広がっていることから、対象となる人口、自治体数の増加に対応した安全協定締結、避難計画策定、住民意識の徹底を図るべきだが、中電の消極姿勢などでいずれも進んでおらず問題だとした。そのうえで「避難計画が決まらない以上、再稼働はあり得ない」と強調した。        
                                     (14.7.19)


       大飯原発差し止め判決を学ぶ

       「人格権」を根拠にした判決-定者弁護士が解説

  5月21日、福井地裁が出した大飯原発3号機運転差し止め裁判の判決についての学習会が7月10日、広島市中区のまちづくり市民交流プラザで開かれ、50人が参加した。さよなら原発ヒロシマの会が主催した。弁護士の定者吉人さん(写真)が解説役を務め、7ページ余りにまとめられた判決文の抜粋を参加者が順次、朗読していった。
 定者弁護士は判決の特徴について、福島第一原発事故後初めての判決であること、2012年12月の提訴から1年3か月で弁論を終わり、証人調べなしで出されたとし、憲法の精神を手掛かりにした「人格権」を根拠に、運転差し止めを認めたと高く評価した。
 判決が「原子力発電所に求められるべき安全性、信頼性は極めて高度なものでなければならず、万一の場合にも放射性物質の危険から国民を守るべく万全の措置が取られなければならない」とし、大飯原発の耐震性の観点から、万一の具体的危険性が認められるとしていることについて定者さんは、「日本では原発を作ってはいけない」とも取れるものだとし、判決から裁判官の怒りさえ感じると話した。参加者からは、10月28日には伊方原発訴訟の次回裁判がある。広島でも運動を盛り上げようという呼びかけがあった。
                                       (14.7.14)


        「核時代の今」を特集

         「広島ジャーナリスト」第17号を発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は6月25日、「広島ジャーナリスト」第17号を発行した。「『被爆70年』へ 核時代の今」を特集タイトルとし、来年夏の「被爆70年」をにらんで核兵器廃絶運動の現状を多角的にとらえ直した。特に、核兵器禁止条約実現へ向かう世界的な潮流を追った川崎哲、田中利幸両氏の分析は力作。これに森瀧春子、朝長万左男両氏へのインタビューが加わって横糸を形成、被爆者の生涯を追う中で核兵器の非人道性をあぶりだした元広島大原医研所長の鎌田七男氏の講演記録が核問題の縦糸をなす構成となった。
 特集はさらに、元広島市長・平岡敬氏へのインタビューを通じて安倍晋三政権による「戦争する国づくり」批判へと展開。東京新聞記者・半田滋氏による集団的自衛権の議論への批判、広島修道大教授・植田博氏の特定秘密保護法批判、ジャーナリスト青木理氏が講演で明らかにした秘密法による公安警察肥大化の懸念などを網羅した。
 「慰安婦」問題を取り上げた広島大での講義に対する産経新聞の攻撃的記事は学問の自由をないがしろにするとの認識から、関係団体の抗議声明と合わせ記事化した。
 このほか沖縄問題、原発問題も取り上げた。
 定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。
                                        (14.6.29)



    秘密のリーク 受け止められるメディアに

        マスコミ九条の会のつどい 山田健太教授      

  広島マスコミ九条の会は6月21日、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザで「九周年のつどい」を開いた。初めての試みとして女性4人がフルート演奏し、若松丈太郎さんの詩「神隠しされた街~人のあかし」などを女性2人が朗読。約50人が聴き入った。その後、専修大学人文・ジャーナリズム学科教授の山田健太さん(写真)が「岐路に立つ言論の自由~いま私たちに求められる覚悟~」と題して講演した。
 山田さんは、安倍政権が強行した特定秘密保護法成立について「急に出てきたものではない」と述べた。自民党は1960年代から実現させようと10年ごとに狙ってきた。憲法が禁じている集団的自衛権行使の解釈変更、改憲の動きも同様だ。「特にこの15年間はいやな感じで、それが今ピークに達している」
 そもそも政府に公的情報は国民のものという発想がなく、説明責任をとろうとしない中で市民、メディアはいかに対抗していけばいいのか。山田さんは「監視カメラの設置など多少の自由、権利侵害はやむをえないとする空気が市民の側にある」と指摘。マスメディアは言論機関としての信頼感を失っている。山田さんは「秘密のリークをきちんと受け止めるジャーナリスト、メディアを育てつくっていくことが必要。守っているばかりでなく、攻めていこう」と呼びかけた。                                 (14.6.22)
 

   解釈変更による集団的自衛権行使は許さない

    集会とデモに550人 6月20日・広島

 

 「秘密法廃止!広島ネットワーク」と「広島県9条の会ネットワーク」は6月20日、憲法の解釈変更による集団的自衛権の行使容認に反対する集会を午後6時から、広島市中区の原爆ドーム前で開き、市民ら約550人が参加した。集会後のデモ行進では、「解釈改憲反対」とともに「秘密法の廃止」と「原発再稼働反対」もあわせて市民に訴え、市内中心部を約1時間かけて歩いた。
 集会では、新日本婦人の会県本部会長の澤田カヨ子さん、戦争をさせないヒロシマ1000人委員会の呼びかけ人である金子哲夫さん、広島弁護士会所属の若手弁護士・儀保唯(ぎぼ・ゆい)さん、中国新聞労組書記長の岡本圭紀さん、非核の政府を求める広島の会の舟橋喜恵さんの5人がリレートークをした。5人はそれぞれの立場から、戦争する国づくりにつながる集団的自衛権の行使容認反対、閣議決定反対、秘密法の廃止などを訴えた。
 デモ行進では、横断幕やプラカードを持ち、「戦争反対」「暴走止めろ」「安倍内閣を倒そう」[公明はブレーキ役果たせ」などと声をあげながら、相生通りから金座街、本通りアーケードを抜けて再び原爆ドームに戻るコースを歩いた。デモコースの途中で、勤めを終えた人たちが行進に加わる姿も見られた。原爆ドーム前の終結集会では、参加者から8万円を超えるカンパが寄せられた。                     
 (撮影・ギルド長谷川潤)                        (14.6.23)


      秘密保護法を作ったのは誰か?

         ジャーナリスト青木理氏が講演


 「特定秘密保護法をつくったのは誰か?!」。広島県保険医協会が5月25日、広島市中区のホテルで開いた定期総会でジャーナリストの青木理氏が約160人を前に記念公開講演。警備・公安警察が個人情報の収集を積み重ねて「弱みを握って政治家らへの影響力を強めることも考えられる。こんな法律を許してはいけない。ずっと書いて訴えていく」と、悪法撤廃への決意を語った。
 青木氏は共同通信記者時代に公安警察を取材。今回の法案作成を主導したのは警察官僚が主力の内閣情報調査室で
「狙いは警察の権益拡大にある」と指摘した。法の対象となる外交、防衛、特定有害活動(スパイ)、テロのうち後の2つ、全体の半分が警察の担当だ。
 「秘密事項」にかかわる人物の心身、金銭、家族などについて「適性評価」するには、個人情報の詳細な収集が必要になってくる。青木氏は「それをひそかに広範囲にできるのが警察。警察が政治を動かせるようになりかねない。公安警察が暴走しないように監視することが必要だ」と述べた。         
                                          (14.5.28)


      画家 四国五郎さんを偲ぶ会開く

 3月30日、89歳で死去した画家四国五郎さんを偲ぶ会が5月11日、広島市中区の劇団月曜会「アッカ―」で開かれた。四国さんが長年、代表委員や顧問を務めた広島県文化団体連絡会議(文団連)が主催したもので、JCJ支部など文団連に所属する団体のメンバーや四国さんの勤務先であった広島市役所の職場の人など47人が参加した。「偲ぶ会」では、四国さんの作品が表紙を飾った単行本や機関誌、ポスターなどが展示され、1997年、広島県文化賞受賞した際の四国さんの記念講演会のビデオが上映された。(写真左 ありし日の四国五郎さん)
  文団連代表委員の丸屋博さんは、原爆投下後の広島で峠三吉らとともに詩誌の編集や批評に加わっていた寡黙な四国さんの思い出を語り、「峠三吉の詩業は四国さんの絵とともにあったと言えるのではないか」と、その画業をたたえた。このほか、参加者から生前の四国さんの人柄と仕事、平和を求めるヒロシマに残した功績の大きさがこもごも語られた。(写真、ありし日の四国五郎さん)














(写真 映像を見ながら四国さんを偲ぶ)                  (14.5.12)


    憲法改悪阻止へ 慌てず、焦らず、諦めず

          憲法集会で伊藤真弁護士が講演


  2014年憲法集会が5月3日、広島県民文化センターで開かれ、約700人が参加した。今年は、講演とミュージカルの二本立てとなって21年目を迎える。 
 第1部では、日弁連憲法問題対策本部副本部長の伊藤真さんが、「学ぼう、活かそう、憲法のちから」と題して記念講演した。伊藤さんは、明治憲法から日本国憲法へ、どのような価値転換が行われたのかに遡り、両憲法の対比を通じて、自民党改憲草案の目的が軍事的経済的に「強い国」づくり=戦前回帰と富国強兵にあることを指摘した。
 日本国憲法が、すべての人々が個人として尊重されるために国家権力を制限し、人権の保障をはかるという立憲主義の理念を基盤とし、国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義を基本原理としていることを理論的に解明した。そして、憲法を学び使いこなし、イマジネーションを働かせて安倍政権の集団的自衛権行使容認・憲法解釈の変更と憲法改悪を阻止しようと訴えた。伊藤さんは、「憲法の理想に現実を近づけることこそが大事。慌てず、焦らず、諦めず、一歩一歩が大切」と参加者に呼びかけて講演を締め括った。
 第2部・ミュージカルでは、「改憲」「ブラック企業」「秘密保護法」がテーマに。弾ける表情で歌い踊る出演者の演技は年々磨きがかかり、随所で笑いと拍手が起こった。脚本を担当した廣島敦隆弁護士は「演技の中にどう笑いを入れるか工夫した。たくさん笑ってもらってありがたかった」と語った。
【写真】子どもたちも歌い、踊ったミュージカル
                      
        (14.5.7) 


     底流に日米の軍事的パートナー機能

      修道大植田博教授講演「秘密法に反対するわけ」


  日本ジャーナリスト会議広島支部は4月27日、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザで支部総会・講演会を開いた。市民も加わった約40人を前に広島修道大の植田博教授(写真)が「刑事法学者が秘密法に反対するわけ」と題し、民主主義社会を根底から覆す秘密法を廃止に追い込まねばと呼びかけた。植田教授は昨年10月発表された「特定秘密保護法案の制定に反対する刑事法研究者の声明」呼びかけ人・賛同者123人の1人である。
 植田教授は「秘密法違反で裁判になるようなことは、あまりないのではないか。政府が『秘密』を完全に囲い、外部から取得することはほとんどありえなくなる」と同法の真の怖さを指摘。調査報道も成り立たたないと述べた。単に戦前の復活だけでなく、底流に日米の軍事的パートナー機能が加わっており「戦前の治安立法と日米安保の軍事立法が重なっている」。
 裁判になったとしても、秘密の中身を説明しないまま起訴されると弁護人は法廷で争えない。秘密の内容でなく、形式的要件を満たしているだけの外形的立証で有罪になれば「憲法による人権さえぶっ飛ぶ」と植田教授は強い懸念を示した。
                                      (14.4.28)


    集団的自衛権 安倍政権の危険なトリック

           半田滋・東京新聞記者が講演

 東京新聞編集委員兼論説委員で防衛問題に詳しい半田滋記者(写真)が4月19日、廿日市市商工保健会館交流プラザで「安倍政権の『危険』な話~日本をどこに運ぶのか」と題して講演した。九条の会・はつかいちが主催、市民ら約80人が聴いた。
 半田氏はまず安倍晋三政権の歴史認識が東アジア諸国に警戒感を抱かせ、日本を取り巻く安全保障環境の悪化を生んでいるとの認識を示した。そのうえで、米国のオバマ政権は「(歴史認識で)これ以上突っ走れば見放す、という強烈なメッセージを発している」と話し、実例として2月7日に高知で予定された日米共同防災訓練でオスプレイが直前に参加を中止したことなどをあげた。
 ただ、安倍政権が実現を企図する集団的自衛権の行使容認については、リチャード・アーミテージ元国務副長官やジョセフ・ナイ元国務次官補らのレポートでも「集団的自衛権の行使禁止は日米同盟の阻害要因になっている」と指摘していることなどをあげ、米側は反対していない、とした。
 こうした情勢認識に立って半田氏は、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇、座長・柳井俊二元駐米大使)や自民党内での防衛問題をめぐる議論に触れ、その「トリック性」を批判した。安倍首相が安保法制懇で検討を指示した自衛権行使の4類型についても、例えば隣接する米艦に対してミサイルが発射された場合、現代戦では艦と艦は少なくとも15㌔は離れていること、ミサイルは約300㌔先から発射されることなどをあげ、実際の戦闘行為では隣艦に向けて発射されたミサイルを撃墜することは技術的に不可能と結論付けた。自民党内で浮上している「限定的容認論」に対しては、友人が殴られているから『限定的に』そのお返しをしたとして、相手は『限定的だからもう攻撃するのはやめよう』というだろうか」と述べ、非現実的な議論だとした。
 半田氏はピースリンク広島・呉・岩国主催で20日にも、呉市のビューポートくれ大会議室で「『国防軍』と化す自衛隊 その実態は」と題して講演した。
                                       (14.4.23)


  米軍基地、沖縄には不要 返還後の経済効果は明白

          沖縄国際大・前泊教授、岩国で講演


 「日米地位協定入門」や「沖縄と米軍基地」の著書がある前泊博盛・沖縄国際大教授(元琉球新報論説委員長)が3月23日、岩国市民会館で「知ってはいけない!本当の基地問題~憲法と日米地位協定、どっちが大事?」と題して講演した。住民投票の成果を活かす岩国市民の会(大川清代表)が主催、市民ら約100人が聴き入った。
  前泊氏は、沖縄に基地を置くのは軍事的理由からではなく政治的理由からだとした民主党政権での森本敏防衛相の会見発言を引用、本土に基地の引き受け手がないことが、沖縄に基地を置く本当の理由だとした。さらに、「思いやり予算」によって駐留経費のほとんどを日本が負担しているため、財政事情が厳しい米軍としては、基地を米国本土に置くより沖縄に置いておく方が「安上がり」とする米議会の議論を紹介、それにもかかわらず安全保障上米軍基地が沖縄になければならないとする日本側の防衛意識を批判した。
 さらに、基地がないと地域経済が破壊されるとの見方に対しては、沖縄で基地返還がなされた地域は、いずれも飛躍的に経済効果や雇用効果が上がったと実際のデータを見せながら説明した。
 前泊氏は「岩国基地は普天間の代替機能を十分果たせるまでに整備された。ジャパンハンドラーの間でも、辺野古移設は無理とする声が増えているのはそのためだ。その上で、辺野古移設は実際には不要になったが、おまけで造れるならと米国は冷ややかに見ている」と「普天間移設」の現状を解説した。(写真は前泊教授)
                                        (14.4.1)


       益川さん、広島で平和を語る

          グループで学び合い、切磋琢磨を

  ノーベル物理学賞の益川敏英さん(写真左)が3月29日、広島市の原爆資料館東館で後輩物理学者の松田正久愛知教育大学長(写真右)と対談した。独得の戦争観などを披露。「憲法前文を読むと感動する。是非、読んでください。グループで学び合い、われわれの財産であるこの平和憲法を守り抜こう」と訴えた。「第九条の会ヒロシマ」の主催で約300人が聞き入った。
 益川さんは名古屋で幼少時、米軍機投下の焼夷弾がたまたま不発だったことで助かった。中学生の時初めて恐怖を覚え、戦争について考えるようになった。「戦争は嫌いである。なぜなら、権力によってわれわれ国民が銃眼で相手の表情を直視して撃たざるを得ない極限状態に追い込まれるから」
 安倍政権は「平和憲法は自主憲法でなく既に空洞化している」と戦争のできる国へ改憲攻撃を仕掛け、特定秘密保護法では国民を威嚇している。これに対して益川さんは「いいものなら、それでいいではないか。憲法は日本が二度と戦争ができないように交戦権を認めていない。安倍首相は歴代で一番横暴。首相は公僕であるのに」と語気を強めた。益川さんは学生時代などを振り返り「グループで切磋琢磨することが大きな力になる。若い研究者を呼んで勉強するなど連携して一歩踏み出そう」と呼びかけた。                    (14.3.30) 



  安倍軍国化路線批判と福島原発事故3年の2大特集

         「広島ジャーナリスト」16号を発行

  日本ジャーナリスト会議広島支部は3月15日、「広島ジャーナリスト」第16号を発行した。「きな臭さ増す安倍軍国化路線」と「福島原発事故から3年」を2大特集とした。
 安倍軍国化路線批判では、憲法学者の青井未帆・学習院大教授が「『立憲主義国』から脱落の瀬戸際」を寄せ、政権の憲法軽視を鋭く批判した。また、なりふり構わぬ札束攻勢をはねのけ勝利した名護市長選を松元剛・琉球新報記者が「沖縄の気概見せた」と総括。平和市民運動にかかわる湯浅一郎さんがかつて拠点とした呉から見る防衛の変質ぶりを語り、安倍政権が語る「積極的平和主義」の欺瞞性を浮き彫りにした。醍醐聰・東京大名誉教授はNHKの「安倍チャンネル化」を許すべきでない、と強く主張した。占領下日本での言論統制に込められた米国の思惑を浮き彫りにした著書「検閲」を持つスウェーデン人ジャーナリスト、モニカ・ブラウさんには、特定秘密保護法の危険性について論評してもらった。
 福島原発3年では、詩人の若松丈太郎さんが「奪われ、失われたものを返せ」と題して、住民の怒りと悲しみを表現した。「原発10㌔圏からの報告」では、ある一家の困難な避難状況を通して、原発事故の理不尽さを訴えた。「平凡な日常復活へ時間との戦い」は、宮城県山元町からの復興への戦いの報告である。
 このほか、保母武彦・島根大教授による脱原発と地域再生を結ぶ闘いの報告、マンガなどのポピュラー文化における被爆者像の変遷を追った山本昭宏・神戸市外大講師の評論、原爆症認定の新基準が、なお行政と司法の乖離を解消するものとなっていないことを指摘した田村和之・広島大名誉教授の分析、原爆資料館の展示更新にあたっての金栄鎬・広島市立大教授による加害の歴史縮小批判なども見逃せない。
 定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。
 定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。
                                         (14.3.21)


     上関原発建設No! 山口で7千人集会



 「上関原発を建てさせない」。安倍晋三首相の足下、山口市の維新百年記念公園で3月8日、県民大集会が開かれた。30年を超える祝島の闘いに終止符を打たねばと約7000人(実行委員会発表)が「エイ、エイ、オー」とこぶしを突き上げ、「NОN」のビラをかざした。
 メーンスピーチでは、まずノンフィクション作家の鎌田慧さんが「電力会社は金にものをいわせてきた悪徳企業。原発のない社会をつくろう」と呼びかけた。地元ゆかりの詩人、中原中也賞を受賞しているアーサー・ビナードさんは「天下分け目の上関ヶ原」と巧みな日本語で会場を湧かせてみんなを力づけた後「上関原発計画は海殺しだ」と語気を強めた。
 祝島島民の会の山戸孝さんは「今はヒジキ採りシーズンだが、われわれは作業を休んできた。早くヒジキを心置きなく採れるようになりたい」と思いを語った。各地で反対運動に取り組んでいる人たちや原発事故避難者たちが壇上に立ち「福島を忘れない…さようなら上関原発」と誓った。
                                          (14.3.10)


    「脱原発の仕組み」つくる条例制定運動

         島根大 保母名誉教授が広島で講演

 
 島根大名誉教授の保母武彦さん(写真)が2月15日、さよなら原発ヒロシマの会の総会で、「『脱原発の仕組み』をつくる地方自治~島根県の条例制定の取り組みを通して」と題して講演した。保母さんは昨年2月、ネットワーク組織「島根原発・エネルギー問題県民連絡会」(代表世話人、北川泉・元島根大学長)の立ち上げにかかわり、事務局長として原発から自然エネルギーへの転換を目指した「島根県エネルギー自立地域推進基本条例」(みどりのエネルギー条例)制定のための直接請求運動を進めた。8千人近い県民が動き、昨年10月から2カ月間で8万人を超す有効署名を集め、連絡会は2月7日、溝口善兵衛知事に署名を提出。知事は条例案を県議会に提案し、行方が注目されている。運動の実践に根差した保母さんの講演に約70人が耳を傾けた。保母さんは10数年前、宍道湖・中海の国営干拓・淡水化事業を中止させた住民運動のリーダーとして知られ、自治体が抱える環境問題などで社会的に発言している。
                                          (14.2.26)

 

      秘密法廃止へ 市民300人 集う

         各界代表 「メディアの役割」を強調


 「秘密法廃止を求める市民のつどい」が2月23日、広島市中区のアステールプラザで開かれた。秘密法廃止!広島ネットワークの主催で、約300人が参加。「秘密法は改憲の第一歩」と題して基調講演した井上正信弁護士は「安倍政権は改憲に向けたロードマップを歩んでいる。それは戦争ができる国造りへの道であり、秘密法制定はその一里塚。秘密法廃止と改憲反対の運動を結び付け安倍内閣を退陣に追い込まねばならない」と訴えた。
 続いて、元中国新聞社社長の今中亘さん、広島県保険医協会副理事長の上田喜清さん、広島弁護士会会長の小野裕伸さん、児童文学者の三浦精子さんの4人が「秘密法と私たち」のテーマでシンポジウム。こぞって、国民の知る権利や言論、取材・報道の自由が脅かされ、プライバシーなど基本的人権が侵害される危険性に言及、戦前のような暗黒社会への逆戻りを許すさないためにメディアがしっかり役割を果たすよう求める意見が相次いだ。
 (写真はシンポジウムのもよう)
                                         (14.2.26)



       「積極的平和主義」とは何か

            湯浅一郎さん 呉で講演

 2009年まで呉に在住、公害反対運動や海洋汚染問題と取り組む一方で、「ピースリンク広島・呉・岩国」などを通じて平和市民運動にも精力的にかかわった湯浅一郎さん(NPO法人ピースデポ代表、写真)が1月31日、「積極的平和主義とは何か」と題して呉市内のホテルで講演、海上自衛隊が呉基地を拠点として海外派遣の既成事実を積み重ねて来た歴史を振り返るとともに、専守防衛の自衛隊を国防軍化させようとする安倍政権の軍国化路線を強く批判した。「ピースリンク広島・呉・岩国」が主催、市民ら約50人が聴き入った。
  背景に巨額の財政赤字を抱える米国の事情があると指摘する一方で、外交努力による安全保障の体制づくりが必要と訴えた。そのうえで、冷戦後に欧州安全保障協力機構をつくり上げたヨーロッパを見習い、北東アジアにも軍事力によらない安全保障の枠組みを考えるべきだとした。
 呉基地の歴史と現状を語る中で、3隻体制になった「おおすみ」型輸送艦に注目、戦車揚陸艦としての能力とヘリポートを持つ同艦は今後、改修によってオスプレイ離発着が可能になれば強襲上陸作戦がより容易になると説明。15年に就役予定のヘリ搭載型護衛艦「いずも」が呉配備になれば呉基地の総合性も一段と強まることになるため、動きを注視しなければならないとした。
                                            (14.2.19)



          避難する権利 

        原発事故、子ども・被災者支援法完全実施を


 広島弁護士会は1月25日、広島市中区で福島第一原発事故から子どもを連れて広島市と岡山市に避難してきた40代前半の女性2人を招いて「原発事故子ども・被災者支援法」の完全実施を求めるシンポジウムを開いた。将来見通しが立たず、不安な日々を送っている避難生活の実情報告の後、支援活動をしている石森雄一郎、福田健治の両弁護士が法の解説や、問題点を指摘。約70人が聞き入り「避難する権利」への理解を深めた。
 「支援法」の理念自体は評価されているが施策を具体化、方向付ける基本方針は閣議決定がずるずると遅れた上、支援策の大幅縮小が懸念される内容になっている。福島第一原発事故の被害者には「被曝を避ける権利」と「避難する権利」がある。両弁護士によると憲法25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」に基づいており、国民の命と健康、人間の尊厳をなんとしても守るのが「国家の義務」である。「避難支援を要求するのは当然の権利だ」。

                            (14.1.30)



       秘密法廃止! 400人のデモ

        広島もたたかいを継続へ


 通常国会が召集された1月24日、秘密法の廃止を求めて、東京での国会包囲行動などさまざまな催しが全国各地で繰り広げられました。
  広島では、「秘密法廃止!広島ネットワーク」の呼びかけで、市民集会とデモがあり、400人の市民が参加しました。
    午後6時前から、市内中心部にある原爆ドーム前には、「うたごえ9条の会」の人たちの歌声が響く中、続々と市民が集まり始めました。 6時からの集会では、脱原発の活動を続ける市民団体の代表、貧困問題に取り組む弁護士、秘密法を自らの生き方と重ねて考え行動する若者からの発言が続きました。
   6時30分、参加者は隊列を組んで原爆ドーム前を出発。約1時間にわたって市内の繁華街を歩き、再び原爆ドーム前に戻るコースをデモ行進しました。
  「秘密法やめろ」「危険です 戦争の始まり 秘密法」「自民党は 自由と民主主義を守れ」とコールしながら歩くデモ隊を、沿道のバス停や街角にたたずむ市民たちが注目します。中には、手を振って、エールを交換する人もいます。スマホや携帯電話をを使って、沿道からデモの風景を写真に撮る人たちも少なくありません。本通りでは、数百メートルはあるアーケードの端から端まで、デモの隊列が埋め尽くしました。なかなか壮観でした。
 
  秘密法廃止! 広島ネットワークは、秘密法の廃止を求め、全県で30万人を目標にした請願署名に取り組んでいます。デモの後のまとめ集会では、1カ月後の2月23日午後にアステールプラザで開く「秘密法廃止を求める市民のつどい」への参加も呼びかけられました。
   このつどいでは、弁護士会、マスコミ、医師会、文化人の代表など各界のみなさんが秘密法廃止をそれぞれの立場から訴える予定です。(写真は、原爆ドーム前の集会) 

                                  (14.1.30)      


     安倍政権の軍国主義化を批判
        「広島ジャーナリスト」第15号を発行

  日本ジャーナリスト会議広島支部は12月20日、「広島ジャーナリスト」第15号を発行した。
 国家安全基本法案を軸に日本の軍国化を進める安倍政治への批判をメーンテーマにした。柱は三つあり①沖縄の要塞化=米軍基地県内移転の固定化②住民不安を無視する基地問題③国家安全保障基本法案を基軸にした国防軍創設のもくろみと特定秘密保護法制定。今、政権によってこの全分野に憲法改正=集団的自衛権容認の網がかぶせられつつある。
 こうした情勢の中で、政権による沖縄選出自民5議員への露骨な恫喝への怒りをトップに据えた。松元剛・琉球新報記者が熱く筆をふるった。安全保障問題は、東京新聞の半田滋記者や元外務省局長の孫崎享氏らを招いて10月初め広島市内で開いた日弁連シンポが総論として優れており,詳報を掲載した。
 特定秘密保護法については、専修大の山田健太教授に現状分析をお願いした。在京メディアの微妙な足並みの違いが鋭くとらえられ、興味深かった。元共同通信ワシントン支局長の大島寛・修道大教授からも、米国防総省秘密文書事件を手掛かりに、あらためてジャーナリズムとは何かを考える論考をいただき、掲載した。
 このほか、伊方再稼働反対を掲げて12月1日にあった松山8千人集会など、原発問題も広く取り上げた。
 通常は3の倍数の月の15日に発行するが、秘密保護法の行方が注目されたため、国会会期末をにらみ、20日発行となった。
 定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。
                                (13.12.23)
 


        原爆ドーム前に怒りの人波
         
秘密法反対デモに1000人  
 
 秘密保護法案反対の運動は、広島でも大きく盛り上がった。参院本会議で採決強行の可能性が伝えられた12月6日夕、千人が広島市の原爆ドーム前で開かれた緊急市民集会に参加、市内をデモした。集会を広島弁護士会が主催、デモを市民団体「STOP!国家秘密法 広島ネットワーク」が主催する連携プレーで「安倍政権の暴走を止めよう」と声を上げた。
集会が始まる午後6時ごろには平和記念公園の一角にある原爆ドーム前広場は人波で埋まった。30分後に出発したデモ行進には遅れて駆けつけた勤め帰りの人たちも沿道から隊列に加わった。法案はこの日の深夜、自民・公明両党の強行採決で成立したが、この間、急速に広がった運動の成果を踏まえ、ネットワークのメンバーは悪法撤廃へ目標を切り替え、さらに輪を広げようと準備を進めている。
 広島市に続いて7日、福山市で退職教職員9条の会など15団体でつくる「ストップ!秘密保護法福山緊急行動」主催の集会とデモがあり250人が参加。8日には県北の三次市で30人が強行採決抗議のデモをした。
  広島で秘密保護法廃案を求める運動の中心になったネットワークは、臨時国会が召集された10月15日に100人の参加で結成集会を開いた。JCJ広島支部の呼びかけで、秘密保護法案反対の学習会などを続けてきた弁護士会、基地反対や脱原発の運動を続ける市民団体、中国新聞労働組合などの有志が中心になり、10月に入ってから2週間足らずの準備で結成にこぎつけた。
 11月2日には、広島県九条の会ネットワークと提携して秘密保護法反対のデモを企画し、200人が参加した。全国各地一斉反対行動に合わせた同26日のデモ行進には、350人が集まった。そして、12月6日の1千人である。結成集会から2カ月足らずの間に、運動の輪は、当初の100人の10倍に膨らんだ。
 活動はまず、在広のマスコミ労組や公務員関係の労働組合への呼びかけなどから始まり、弁護士会主催の学習会や緊急市民集会に参加して活動への参加を呼びかけたりもした。衆院特別委で強行採決があった11月26日以降は、繁華街での街頭宣伝を連日行った。抗議のファクスを政府や与党、地元選出の国会議員に集中させようと呼びかけ、毎日、30人を超える市民が宣伝活動に加わった。(難波健治=広島支部)                        【写真】
特定秘密保護法に抗議し、広島市内の繁華街でで約千人がデモをした(12月6日、撮影・長谷川潤)
                                    (13.12.19)



          伊方再稼働させない
          
松山で8千人集会・デモ 
「福島を忘れない。伊方原発を再稼働させない」。東京の反原発行動に匹敵する大集会が12月1日、松山市の城山公園であった。伊方原発をとめる会主催で、スイスからの参加を含め、北海道から沖縄まで全国各地から約8千人が参集
(主催者発表)。広島からはJCJ広島支部の4人を含む約200人が加わった。
  四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)3号機は現在、再稼働申請している各地の原発の中で原子力規制委の安全審査が最も進んでいるといわれ、中村時広愛媛県知事が再稼働に前向きであることから再稼働をめぐる攻防の焦点となっている。
 集会は二部構成で、午前の部は地元や東京などの若手ミュージシャンらが仮設ステージで熱唱。「いろんな考え方があるかもしれないが、原発をなくす一点で力を合わせようよ」と力説した。各地からバスなどで駆けつけた人々を前に午後の部では、ジャーナリストの鎌田慧さんが登壇。「伊方の闘いは地元の60、70代の人たちが支えてきた。海の若者たちの頑張りもある」とこれまでの取材を振り返り、金の力で住民を押さえつけて自殺者まで出した「原発推進」の非人間性を指弾した。
 元宇宙飛行士の秋山豊寛さんは、福島からの避難者で現在は京都府で暮らしていると自己紹介。自ら営んできた有機農業が台無しにされたと語りつつ、福島の農家の悔しさと怒りをぶちまけた。「国などは被曝データをとるばかりで、住民はモルモット状態になっている」と福島への思いの持続を訴えた。
 伊方原発の地元で40年活動してきた「八幡浜・原発から子どもを守る女の会」の斉間淳子さんは「こんなに大勢の人の声援を受けるのは初めて」と感謝した。「道半ばで亡くなったおじいさん、おばあさんたちを思い出した」としんみり。「伊方裁判などを通じて私たちが主張してきた危険性が、福島の事故ですべて明らかになった。原発に安全なものはない。伊方で事故が起これば、住民の逃げ場はないのです」と語気を強めた。
 参加者は「閉鎖水域の瀬戸内海は死の海になってしまう。原発は稼働させず廃炉に。放射性廃棄物を子孫に押しつけてはならない。原発は人類と相いれない。伊方をはじめすべての原発の再稼働を許さず、廃炉に向けて手を取り合って
行動していく」と決議。雨の中、城山公園から中心街へデモ行進した。(中村敏)
 【写真】
松山であった反原発集会の後、会場の城山公園から二手に分かれてデモ。2番目の横断幕は広島からの参加
                                      (13.12.19) 

       
    秘密法先取りを見る 
              “原発銀座”でJCJ全国交流集会

 今年のJCJ全国交流集会は10月25日から27日にかけて“原発銀座”の福井県嶺南地方で開かれ、原発を見学、地元住民から本音の話を聞いた。報道機関への就職内定や志望の学生も交え34人が参加、原発サイトでは秘密保護法先取りの実態を見た。
 嶺南地方には商業炉13基と高速増殖炉・原型炉「もんじゅ」、新型転換炉「ふげん」(廃炉中)の国内最多の15基が集中。9月15日に関西電力の大飯原発4号機が定期点検で停止し、現在全機が停止している。
 参加者は25日に日本原子力発電の敦賀原発と関電の美浜原発、翌日に関電・大飯原発を見学。といっても敦賀原発では破砕帯調査現場や3、4号機増設予定地を見ただけ。そのうえ原子炉建屋などの建屋やトンネル出入り口の撮影を禁じられた。関電はさらに厳しく、美浜原発では見学者用展示施設にを見ただけでサイト内に入れなかった。大飯原発では専用バスでサイト内を巡るだけでバス内にカメラの持ち込みを禁止された。9・11以降テロ対策で建屋内の見学はさせず、撮影も禁止しているという。
 敦賀原発では増設予定の3、4号機への陸路はトンネル1本しかなく、過酷事故に対応できるのか疑問に思った。大飯では事故対策本部となる緊急時対策所の暫定建物も新設免震事務棟予定地のいずれも原子炉に近いうえ、背後は海のどん詰まりの位置にあり、事故時に機能するとは思えなかった。
 テロ対策を理由に原発がブラックボックス化していることを実感した。
 2日目昼に、大飯町議会の新谷欣也前議長から昨年5月に大飯原発3、4号機の再稼働に町議会が同意した経緯を聞いた。新谷さんは「嶺南地方は原発で国策に協力しても高速道路建設は嶺北地方より40年遅れた。田舎はリスクを負わなければ人並みのことができない。再稼働の判断に当たっては、心配なので独自に工事写真を入手するなど厳しく調べた」と語った。  また同日夜、美浜町で40年以上、原発に反対してきた元町議の山下照幸さんから現状を聞いた。山下さんは、「福島事故以降、美浜町民の原発に対する見方が変わり、本音は脱原発になっている。今、美浜原発の廃炉の現実化に向けて脱原発政策を提案、町に働きかけている。廃炉は、2次系の解体作業や使用済み燃料保管庫の建設などの雇用を生み出すので悪い話ではない。使用済み燃料については美浜町で乾式保管による一時貯蔵を提案している」と美浜町の脱原発の展望を語った。(沢田 正)
 【写真】
美浜町の脱原発の展望を語る松下照幸さん
                 (13.12.19)

         

     秘密法ストップ!の声 広島の町に響く

           350人がデモに参加


 11月21日、「STOP!国家秘密法 広島ネットワーク」主催の市民デモが広島市内で繰り広げられた。
 この日は東京、名古屋をはじめ、全国各地で集会・デモが行われ、稀代の悪法「特定秘密保護法案」を廃案にしようと声をあげた。広島のデモには主催者の予想を超える350人が参加し、道行く人に訴えた。この模様は広島ホームテレビ(テレビ朝日系)の「報道ステーション」でも放送された。

原爆ドーム前で開かれた集会であいさつする山田延廣弁護士











相生通りを東進するデモ











                                       (13.11.22)


      改憲先取りの秘密保護法案は異物
               「憲法のつどい」で青井未帆教授

11月2日、広島県9条の会ネットワーク主催による「憲法のつどい ひろしま2013」が開かれ、学習院大学の青井未帆教授(写真)が「憲法は何のためにあるのか」の演題で講演した。青井教授は父方の実家が広島で、父親は救援のため被爆後の広島に入ったという。
 青井教授はまず、安倍首相がしばしば使う「積極的平和主義」について述べた。首相のアメリカでのスピーチによれば、アメリカが世界や地域の平和をつくるのであり、その平和に対して、日本は積極的に貢献していくとするもので、これまでの「平和主義」とは全く違うと指摘した。また、「憲法とは何か」については、本来国家を縛り、個人の自由を守るものであるが、国家を擬人化し、「アメリカが怒る」とか「日本が困る」とか人間社会の個人的な関係になぞらえることがある。言葉の観念である「国家」と生身の個人を混同しないことが必要だと、注意を促した。
 さらに、「軍事」が何ものにも勝り、切り札として使われた戦前と比較し、戦後の日本では憲法9条があったために「軍事」がそのまま「公益」とされず、私たちの「自由を下支えした」(樋口陽一氏)とし、閣議決定された特定秘密保護法案は、9条がある国で「防衛」として指定される軍事機密が正当性を持つのかどうか、あまりにも異質な法案であり、現憲法のもとでは存立し得ないものだと、大きな疑問を投げかけた。
 青井教授は、特定秘密保護法をはじめ国家安全保障基本法などは、改憲を先取りするものであり、その前提となっているのは自民党改憲草案であると指摘し、政府によるこれらの法案制定の動きを強く批判した。
                                         (13.11.17) 


      安倍政権の「暴走改憲」を強く批判

         九条の会 小森事務局長 呉市で講演

 九条の会事務局長の小森陽一さん(写真)が10月13日、呉市警固屋公民館で「暴走改憲の危険な本質―未来の世代に憲法を手渡すために―」と題して講演、市民ら約170人を前に、解釈改憲で自衛隊を戦争する軍隊にしようとする安倍晋三政権の動きを強く批判した。
 小森氏はさらに、自民党憲法草案に触れ、第9章の緊急事態条項は首相に3権が集中する危険な体制であり、国民動員体制だとした。そのうえでこうした動きに対抗するため、草の根の力で世論を変えていかなければならないと強調した。呉九条の会連絡センター主催。                                                                               (13.10.25)



      「特定秘密保護法案」反対アピール
 
10月15日の「STOP!国家秘密法広島県ネットワーク」結成集会で採択されたアピール全文です。
 
 安倍政権は、本日開会した臨時国会で国民の知る権利を侵害する「特定秘密保護法案」の成立を狙っています。私たちは本日「STOP! 国家秘密法 広島ネットワーク」を結成し、人権と民主主義を破壊するこの悪法の成立阻止へ向けて、広島の市民や団体のみなさんと一緒になって全力を尽くします。

 この法案は、ひとことで言えば、「アメリカと一緒になり、世界のどこでも戦争ができる国・日本」を実現するためのものです。憲法9条が禁止している「集団的自衛権の行使」をするため、国家安全保障会議(日本版NSC)の設置と一体となって、事実上の憲法改悪を目指すものにほかなりません。国民の知る権利を実現しようとした報道機関や国民の情報取得行為を弾圧するものであり、それに協力した公務員や民間業者に厳罰を科すだけでなく、政府の施策に批判的な市民運動のみなさんも処罰の対象となりかねないものです。

 具体的には、政府や行政機関が自分たちに不都合な情報を国民の目から恣意的に隠す手段として使われます。この情報は「特定秘密」だと閣僚たちが指定すると、主権者である国民には何が指定されたのか分からぬまま、秘密の範囲が拡大していきます。また、最高で懲役10年、罰金1000万円という極めて厳しい罰則が設けられ、公務員の情報公開に対する姿勢が過度に委縮させられます。さらに、報道機関の正当な取材ですら、法律の運用次第では、共謀とか教唆だとして処罰対象になりかねません。例えば、原発の安全性に関する情報は、原発に対するテロ活動防止の観点から「特定秘密」に指定される可能性があり、その情報を社会に知らせようとする内部告発や取材活動が違法として処罰されかねないということです。

 どんな社会になるでしょうか。時代の空気が変わり、人権や民主主義が保障されない社会になるでしょう。そんな馬鹿な!と知らん顔をするのではなく、法案が通ってしまった状況を認識し、想像する力が私たちに求められています。なぜなら、この特定秘密保護法案は、戦前の軍機保護法と同じ性格を持っているからです。かつて私たちや両親・祖父母の世代は、この法律のもとで、戦争へと突き進み言葉に表せないほどの苦い体験をしました。先の戦争で、日本はアジアの人たちに、取り返しのつかない大きな苦痛と被害を与え、広島と長崎には原爆が投下されました。この歴史に学び、広島から声をあげなくてはなりません。

 政府は、国民からの批判の高まりを受け、ここにきて「知る権利」を明記するとか、「報道の自由」に配慮するなどと言及していますが、報道機関だけでなく、国民全体の表現の自由や知る権利が抑圧されるという本質には変わりがありません。

 政府と自民・公明両党は、週明けから詰めの協議に入り、10月22日には閣議決定を目指しています。事態は重大な局面を迎えています。主権者である国民の耳目をふさぎ、口を封じる法案には、私たちは断固反対です。政府に「特定秘密保護法案」の国会提案をあきらめさせ、法案を成立させないために、市民のみなさん、直ちに反対の声をあげ、行動しましょう。子や孫たちの世代に禍根を残さぬために奮闘しましょう。

       2013年10月15日     「STOP! 国家秘密法 広島ネットワーク」結成集会参加者一同

                                         (13.10.16)

 
     秘密法反対広島ネットワーク結成集会
 
 広島の市民、マスコミ関係者らが10月15日、特定秘密保護法案に反対する集会を広島平和記念資料館東館で開き「SТОP!国家秘密法 広島ネットワーク」を結成した。約100人が参加。地元選出の国会議員へ反対を求める嘆願書を送る活動を広げていくことを決め、共同代表に広島弁護士会の山田延廣弁護士ら4人を選んだ。
 集会では元記者で広島弁護士会秘密保全法制問題対策プロジェクトチーム幹事の尾山慎太郎氏(写真)が人権、知る権利、表現の自由を侵す危険な法案と指摘。政府、官僚が適用を意のままにして厳罰で国民を萎縮させる狙いもあると述べた。オスプレイ、原発問題に取り組む市民や地方公務員らが法案への懸念を表明した後、「この悪法の成立阻止へ向けて全力を尽くす」とする反対アピールを採択した。
山田弁護士以外の共同代表は次の通り。新田秀樹・オスプレイ配備と米軍機低空飛行を許さない市民ネット事務局長▽佐野隆幸・広島県マスコミ文化労組事務局長▽沢田正・日本ジャーナリスト会議広島支部事務局長。
                 (13.10.16)







     ストップ!「秘密保全法」で15日に集会

  国民に真実を隠し、戦争への道につながる「特定秘密保護法」が15日に始まる臨時国会に上程されようとしています。この法案を阻止するため、JCJ広島支部などのよびかけにより、広島で急遽、ネットワークを立ち上げることになりました。緊急のお願いですが、下記、結成集会にご参加いただきますようお願いいたします。

 ■集会名 STOP! 国家秘密法広島ネットワーク結成集会
 ■日時 10月15日(火)18:30~20:30
 ■会場 広島平和記念資料館(東館)地下会議室1
 ■講演 記者出身の弁護士が見る特定秘密保護法の問題点
     弁護士  尾山慎太郎さん  (1975年東京生まれ、産経新聞記者を経て、2009年弁護士登録、
                    広島弁護士会秘密保全法対策プロジェクト幹事)
 ■入場無料 (会場でカンパを訴え)
                                         (13.10.11)


      なぜ、今「国防軍」なのか 問う

           日弁連主催 広島で人権シンポ

  日本弁護士連合会(日弁連)の人権擁護シンポジウムが10月3日、広島国際会議場で開かれた。第2分科会「なぜ、今『国防軍』なのか」では、憲法と安全保障、人権保障について、5時間を超える議論が行われた。
 はじめに学習院大学法務研究科の青井未帆教授(写真)が「『国防軍』にすることの意味」と題して記念講演。安倍首相がしばしば口にする「積極的平和主義」は、アメリカが作る「平和」であり、イラクなどに見られるように、戦争によって政治体制を変えることを目ざすものではないかと注意を喚起した。また、自民党の改憲草案を下敷きにした動きがすでに始まっており、「国防軍」は、国民の人権を守る視点からも、現行から大きく変容しようとしていると指摘した。  
パネルディスカッションでは東京新聞半田滋記者、元外務省の孫崎享氏、早稲田大李鐘 元教授、同志社大の浜矩子教授が、憲法改正の動き、アベノミクス、、日米、日中関係などについて議論。「憲法は戦後日本の国際公約」(李)、「アベノミクスは富国強兵政策にほかならない」「『愛国』は博愛でなければならない」(浜)など、安倍内閣がすすめようとしている政治、経済政策に厳しい意見が相次いだ。
 第2分科会には、高校生を含め700人が参加。このほか「放射能による人権侵害の根絶をめざして」「不平等社会・日本の克服」の分科会にも全国の弁護士、市民多数が参加した。                            
 (写真左から孫崎、浜、半田、李の各氏)
                                         (13.10.5)


     「平和宣言に何を読み取るか」を特集

          「広島ジャーナリスト」第14号発行


 日本ジャーナリスト会議広島支部は9月15日、「広島ジャーナリスト」第14号を発行した。
 メーン特集は「平和宣言に何を読み取るか」。被爆地広島、長崎からのメッセージを通して今日の核情勢を探った。現役の新聞記者や平和運動家・川崎哲氏の分析のほか、OB・現役記者の座談会を掲載。平和宣言の形成過程の裏側などに迫った。広島県が展開している 「国際平和拠点ひろしま構想」も批判的に取り上げ、原爆投下正当化論を「神話」だとする映画監督オリバー・ストーン氏の広島での発言も詳しく紹介した。
 若松丈太郎氏の「何が起きてもおかしくない」や吉沢正巳氏「牛飼いだから見捨てねえ」など、原発問題も継続して重点的に扱った。
 基地問題では本田博利氏の「国の『だまし討ち』と闘う」、湯浅一郎氏の「市民を攻撃対象と想定」を掲載。憲法問題で藤森研氏の「安倍改憲論を批判する」、麻生太郎副総理のナチスをめぐる妄言に対して田村栄子さんの「麻生発言は政治的暴力」が、今日の自民党政治に異議を唱えた。
 松江市内の小中校で閲覧が制限された「はだしのゲン」も、「メディアスクランブル」やコラム「風訊帖」で取り上げ、問題の背景を探った。
 定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。
 定期購読の申し込みはファクス082(231)3005。
                                          (13.9.26)

        

    AU(アジアユニオン)結成などの発想を

                「不戦のつどい」で前泊さん講演

 日本ジャーナリスト会議広島支部は9月1日、広島平和記念資料館東館で開いた「不戦のつどい」に沖縄国際大教授の前泊博盛さん【写真】を講師に招いた。約100 人が参加した。
 前泊さんは「安倍政権と日米安保-沖縄からみた平和、憲法、有事の危機」と題して国民の権利、人権を侵し続けている日米地位協定に言及。前泊さんが琉球新報記者時代に入手した外務省機密文書「日米地位協定の考え方」及び「増補版」は、日本の法律に拘束されずに米軍と米兵は自由に行動できることを自ら受け入れる内容だった。沖縄の人々は日本への復帰によって平和憲法で人権が守られると期待したのだが、逆に安保条約と地位協定によって過大な軍事基地負担を固定化されることになった。
 その沖縄への基地集中も軍事的理由がなくなっており、他に引き受け手がないという政治的な理由で押し付けられている。オスプレイ配備問題をとっても全沖縄で反対表明したにもかかわらず、強行された。前泊さんは現状を打破していくには「アジアで戦争が起こらないように、アジアユニオン(AU)を結成するといった新しい発想が必要になっている」と述べた。 
                                            (13.9.2)


    

  「中国の脅威」、集団的自衛権、憲法めぐり論議

            広島弁護士会主催のシンポジウム


  広島弁護士会主催のシンポジウム「中国脅威論と憲法改正問題」が8月31日、広島YMCA国際文化ホールで開かれた。はじめに広島市立大平和研究所元所長の浅井基文さんが基調講演。浅井さんは中国脅威論を憲法改正問題と関わらせ、これを改憲の材料にすることは「嫌中」感情を利用する、ためにするものであると述べ、「尖閣」問題発生以降の改憲への動きを批判した。また、「ポツダム宣言受諾」の結果としての日本国憲法制定という大前提を抜きに憲法改正を論議することはありえないとし、アメリカの押し付け憲法を排除して自主憲法を持ちたいと考えている人たちが、そのアメリカの軍事的要求に応えることを改憲の最大の動機の一つとしている矛盾を指摘した。自民党が進めようとしている集団的自衛権行使については、コソボ問題などでNATOが先鞭をつけた「拡大解釈」であり、事実上「何でもあり」となる。違憲を主張する側も自衛権、集団的自衛権の本質を研究し、それを踏まえるべきだと注文をつけた。
 第2部のシンポジウムは、浅井さんのほかに、大阪大学大学院の坂元一哉教授、早稲田大学法学学術院の水島朝穂教授が加わり、中国の軍事的脅威や集団的自衛権、自衛隊の国防軍化などについて議論した。
                                            (13.9.2)


   マスコミ関係者が「8・6」写真展、朗読会開く 


  写真展「被爆者山岡ミチコさん 被爆証言ありがとう4年間の記録」が8月2日から広島市中区の市民交流プラザで開かれた。写真展を開いたのは中国放送OBで写真家の関邦久さん。在職中の2004年、被爆60年原爆写真集作成を機に撮り始めた山岡さんの活動記録が展示された。撮影は被爆証言活動をする山岡さんが今年2月、82歳で他界するまで行われた。写真展の期間中、会場では講談師緩急車雲助さんの講談や「ひろしま音読の会」メンバーによる朗読会もあった。写真展終了後の10日には「山岡さんを偲ぶ会」が開かれ、写真が展示された。
 広島マスコミ九条の会会員の関さんは「山岡さんを通じて改めて平和について考えさせられた」と話した。
   また、地元放送局の現役、OB・OGらでつくる「ひろしま音読の会」が8月2日、市民交流プラザで「ヒロシマを朗読する」を開いた(写真)。「音読の会」は毎年この時期に戦争や原爆をテーマにした作品の読会を開いてきた。今年は、五日市高校放送部の生徒も参加し、福島在住の若松丈太郎の詩「神隠しされた街」や、市川恵子の手記「フクシマからの手
紙」など原発事故に関わる記録や詩などが朗読された。原爆被爆関連では、那須正幹「折り鶴の子どもたち」、栗原貞子「爆心地」などが読まれ、放射能禍に苦しむ福島の人たちに、広島からエールを送る内容だった。
                                           (13.8.26)


        沖縄基地問題の基本的な情報発信を
                 西部住民の会集会で屋良朝博さん

 「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会」は8月24日、廿日市市商工保健会館で今後の取り組みを考える集会を開いた。まず元沖縄タイムス記者でフリーランスライターの屋良朝博さん(写真)が58人を前に「沖縄基地が解決しない理由…そして岩国は」と題して講演。その後、廿日市市議会へ米軍機騒音への監視体制の強化・充実を求める請願についての報告があった。
 屋良さんは、福島第一原発事故については細部まで全国的によく知られているが「沖縄基地問題についてはそれほどでない。基本的な情報が伝えられていない。まず普天間などの実態をよく知ってほしい。そうでなければ解決策は出てこない」と強調。普天間の県外いや県内移設といった押し付け合いはしない方がいいと訴え、「みんなで一緒にどうやって基地をなくしていくか考えていこう」と呼びかけた。
 そのきっかけとして、米軍基地を抱えながらも地位協定とは別に基地使用協定を結んで野放図な飛行などを規制しているイタリアなどから関係者を招いて、話を聞くのも一案と述べた。
                                           (13.8.25)

    
     「原爆投下が戦争を終わらせた」は神話
               オリバー・ストーン監督、広島で語る 
  原水禁大会参加などで広島を訪れた米映画監督のオリバー・ストーン監督(写真・左端)とアメリカン大学のピーター・カズニック准教授(写真・右から2人目)が8月5日、同市中区で開いた市民集会に参加し、核と平和、戦争について対談した。
 米国では原爆投下が戦争を終わらせたというのが一般的だが、「これは米国が作った神話だ」というカズニック准教授、「神話の根幹には冷戦がある。核抑止力はうその論理だ」といい、権力者のうその論理に惑わされてはいけないと強調した。
 日本が中国などで行った侵略について、ストーン監督は「安倍首相は従軍慰安婦問題など犠牲者の立場からものを見ることをしていない」といい、カズニック准教授も、「歴史を語るとき被害者の視点を忘れてはいけない」と話した。
 2人は翌6日の市民団体が開いた「8・6ヒロシマ国際対話集会」でも講演。カズニック准教授は、安倍首相の平和記念式典あいさつに触れ「安倍首相はうそをついている。憲法9条を変え、戦争を繰り返そうとしている」と批判。ストーン監督は同じ大戦の敗戦国だったドイツを例に「ドイツは米国のイラク戦争に反対したが、日本はノーと言えなかった。日本の政治家は罪の意識を感じることが必要だ」とも話した。
                                      (13.8.23)


          テーマは「安倍政権と日米安保」
      
JCJ不戦のつどい 今年は9月1日(日)

 JCJ広島支部主催の不戦のつどいは例年9月2日に開いていますが、今年は2日は月初めの月曜日であるため、1日、日曜日に開くことにしました。
 講演は沖縄国際大学教授の前泊博盛さん。演題は「安倍政権と日米安保〜沖縄からみた平和、憲法、有事の危機」です。
 広島支部は、次のような「よびかけ」をしています。多数のみなさんのご参加をお願いします。
 
 衆参の選挙で安定多数を得た安倍政権は今、集団的自衛権を容認し、憲法9条の改定に本腰を入れ、米国の指揮下で一体になって戦争する国への道をひた走ろうとしています。
 安倍政権は4月28日に主権回復記念式典を開催しましたが、現実の日本は安保条約と日米地位協定の下でいまだに米軍の占領下にあるといって過言ではありません。沖縄をはじめ全国で米軍機の事故や低空飛行、米兵の犯罪などで市民の人権が蹂躙され、生活と安全が脅かされています。
 前泊博盛さんは、記者時代から日米不平等の根源である地位協定の実態を告発してきた人です。同時に、沖縄の経済が基地に依存しておらず、基地がなくなれば沖縄はもっと発展できることを明らかにした人でもあります。
 マスコミが口をそろえて日米関係の基軸という安保条約が本当に必要なのか、安倍政権がやろうとすることが何をもたらすのか、前泊さんと考えてみませんか。

 2013不戦のつどい<概要>
 ◆日時:9月1日(日)13:30〜16:30
 ◆会場:広島平和記念資料館 東館地下 会議室1
 ◆参加費:500円(資料代)
 
 前泊博盛さん略歴
 1960年生まれ。琉球新報論説委員長を経て沖縄国際大学教授。2004年、「地位協定取材班」としてJCJ(日本ジャーナリスト会議)大賞、石橋湛山記念・早稲田ジャーナリズム大賞などを受賞。
著書に「沖縄と米軍基地」(角川書店)、「もっと知りたい!本当の沖縄」(岩波書店)、「検証地位協定 日米不平等の源流」(共著、高文研)、「日米地位協定入門」(編著、創元社)
                                    (13.7.31)


 オスプレイ追加配備抗議集会   雨の中 1200人が参加

岩国爆音訴訟の会、愛宕山を守る会など5団体は7月28日、岩国市役所前公園でオスプレイの追加配備に抗議する市民大集会を開いた。30日の岩国への追加12機陸揚げを前に雨の中、住民ら約1200人が参加。「オスプレイは岩国にも沖縄にもどこにもいらない」と赤地に「怒」を白抜きしたうちわを一斉にかざした。
 大集会実行委員長の桑原清さんが「岩国を拠点に、オスプレイ24機の低空飛行訓練が日本全土で行われようとしている。大きな世論の輪をつくろう」とあいさつ。大集会アピールとして「世界一危険な『МV22オスプレイ』の沖縄や岩国への配備を撤回させるまで日米両政府に強く働きかけ、粘り強く取り組んでいく」ことを確認した。 
 はるばる静岡県から駆けつけた同県平和委員会の女性は、「富士山にオスプレイはいらない」と訴えた。その後、参加者たちは岩国駅前までデモ行進した【写真】。
                                     (13.7.28)


             
内部被ばくと人権でシンポ
          
弁護団「認定は全被爆者の1パーセントに満たない」

 広島弁護士会は7月27日、広島平和記念資料館東館でシンポジウム「内部被ばくと人権~内部被ばくによる健康被害の防止を考える~」を開いた。
 広島市立大広島平和研究所講師の高橋博子さんが「ヒロシマ・ナガサキと内部被ばく」、続いて原爆症認定訴訟団全国弁護団事務局長の宮原哲朗さんが「原爆症認定訴訟における内部被ばく」と題して基調講演した。高橋さんは「広島と長崎の被ばくの実相は隠されてきた」と述べ、宮原さんは「認定が全被爆者の1パーセントに満たないことへの怒りが爆発した」と語った。
 パネルディスカッションでは2人に加えてロシア語医療通訳の山田英雄さん、福島県弁護士会所属の湯坐聖史さんが登壇。湯坐さんが、自ら福島県各地で継続している放射線量測定のデータを基に「きめ細かな対策をとらないと、子どもへの影響が一番心配だ。子ども・被災者支援法の理念を実現するために、今こそ国民的な議論を」と約110人の聴衆に訴えた。
                                     (13.7.28)

      戦争・原爆に関連する放送各局の番組
 今年、NHK、民放が放送する予定の戦争や被爆に関する主な番組を紹介します。平和式典、戦没者追悼式典などの生中継を除いています。また、タイトルなどが変更になる場合があります。(番組情報をお寄せ下さい。随時掲載します)

 7月26日(金) 20:00~   NHK総合  金曜スペシャル「我が愛する被爆都市〜新資料が語る作家・梶山季之の世界」
 8月2日(金) 19:30~  NHK総合  いのちのうた2013~立ち上がる勇気〜
 8月3日(土)16:00~   NHK総合  長崎 被爆からの復興
8月3日(土)17:00~   NHK総合  えほんでつたえるげんばく
 8月3日(土)21:00〜 BSプレミアム 零戦〜搭乗員が見つめた戦争10日も同時刻)
 8月3日(土) 22:00~ NHK・FM   FMシアター「紅いハンカチ」
 8月3日(土) 8:05~  NHKラジオ第1  ラジオ文芸館 朽木祥・作「石の記憶」
 8月4日(日) 24:50~  広島テレビ
(NTV系)
NNNドキュメント13「満州へ花嫁を送る〜女子拓務訓練所」(テレビ信州制作)
 8月6日(火)19:30~  NHK総合  NHKスペシャル「広島・長崎 終わりなき被爆との闘い」
 8月6日(火) 21:05~  NHKラジオ第1  原爆の日ラジオ特集「今こそ伝えたい被爆の苦しみ 〜被爆者の日記は語りかける」
 8月8日(木)24:10~  NHK総合  ヒバクシャからの手紙
 8月10日(土) 23:00~   NHK・Eテレ  ETV特集「清掃員画家のヒロシマ」
 8月11日(日) 24:50~  広島テレビ   (NTV系)  NNNドキュメント13「伝承者〜あの日を知らない語り部たち」(広島テレビ制作)
8月12日(月)22:00〜 NHK総合  NHKスペシャル「忘れられた引揚者〜終戦直後・北 朝鮮の日本人」
 8月13日(火)22:00〜  NHK BS1   プロジェクト112 知られざる米軍化学兵器開発
 8月14日(水)22:00~  NHK総合  従軍作家たちの戦争〜陸軍のメディア戦略
 8月14日(水)22:00~ NHK BS1   戦火のダービー〜時代に翻弄された騎手と馬
 8月15日(金) 22:00~ NHK BS1  日本兵になったアメリカ〜祖国と戦った兵士たち
(
16日も同時刻)
 8月16日(土) 22:00~  NHK総合
(中国地方)
 キス、握手、笑み、原爆ドームを背景に〜2万枚の写真が問いかける平和
 8月24日(土)23:00〜  NHK総合  ドキュメンタリードラマ「基町アパート」
 8月27日(火)23:45~  BSプレミアム  音楽と朗読で平和を紡ぐ〜ヒロシマ ワールドピース・コンサート(仮)

                                     (13.7.24)


      JCJ賞に琉球朝日「標的の村」など
           
大賞は「該当なし」
 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は7月22日、2013年度のJCJ賞とJCJ特別賞の受賞者を発表した。最も優れた活動や作品に贈られるJCJ大賞は該当がなかった。受賞作品・活動は次の通り。

 <JCJ賞>
  ▽琉球朝日放送「標的の村〜国に訴えられた東村・高江の住民たち〜」
  ▽NHKスペシャル・シリーズ東日本大震災「空白の初期被ばく〜消えたヨウ素131を追う〜」
  ▽北海道新聞連載企画「原子力 負の遺産 核のごみどこへ」
  ▽布施祐仁「ルポ イチエフ 福島第一原発レベル7の現場」(岩波書店)
  ▽大石芳野 写真集「福島FUKUSHIMA 土と生きる」(藤原書店)
 <JCJ特別賞>
  ▽福島県立相馬高校放送局の高校生たちが3・11大震災後に取り組む活動
                                           (13.7.23)

      「南極」を世界に広げよう
       「9条」に通じる理想主義

             
    柴田鉄治さん講演
 「人類の理想を先取りした南極条約は、日本の憲法9条に通じる。戦争を起こさないために、国境のない南極のような世界を、地球上に広げよう」―。元朝日新聞記者でジャーナリストの柴田鉄治さん【写真】が6月23日、「子どもの本・九条の会 4周年の集い」(広島市中区の平和資料館東館)での講演で、こんな提言をした。「集い」には市民ら約200人が参加した。
 柴田さんは社会部時代の1965年に第7次南極観測隊に同行して以来、私的旅行を含め5回、南極を訪れた。こうした経験を踏まえて61年に発効した南極条約の成り立ちの過程やその精神を紹介。軍事利用の禁止や領土権の凍結、放射性廃棄物の投棄禁止などの内容は人類の理想を先取りしており「南極は地球の憲法9条。日本国憲法の理想が南極条約に生きている。国境もなく軍事基地もない南極を地球の教材にしよう」と呼び掛けた。
 柴田さんは科学者になるため東京大理学部地球物理学科に入学。しかし、在学中に新聞研でジャーナリズムを学び、「戦争を避けられなかった要因の一つはメディアがダメだったこと」と確信して59年に朝日新聞社に入社したという。論説委員や社会部長などを歴任、退社後は国際基督教大客員教授をへて現在、日本ジャーナリスト会議(JCJ)代表委員のひとり。
                                           (13.7.4)


       「広島ジャーナリスト」13号発行
  日本ジャーナリスト会議広島支部は6月15日、「広島ジャーナリスト」第13号を発行した。
メーン特集は「すべての核に『NO』と言えない日本」。核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会(4月、ジュネーブ)で南アが提唱した「いかなる状況下でも核兵器が使用されないことが人類生存のためになる」という共同声明に日本政府が賛同しなかったことについて、ジャーナリストで元広島市長の平岡敬さんや市民運動家の森瀧春子さん、広島市立大広島平和研の前所長、浅井基文さんの見方を掲載した。いずれも核の傘=核抑止論から離れられない政府の対応を批判、市民の力で日本の核政策を変えなければならないとした。   サブ特集に「『虐殺』『慰安婦』問題と『原爆』を考える」を置き、橋下徹・大阪市長発言でクロースアップされた日本軍「慰安婦」問題に焦点を当てた。
 シリーズものとして「論文再見」をスタート、1回目は1996年発表の「被爆者とABCC」を取り上げた。3回にわたり全文を紹介する。研究者ではない一市民が、ABCC(戦後、米国が設置した被爆者の放射線影響調査を行う機関。現・放射線影響研究所)の成り立ちに迫った。今後こうした埋もれた力作を発掘、掲載する。
 米軍基地問題、原発、憲法、TPPも幅広く取り上げた。
 定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。定期購読の申し込みはファクス082(231) 3005。
                                          (13.6.17)


     「改憲」「原発再稼働」の動きに批判

              広島マスコミ九条の会 8周年のつどい開く
   安倍改憲内閣の暴走が続くもとで「広島マスコミ九条の会・8周年記念のつどい」が6月1日、中区加古町の広島工大広島校舎で開かれた。集会は、広島県9条の会ネットワークの「護憲・原発NO」を訴える「全県40万枚ジャンボビラ配布運動」の決起集会を兼ね、60人が参加した。
 「つどい」では「上関原発反対運動の現状」を上関町、祝島島民の会の山戸孝さんが報告、元朝日新聞論説委員で専修大学教授の藤森研さん【写真】が「改憲動向とマスコミの深層」と題して講演した。
 上関原発について山戸さんは、自民党政権の復活以降、再び動きがあることを指摘、住民意思を示す選挙の大切さをかみしめた報告だった。藤森さんは、「改憲をめぐる新聞論調」を新聞社説から分析、地方紙を含め「護憲的論調」が社数で4分の3、発行部数で60%を占めたと話し、「九条の会」など市民運動の成果と評価した。また、「96条改憲論」は「憲法の立憲主義を破壊する暴挙」と糾弾、断固阻止を訴えた。
 ジャンボビラの取り組みでは、県ネットの利元克巳さんが計画概要を報告。「40万枚を配って改憲論を葬ろう」と呼びかけた。このほか、「九条の会・みはら」の上羽場隆弘さん、「九条の会・広島県北」の塚本勝彦さん、「九条の会・牛田」の田村栄子さん、「西区九条の会連絡会」(広島市)の濱口逸記さんから、それぞれ意気込みあふれる報告があった。
 「つどい」の中で行われたマスコミ九条の会の総会は、太田事務局長が総括と会計実績を報告、幹事の増強で「代表不在」を補いたいとし、新年度の役員と運動方針を確認した。
                                           (13.6.17)


          脱原発アピールウォークに最高の350人
                 憲法集会では神田香織さん講演
 「さよなら原発ヒロシマの会」主催のアピールウォークが5月3日、元安橋―本通り電停―国泰寺公園のコースで行われた。毎月第1・第3金曜日に行われているウォークの特別バージョンで、直前まで県民文化センターホールで開かれていた「憲法ミュージカル」の参加者も加わり、これまで最高の350人が、フラワーフェスティバルで賑わう平和大通りを横切り、行進した。
 アピールウォークには外国人や子どもの姿もあり、歌と楽器演奏、広島文団連などが作った大型の横断幕(板)や動物をあしらった脱原発プラカードなどで訴えた。
 この日、広島県民文化センターで開かれた「2013年憲法集会―マイライフマイ憲法」では、講談師の神田香織さんが「はだしのゲンを語って30年、いまフクシマは」を講演、昨年12月に亡くなった漫画家・中沢啓治さんとの40年にわたる親交を語り、中沢さんの遺志を引き継いで、核兵器廃絶を世界に届けると力強く語った。福島県いわき市出身の神田さんは10年前に「チェルノブイリの祈り」という原発をテーマにした講談を創作し、福島第一原発以前から、原発の危険性を訴えてきた。「原発再稼働」の動きが次第に大きくなっていることについては、庶民の「怒り」の声で政府を包囲しようと呼びかけた。
                                           (13.6.14)


       「憲法96条改正」を明快に批判
                   広島市立大の河上暁弘さん
 「平和憲法の原点と現点―壊憲政治の推進か憲法理念の実行か」と題した広島市立大広島平和研究所講師(憲法学、平和学専攻)、河上暁弘さん【写真】の講演が4月27広島市中区の市男女共同参画推進センター(ゆいぽーと)であった。この日開かれたJCJ広島支部総会後の特別講演で、一般市民を含む20人余りが参加。河上氏は現行憲法の基本理念を踏まえ、自民党の改憲草案に対して問題点の指摘と批判を展開し、中でも96条改正について「世の中には多数決で決めてはいけないことがある。それは人権の尊重。何をどう変えるかは言わず、とにもかくにもまかせなさいというのは民主主義の否定だ。今、改めるべきは憲法ではなく、違憲の政治であり、憲法理念の実行による政治刷新こそ必要だ」と主張した。(講演の詳しい内容は、6月15日発行の「広島ジャーナリスト」13号をご覧ください)
                                           (13.6.14)


     菅官房長官、自民小池氏の沖縄メディアへの介入を批判
 
            新聞労連が緊急声明    

 新聞労連(日本新聞労働組合連合)は4月5日、「メディアへの介入は許されないー自民党の沖縄メディア攻撃を批判する」とする日比野敏陽委員長の緊急声明を発表した。声明は、自民党の小池百合子元防衛相が3月6日、同党国防部会・安全保障調査会合同会議で、沖縄の新聞が米軍普天間基地の県内移設に反対する論調をつくっているとして沖縄のメディアを批判したことに対し、「権力のメディアへの介入意図が明らかであり、看過できない」とした。 
 また、菅義偉官房長官が4月3日、沖縄の地元2紙と民放3局を訪問し、米軍基地の県内移設に理解を求めたことに対し、放送免許の許認可権を政府が握っており、今年11月には一斉に再免許を迎える状況であると指摘。声明は「すべての放送局に対する圧力以外の何ものでもない」と批判している。
                                     2013年4月5日
                                     日本新聞労働組合連合
                                      中央執行委員長 日比野敏陽

     メディアへの介入は許されない~自民党の沖縄メディア攻撃を批判する
 

 自民党の小池百合子元防衛相は3月6日、党の国防部会・安全保障調査会合同会議で、沖縄の新聞が米軍普天間基地の県内移設に反対する論調を作っていると語り、沖縄のメディアを批判した。政権党幹部のこうした発言は、権力のメディアへの介入意図が明らかであり、看過できない。
 報道などによると、小池氏は沖縄県選出の自民党国会議員を前に「沖縄の先生方が闘っているのは沖縄のメディア。あれと闘って今回も当選されてきたということは、沖縄のメディアが言っていることが本当に県民をすべて代表しているとは、私は思わない」と述べた。
 これは、沖縄県選出の自民党議員が県内移設反対を公約に当選した事実を歪めており、当の議員のみならず、沖縄の有権者を侮辱するものだ、そもそも、このような発言は、政権党の幹部が議員を通じて政府の意に沿わない新聞に圧力をかけようとしていると受け止められても仕方がない。
 これは沖縄の2紙だけの問題ではない。さまざまな施策で、国が実施を考えていても関係する地方、地域が反対するという事態は、日本各地で起こりうる。すでにTPPを巡っては中央と地方の意見対立が明らかになっている。小池氏の発言は、新聞に介入することで世論をコントロールできるという政権党の考えを露わにしている。沖縄の2紙に対する政権党の攻撃は全国すべての新聞に起こりうる。
 さらに4月3日、菅義偉官房長官が沖縄の地元2紙と民放3局を訪問し、米軍基地の県内移設に理解を求める異例のメディア行脚を行った。各社の経営者らは基地政策や「主権回復の日」式典に一斉に反発した。日本では放送免許は政府が許認可権を握っており、民放は今年11月に一斉再免許を迎えることになっている。こうした状況で時の政府の高官が放送局を訪問することは、すべての放送局に対する圧力以外の何ものでもない。
 新聞労連は、菅氏や小池氏の言動に如実に表れている安倍政権と自民党のメディアへの高圧的な姿勢に対し、すべてのメディアとメディア労働者が連帯して闘うことを呼びかける。                     以上
                                          (13.4.13)


       「『核と人間』のいま」を特集
          「広島ジャーナリスト」12号発行  

日本ジャーナリスト会議広島支部は3月22日、「広島ジャーナリスト」第12号を発行した。原発事故から2年が経過した福島の現状を詩人の若松丈太郎さんが寄稿。「黒い雨」データの公開や解析・研究の事実上の打ち切りを宣言した放射線影響研究所を交えたシンポジウムの詳報や、広島平和文化センター理事長を3月限りで退任するS・リーパーさんと詩人のA・ビナードさんの対談と合わせ、特集のタイトルを「『核と人間』のいま」とした。
 さらに、新聞紙上で紹介された被爆者の短歌への「違和感」を手掛かりに「広島」と「福島」の位置を探った「あれしきの被曝で何を騒ぐかと。」や福島県いわき市議の「事故は収束していない」、広島への避難者による「忘れられぬ2年前」、宮城県山元町企画財政課長による「復興という坂を懸命に上る」など、重量感のある寄稿文を掲載した。田村栄子さん「『脱原発』に至るドイツの長い歩み」も、ドイツ統一国家の成立から今日のメルケル政権の決断までを俯瞰した力作。
 このほか、マレーシアでの住民虐殺にかかわった広島第11連隊の行動を両国の関係者が語った「つどい」の詳細な内容も紹介。被爆都市という被害者の側面だけでなく「加害者としての廣島」という歴史の側面も明らかにした。
 「はだしのゲン」で知られる漫画家・中沢啓治さん死去に際しては、生前交流があった渡部久仁子さんが追悼記を寄せた。「ゲン」の父の原型である啓治さんの実父晴海さんの思想と行動を追った堀田伸永さんの評論も興味深い読み物となった。
 定価500円(税込)。広島市内の主要書店で販売している。    
                                          ( 13.3.23)


        シンポ「黒い雨」に250人  
 日本ジャーナリスト会議(JCJ)広島支部が主催するシンポジウム「『黒い雨』と低線量被曝」が17日、広島市の原爆資料館メモリアルホールで開かれた。黒い雨を浴びたとする1万3千人のデータを保管していたことが判明した放射線影響研究所(放影研)が昨年12月、黒い雨データの公開や解析・研究について事実上の「打ち切り」を宣言したことを受けて企画したもの。
 放影研から大久保利晃理事長、小笹晃太郎疫学部長がパネリストとして登壇し、長崎県保険医協会会長の本田孝也さん、広島大原爆放射線医科学研究所教授の大瀧慈さん、広島市立大広島平和研究所の高橋博子さんとの間で、約3時間半にわたって意見を交わした。
 放影研側は「黒い雨を浴びた人にがんによるリスクが高まる傾向は見られなかった」との解析結果などをあらためて説明。これに対し広島、長崎の研究者、医師から、「長崎で雨を浴びた人の1962~2003年のがん死過剰相対リスクが浴びない人より3割高いのは無視できない差だ」「放影研の研究は実態にあっていない」「解析方法に問題がある」などの指摘や「より詳しい解析を進めるべき」との注文が相次いだ。また、爆心地から2㌔以遠でも急性症状とみられる重度の脱毛が確認された事例をあげて「初期放射線では説明できない」と指摘。黒い雨などによる内部被曝の影響を解明する必要を強調した。
 放影研側は「残留放射線の人体への影響がないとは思わない」「集団としてつじつまが合う数字を出しているので1例をもって間違っているといわれても答えられない」などと述べた。
 会場には約250人の市民が訪れ、討論を見守った。フロアディスカッションでは、「放影研は被爆者のための調査研究機関であってほしい」「黒い雨のデータを開示し、外部の意見も取り入れながら研究を進めていってほしい」といった声が相次いだ。放影研の大久保理事長は「研究は中立の立場でないと信頼されない」などと述べた。
 【写真】左から、小笹、大久保、本田、大瀧、高橋の各氏
                                           (13.2.18)


        日本ジャーナリスト会議広島支部主催・公開シンポジウム
   黒い雨と低線量被曝 ―放影研の12・8見解を受けてー 
                               
 jcj広島支部は2月17日、広島市の原爆資料館会議室でシンポジウム「黒い雨と低線量被曝」を開く。
 一昨年の秋に放影研の保有が判明した「黒い雨」データについてはこの1年間あまり、各メディアがさまざまな角度から報道してきた。関係団体や研究者たちもその動向に注目し、データの開示などを求めてきた。これらを受けて放影研は昨年12月8日、3つの文書を発表し、黒い雨データ問題について事実上の幕引き宣言をした。
 今なぜ幕引きなのか、なぜ3つの文書なのか。その見解の中身は? 
 シンポジウムでは、放影研の大久保利晃理事長と小笹晃太郎疫学部長から直接文書の内容についての説明とその考え方を聞く。そもそものきっかけとなった英文リポートの発見者である本田孝也さん、黒い雨と人体影響についての研究を進めてきた大瀧慈さん、放影研の歴史に詳しい高橋博子さんにも加わってもらって意見交換する。

■と き  2月17日(日)午後1時半から5時
■ところ  原爆資料館東館地下会議室(1)=150人定員
■登壇者  大久保利晃・放影研理事長
      小笹晃太郎・放影研疫学部長
      本田孝也・長崎県保険医協会会長
      大瀧慈・広島大原医研教授
      高橋博子・広島市立大広島平和研究所講師
■参加費    500円(資料代含む)※学生は無料
■問い合わせ  日本ジャーナリスト会議(JCJ)広島   難波
                                           (13.1.23)


          「沖縄・岩国 オスプレイ」を特集
            「広島ジャーナリスト」11号刊行

 日本ジャーナリスト会議広島支部は「広島ジャーナリスト」第11号を12月15日付で発行した。垂直離着陸機MV22オスプレイの沖縄配備を受け、特集は「沖縄・岩国 オスプレイ」とした。
 トップは「松元剛 沖縄リポート」。オスプレイ配備に加え、米兵犯罪が絶えない沖縄の現状を、琉球新報の松元記者が怒りを込めて告発した。これを伊波洋一・前宜野湾市長がデータで裏付け、「日米安保から脱却の時」と訴えた。岩国からは久米慶典・岩国平和委員会副会長が報告。さらに、沖縄から基地をなくす活動に取り組む真喜志好一氏が、沖縄の基地計画の歴史的経緯を明らかにし、オスプレイ配備自体が米軍の長期計画と述べた。
 日本の戦争責任にもスポットを当てた。マレーシア侵攻作戦で肉親がBC級戦犯として刑死した橋本和正氏は自らマレーシアを訪れ、日本軍が何をしたかを確かめた体験をつづった。慰安婦問題では小林久公・強制労働真相究明ネットワーク事務局長が「犯罪性と法的責任認定が必要」とした。
 ナショナリズムをあおりたてる言動が目立つ尖閣問題では、前広島市立大平和研所長で元外務省中国課長の浅井基文氏が、棚上げ合意へ冷静な議論を求める文章を寄せた。
 原発問題についても内容を充実させた。
 紀伊国屋広島店、フタバ図書各店、MARUZEN&ジュンク堂、啓文社廿日市店で販売している。B5判、定価500円(税込み)。
                                          (12.12.20)


     「犠牲」の上に成り立つ利益を許さない
             高橋哲哉さん 「憲法のつどいひろしま」で講演

 広島県9条の会ネットワーク主催の「憲法のつどいひろしま2012」が11月3日、平和記念館メモリアルホールで開かれ、東京大学大学院の高橋哲哉教授が「広島・沖縄・福島をつなぐもの」と題して講演した、「つどい」は毎年憲法公布の11月3日前後に開かれており、この日320人が参加した。
 高橋さんは広島・沖縄・福島に共通することとして「核、アメリカの存在、住民の犠牲」の3点をあげ、「犠牲のシステム」とは、「ある人が他人の犠牲の上で利益を得ることであり、生活、健康、生命、財産、尊厳、生きる希望が犠牲になっているシステム」であると持論を展開した。
 沖縄については戦中にとどまらず、1947年、天皇が「米国の駐留は日米の利益となる」というメッセージを発したことで、戦後も「犠牲」が継続することになったこと。福島原発事故については、過酷事故による膨大な損失、原発労働者やウラン採掘労働者の被曝、放射性廃棄物の処理をあげ、それらの犠牲の上にしか成り立たない原発システムを正当化することはできないとした。また、福島原発事故には法的、政治的、倫理的責任があるとし、政治的責任としては、国策として推進してきた政治家の責任、それを許してきた国民の責任がある。起きた事故について国民は、政治家の責任を追及する責任があると述べた。
 最後に、福島県の行政責任に触れ、今年9月の甲状腺検査で福島市の5万人のうち43%に嚢胞(のうほう)があったこと、福島県が甲状腺学会に対し、再調査をしないよう要請したことが毎日新聞によって明らかになったことを示し、原発事故にとどまらない問題を、日本国憲法を鏡として追及していくことの重要性を強調した。
                                         (12.11.13)


     さよなら原発のつどい、ヒロシマで開く                   齋藤紀医師が講演              
「福島のいま そしてこれから」をテーマに9月22日、広島市中区の平和記念資料館メモリアルホールで「さよなら原発のつどい」が開かれた。「さよなら原発ヒロシマの会」主催で、約250人が参加。福島市の医療生協わたり病院医師の齋藤紀さんの「福島の現状と課題」と題した講演の後、齋藤さんに広島共立病院医師の青木克明さん、福島からの避難者(尾道在住)や広島市で福島支援プロジェクトに取り組む人も交えた4人による「みんなでトーク『いま、私たちに何ができるのか』」に耳を傾けた。
 齋藤さんは2009年にわたり病院へ移る以前は広島市西区の福島生協病院に勤務し、長年、被爆者治療にも携わってきた。講演ではまず、昨年の3・11以降、放射能汚染された福島は危険だという情報が大量に県民に降り注いだが、それに振り回されることなく冷静に対処していくには被曝線量を可視化して捉えることが極めて大事と指摘。その作業が昨年秋以降、ようやく進み、南相馬市立病院が9、10月に住民を対象にした内部被曝線量の調査では検出限界以下が50%以下だったのが、今年1月には95%になったことを報告し、「被曝線量の減衰は明らか。今後、摂取する食物の管理などをきちんとしていけば内部被曝は克服できる」と説いた。

 続いて、外部被曝による汚染の実態やその中で暮らす被災者の心情、政府や東京電力の対応の不備や過誤などにも言及。「何よりも東電の加害者意識の欠落、不誠実な態度はこの原発事故の本質を表すもので、これこそが人災といえる」と厳しく批判した。そのうえで「今一番問題なのは被災者への賠償基準と廃棄物の中間貯蔵施設をどうするか。打ち出されている方策から見えるのはひとえに差別と分断の構図だ。建物の劣化で比較し、被曝線量で縛るやり方はますます被災者を苦しめることにしかならない」と強調。復興に向けては日本国憲法が掲げる「個の尊厳」を貫徹することが不可欠で、「個人と家族の再生を最優先に考え、そこから地域の再建を図ろう。避難した人と残った人の反目はもうやめよう。被災の苦しみは個々に違う。私たちはその差異を理解し、共に支え合い共に生きるという視点を堅持したい」と結んだ。(I)                                  (12.9.28)


        「戦争と平和」を問う
         「広島ジャーナリスト」第10号刊行
  日本ジャーナリスト会議広島支部は9月15日、「広島ジャーナリスト」第10号を刊行する。「『戦争と平和』の時代に問う」をメーンテーマに、巻頭で、第2次世界大戦でのドイツ降伏をスクープしたAP通信記者の「戦後」を取り上げた。「報道協定破り」の汚名と名誉回復の67年を通してジャーナリズムとは何かを問いかける。筆者は繁沢敦子。
 福島原発事故から1年半を経て広島、長崎の原爆の日をどう考えるかも特集で扱った。詩人のA・ビナードが、被爆体験は「いま」を見るレンズだと語り、広島と長崎の現役記者が平和宣言のメッセージ性の薄さや長崎「被爆体験者」訴訟での「切り捨て」の実態を報告した。さらにマスコミの現役、OBが「8月報道」の問題点や課題を話しあった。
 原発の問題が原爆、安保、さらに沖縄、岩国とどうリンクするかについても澤野義一、藤田祐幸、武藤一羊、高橋哲哉らの見解を掲載した。共通するのは「原子力の平和利用」という名で進められてきた戦後体制の欺瞞性の指摘である。
 基地問題にも、ページを割いた。オスプレイの米海兵隊岩国基地陸揚げをニュースとして取り上げ、米軍事基地としては海外最大規模となる岩国の現状を湯浅一郎、中国山地の米軍機訓練域である「エリア567」の実態を沢田正がまとめた。
  このほか、内容に批判がありながら採択が進む育鵬社歴史教科書問題、山側トンネル案で決着が図られた福山の景勝地・鞆の埋め立て・架橋問題も取り上げた。B5判161㌻、定価500円(税込み)。広島市内の主要書店で販売している。(文中敬称略)
                                          (12.9.13)


    今も「米軍の占領状態」 前宜野湾市長訴える  
             2012不戦のつどい            

 JCJ広島支部主催の「2012不戦のつどい」が9月2日、広島市中区の広島平和記念資料館で開かれた。第36回となった今年のテーマは「米軍基地は要らない―今、メディアに求められる役割は?」。会員や一般市民ら約100人が参加し、沖縄県宜野湾市の前市長、伊波洋一氏の講演と山口県岩国市の岩国平和委員会副会長(元県議)、久米慶典氏の報告に耳を傾けた。
 伊波氏は「復帰40年の沖縄から問う 日米安保の限界と今後の展望」と題して講演。日本の国土の1%にみたない沖縄県に在日米軍専用施設の74%が集中、沖縄本島の18%を米軍施設が占め、県民は演習などによる日常的な騒音や事故の危険、兵員らによる犯罪に苦しんでいる現状をまず明らかにした。
 そのうえで、基地が銃剣とブルドーザーによって強制接収、建設されてきた歴史を振り返り、その一つ、宜野湾市にある普天間飛行場は人口密集の住宅地に囲まれながら、国内航空法上の飛行場に該当せず、日米の航空機安全基準は適用されないため、世界一危険な運用が今日も続いている実態を告発。「米軍機がいつ、どこを飛んでもよい国は日本以外にない。日本の政府は米国べったりで、自国民よりも米軍を大事にする。そうした姿勢を大手メディアが後押ししているのも問題だ」と批判した。
 さらに、施政権返還後40年たっても沖縄の基地が返還どころか強化され続けている現実について、オスプレイの普天間配備にも触れながら「日米安保条約で事実上米軍の占領状態が続いているからだ。国民世論はアジアの国々との関係を重視し、日米同盟の深化を求めてはいない。今こそ米国一辺倒から脱却し、アジアに軸足を移すのが日本の進む道だ」と訴えた。
 続いて登壇した久米氏は「オスプレイ配備強行は何を意味するか―岩国からの報告」として、オスプレイが岩国基地に陸揚げされた理由から解明。単に水深のある港と滑走路が接し好都合というだけでなく、戦略的日米同盟にとって岩国が決定的に重要な位置にあり、今後もオスプレイの運用拠点となることを示すものだと指摘した。
 加えて、全国各地で展開されることになるオスプレイの訓練飛行の危険性についても言及。「過去の事故原因が人為ミスとされることが多いのは、真相が覆い隠され、実は安全性が確保されていないことを物語っているにほかならない」と断じた。
                                          (12.9.13)


        JCJ広島主催 不戦のつどい (9月2日)
       伊波前宜野湾市長ら迎え、60年目の「日米安保」を問う

 JCJ広島支部は9月2日(日)午後1時30分から、平和記念資料館地下会議室(1)で「2012不戦のつどい」を開く。タイトルは「米軍基地は要らない―今、メディアに求められている役割は?」 
 日米安保条約発効から60年、沖縄の本土復帰から40年。まさに節目のこの年に、在日米軍基地の機能をさらに強化するという日米同盟=安保の新たな展開が図られている。あの危険極まりない欠陥機「オスプレイ」の配備である。多くの日本国民の不安や反対の声を無視し、岩国基地へ先行搬入したうえで普天間飛行場への配備を押し通そうとする米国に、日本政府が「ノー」と言えないのはなぜか。  
 日米安保があるからにほかならない。この国の平和と安全を守るどころか、逆に脅かす存在、国民に負担と犠牲を強いる根源こそ日米安保ではないか。沖縄の人たちの思いは全国の基地を抱える地域の住民にも通じ、多くの国民の間に広まってきている。そうした今、メディアは何を伝え、何を論じるべきか。その役割と責任が鋭く問われている。

  【2012 JCJ広島 不戦のつどい】
  ■9月2日(日)13:30~17:00  広島平和記念資料館(東館地下)会議室(1)
  ■講演:伊波洋一さん(前宜野湾市長)「復帰40年の沖縄から問う 日米安保の限界と今後の展望」
   報告:久米慶典さん(岩国平和委員会副会長、元山口県議)
                   「オスプレイ配備強行は何を意味するか―岩国からの報告」
  ■参加費500円(資料代)
                                            (12.8.19)


           戦争・原爆に関する放送各局の番組

  今年、NHK、民放が放送する予定の戦争や被爆に関する番組は次の通り。(平和式典、戦没者追悼式典などの生 中継を除いています)

 7月28日(土) 17:30~  中国放送(TBS系)  報道特集「放影研」
 8月4日(土) 22:00~  NHK・Eテレ  「ヒバクシャからの手紙~あの日のこと これからのこと」
 8月5日(日)22:00~   NHK・Eテレ  ETV特集「メル友~長崎の被爆者から、福島の少女へ」
8月5日(日) 12:00~   BSプレミアム  ドラマ「帽子」(再)
 8月5日(日) 24:50~  広島テレビ(NTV系)  ドキュメント12「ボーマンの約束~遺骨収集人70年の真実」
 8月6日(月) 9:00~ NHK・Eテレ  「アニメ・ジュノー」
 8月6日(月) 20:00~  NHK総合  「黒い雨~被爆者調査67年目の真実」
 8月6日(月) 21:05~  NHKラジオ第1  「いま『遺品』が語る広島の願い~行動する詩人アーサー・ ビナードを追って」
 8月6日(月) 22:54~  中国放送(TBS系)  NEWS23「綾瀬はるか 戦争を聞く(広島)」、9日は長崎
 8月9日(木) 20:05~  NHKラジオ第1  「被爆の記憶を伝えたい」
 8月11日(土) 15:00~   BSプレミアム  ドラマ「15歳の志願兵」(再)
 8月11日(土) 20:00~   BSプレミアム  「巨大戦艦 大和」
 8月12日(日) 24:50~   広島テレビ
 (NTV系)
 ドキュメント12「除染の島へ~故郷を追われた人々」
 8月14日(火)22:00~   NHK総合   NHKスペシャル「戦場の軍法会議~隠された真実」
 8月15日(水) 19:30~  NHK総合  NHKスペシャル「終戦工作~なぜもっと早くできなかったの か」
 8月17日(金) 22:00~  BSプレミアム  「豚の音(おん)がえし~BIGINが結ぶ沖縄とハワイの絆」
 8月17日(金)23:00~  BS1  「dear hiroshima~ワンピースの写真が北米市民に投げか けた波紋」
 8月24日(金)22:55~  NHK総合  「ドラクロワ~女たちは、恋して、泣いて、強く生きた」
                                            
                                            (12.8.2)


  【写真速報】
           23日 岩国にオスプレイ陸揚げ
                   陸上、海上で抗議行動

















         岩国市尾津町の防波堤から見た民間輸送船「グリーンリッジ」(23日午後零時半)















               <図の左下、岩国市尾津町で抗議行動が行われた>










 

            オスプレイ陸揚げに抗議して集まった人たち


 オスプレイ陸揚げ抗議
 の横断幕

 オスプレイ陸揚げ抗議の横断幕













 オスプレイ配備反対のデモ


















 「怒」と書かれた紙を掲げて抗議の意 思を表明する人たち













                                   
                                           (12.7.24)


       オスプレイ配備反対緊急岩国集会アピール
 
 <22日のオスプレイ配備反対緊急集会で採択されたアピールは次の通りです。>

 米軍は明日23日にも、米軍岩国基地に新型輸送機MV―22オスプレイを陸揚げしようとしています。市民、県民あげての反対の声を無視する許し難い暴挙です。
 オスプレイはこれまで少なくとも9回も大事故を起こし、36人の命を奪っています。この事実は、「機体に構造上の問題はない」という日米両政府の説明に何の根拠もないことを示しています。
 米軍は、岩国基地での試験飛行を経て、沖縄普天間基地に配備し、沖縄はもちろん、日本全土に設けた7つの訓練ルートで低空飛行訓練を実施する計画です。これを許せば、すべての国民が爆音被害と墜落の危険にさらされます。
 配備が計画されている沖縄は、「世界一、危険な飛行機を、世界一危険な飛行場に配備することは絶対に認められない」の思いで一致団結しています。
 岩国市長、山口県知事も、市民、県民の怒りの声に押され、日本政府に配備手続きの中止を強く求めています。
 しかし、日本政府は「オスプレイ配備は、日米安保条約にもとづくアメリカ側の権限であり、とやかく言えない」と言い、傍若無人の低空飛行についても「安保体制を維持するために必要」と、卑屈な対応に終始しています。国民の命と安全より、日米安保体制を優先する政治でよいのでしょうか。

 私たちは日米両政府に訴えます。
 岩国基地へのオスプレイ陸揚げは中止し、国内への配備計画は撤回してください。
 傍若無人の低空飛行訓練は即刻、やめてください。
 国民の命と安全より、米軍の意向を優先する日米安保体制は見直してください。
    2012年7月22日
                                           (12.7.23)


           岩国で1100人が「オスプレイNO」
                 
 米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機が米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)に搬入される直前の22日、同市今津町の市役所前広場でオスプレイ配備反対集会が開かれ、市民ら1100人(集会実行委発表)が「オスプレイNO」の声をあげた。
 吉岡光則実行委員長が、オスプレイ陸揚げは世論を無視した行為と批判。①オスプレイは軍事的な機能を追求した結果、安全性を軽視した欠陥機である②在日米軍は侵略戦争のため日本を足場にしており、日常的に命と暮らしを破壊、脅かしている。オスプレイはこうした苦痛を激化させる―と、問題点を提起した。
 沖縄からも前田政明県会議員が参加。「岩国と沖縄が連帯して全国的規模の運動を展開したい」と述べ「8月5日には過去最大規模の県民大会を構え米軍基地ゆえの苦しみを打ち破る」と報告した。
 地元からは、市内に住む大学生喜良紗也香さん(20)が「特に危険だと聞いているオスプレイは岩国だけでなく日本のどの地域でも飛んでほしくない」と語ったほか、基地監視団体「リムピース」共同代表で岩国市議の田村順玄氏が、岩国基地を利用して12月13日に開港する岩国錦帯橋空港に触れ「危険な低空飛行で飛ぶオスプレイの間を縫いながら旅客機が飛ぶ。こんな恐ろしいことできるのか。安保条約の根幹にかかわる問題で、反対し続けなければならない」と述べた。最後に参加者全員がオスプレイの写真に大きく「×」をつけた紙を掲げ、基地搬入反対の意思表示をし、日米両政府にオスプレイ配備計画撤回を求めるアピールを採択した。
 集会後、参加者は「危ないオスプレイは岩国にも沖縄にもいりません」と横断幕を掲げ、JR岩国駅前までの約800㍍をパレードした。


 岩国市役所前で開かれたオスプレイ配備反対集会










 集会でオスプレイ反対を語る喜良紗也香さん











 オスプレイの写真に「×」印の入った紙を掲げ、搬入反対をア ピールする参加者









 集会後、JR岩国駅前へ向け出発するパレード隊









                                           (12.7.22)


       JCJ大賞に 東京新聞の原発報道

  年間の優れたジャーナリズム活動・作品に贈る「JCJ賞」の今年度の受賞作が7月7日の選考会議で決まった。8月11日の贈賞式で、JCJ大賞には賞状とクリスタルトロフィー、JCJ賞及び特別賞には狩野炎立氏制作の陶額「光炎」が贈られる。JCJ賞選考委員は、諌山修(ジャーナリスト) 伊藤洋子(前東海大学教授) 清田義昭(出版ニュース社代表) 酒井憲太郎(フォトジャーナリスト) 柴田鉄治(ジャーナリスト/JCJ代表委員) 塚本三夫(中央大学名誉教授)の各氏。
 受賞活動・作品、受賞者、授賞理由は次の通り。 
〔JCJ大賞〕
 「福島原発事故後に国が設定した許容被曝量を疑問視し、危険を追及した『こちら特報部』の一連の報道」
 〔受賞者〕 東京新聞特別報道部
  [受賞理由] 「こちら特報部」の報道は、当局の「発表」に依存しない。自らの問題意識を基礎に取材し、その成果   を紙面に反映させている。また、各地の原発反対集会を積極的に取り上げ、許容被曝線量問題にとどまらず、    「原発安全神話」の虚構、電力会社の需給予測のごまかし、大飯原発再稼動を巡る関電や政府の言い逃れなど、そ   の取材と追及・検証が光り、多くの読者・市民の賛同を集めている。
〔JCJ賞〕
 「沖縄防衛局長の『オフレコ』暴言スクープ」をはじめとする米軍普天間飛行場移設問題をめぐる一連の報道」
 〔受賞者〕琉球新報 米軍普天間飛行場返還移設問題取材班
  [受賞理由] 沖縄防衛局長の暴言は、「オフレコ懇談」の場とはいえ、沖縄県民と女性を蔑視し、その尊厳を踏みに   じる重大発言と捉え、報道に踏み切った。ともすれば記者を抱き込もうとする「オフレコ懇談」のあり方に一石   を投じた。情報は常に、読者のためのものであることを再認識し、琉球新報社挙げてこれを全面的に支持したこ   とも評価される。
〔JCJ賞〕
 安田 浩一 「ネットと愛国」 講談社 4月18日刊
 〔受賞者〕安田 浩一
  [受賞理由] 聞くに堪えない差別的な言葉を叫び、街頭活動を行う「在特会」(在日特権を許さない市民の会)とは   ? その実態と闇を暴く。なぜネット右翼が街に出て、民族差別を煽る怨嗟と憎悪の行動に走るのか。「うまく   いかない人たち」による「守られている側への攻撃」という“病巣”、ネットが媒介する人間関係の脆弱性・無思   想性が抉りだされる。今日本が抱える新しいタブー集団に切り込み、若者の“潜在意識”を浮き彫りにした鮮烈な   ルポ。
〔JCJ賞〕
 NNNドキュメント12「行くも地獄 戻るも地獄~倉澤治雄が見た原発ゴミ~」 3月11日放送
 〔受賞者〕NNNドキュメント12「行くも地獄 戻るも地獄」取材班(日本テレビ・札幌テレビ・中京テレビ)
  [受賞理由] 原発から出る“核のゴミ”をどう処分するか。その実態を世界に追う。スリーマイル島原発の溶け落ちた   核燃料は、3000キロ離れた施設に33年間保管されている。気の遠くなる実態に、カメラが初めて入った。さら   に浜岡原発や六ヶ所村再処理工場、北海道幌延町、フランス、モンゴルなどを多角的に取材。人類が核のゴミを   制御・処分する技術を確立しないまま、原発を推進してきた現実を厳しく告発する。
〔JCJ賞〕
 インターネット放送局「OurPlanet-TV」の一連の報道活動
 〔受賞者〕NPO法人OurPlanet-TV 白石草代表と制作スタッフ
  [受賞理由] 非営利のインターネット放送局OurPlanet-TVは、「3.11」以後、原発災害問題の取材を強   化し、子どもの被曝問題などで積極的な取材と情報発信を展開している。4月には「徹底検証!テレビは原発事   故をどう伝えたか」を放送し、大手テレビの原発報道を市民目線で初めて検証した。こうした一連の活動は、大   手メディアによる独占的な情報発信だけでなく、市民の立場からの新たな情報回路を創出しようとする画期的な   取り組みであり、高く評価したい。
〔特別賞〕
  横浜事件・再審裁判=記録・資料刊行会『横浜事件・再審裁判3部作』 高文研2011年10月3日刊
  〔受賞者〕 横浜事件・再審裁判=記録・資料刊行会
   [受賞理由] 横浜事件は、出版史上最大の弾圧事件である。特高警察による凄惨な拷問で2人が獄死し、出版社     (中央公論社と改造社)が廃業させられた。この「権力犯罪」による事件を、裁判所が「冤罪」として認める    までの過程を、<全記録・ドキュメント・総括>の3部作で明らかにする。今なお「秘密保全法」の策定など    、言論の自由が脅かされ、また冤罪事件が続く状況にあって、本3部作の刊行は、極めて価値のある業績とし    て評価される。         
                                          (12.7.13)


再稼働反対で県庁包囲
伊方原発の松山で1300人


 野田佳彦首相が記者会見で関西電力大飯原発(福井県)の再稼働承認を表明して2日後の10日、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の再稼働に反対する集会が松山市で開かれ、四国、中国、東京、九州などから集まった1300人が怒りの声をあげ、愛媛県庁を「原発はいらないぞ」「再稼働反対」の声で取り囲んだ。翌11日には集会決議を持って中村時広愛媛県知事と山下和彦伊方町長に再稼働に同意しないよう、また四国電力社長に稼働させないよう申し入れた。
 伊方原発3号機は16日に再稼働が決定した大飯原発3、4号機に次いで再稼働へ向けた手続きが進んでおり、ストレステストについて原子力安全委員会の確認を残すだけとなっている。時事通信によると、中村知事は18日の定例記者会見で、伊方原発3号機について、「安全性を最優先に、条件を整えた上での再稼働が必要だ」と述べたという。
 集会は松山市の市民団体「伊方原発をとめる会」が主催、高知から約400人、大分から80数人、東京から約20人、広島から10数人など西日本を中心に各地から県庁に隣接する城山公園に集まった。とめる会の草薙順一事務局長は「人類と原発は絶対共存できない。伊方原発をとめるために全力を尽くす」と挨拶。作家の広瀬隆さんは「野田首相の退陣を求める」と怒りをあらわにした。福島県富岡町から水戸市に避難中の木田節子さんは「国民を守らず、電力会社を守って、野田さん恥ずかしくないですか」と憤った。
 参加者は愛媛県庁包囲行動の後、アーケード街をデモ、道行く市民に「原発よりいのちが大事」と呼びかけた。
 11日には参加者有志約80人が愛媛県庁を訪れ再稼働に同意しないよう要請。また約60人が伊方原発ゲート前で集会を開き、四電社長に申し入れた。次いで伊方町役場を訪れ、町長あての集会決議を手渡した。伊方町で応対した坂本明仁政策推進課長は「今までとは違う町民もいることは町長も認識している」と不安を抱く町民がいることを認めたが、「安全の承認は国が行うこと」と国任せの姿勢に終始した。                                                   

★愛媛県庁(奥のドームの建物)に向かい伊方原発再稼働反対のシュプレヒ
 コールをあげる参加者(松山市城山公園)

★伊方原発再稼働反対で愛媛県庁を包囲するデモ (松山市)
                                           (12.6.19)


         「福島後」の広島の思想を探る
                 「広島ジャーナリスト」第9号刊行


 季刊誌「広島ジャーナリスト」第9号が6月15日、刊行された。福島原発事故後の被爆地広島の思想的変化を特集した。浅川泰生編集長が巻頭言で「再構築すべきものは何か」と問い、元新聞記者で元広島市長の平岡敬氏、市民運動家の森瀧春子さん、広島平和研の高橋博子さんがこの1年余を総括した。核平和利用容認からの転換を求める声が共通トーンとなった。広島平和研の田中利幸氏、日本戦後史・被爆史の研究者宇吹暁氏が「『核と平和』思想の源流を探る」のサブテーマで平和思想の成り立ちを振り返った。
 「5・6さよなら原発のつどい」や「3・11 2千人集会」での「原発再稼働」や「瓦礫(がれき)」をめぐる議論も重点掲載した。原爆投下直後の「黒い雨」被害地域の拡大を求める声をあらためて取り上げ、国の消極姿勢に警鐘を鳴らした。
 介護問題の専門家三好春樹氏の「〝排除社会〟が生み出すもの」は「絆」や「ひとつ」という言葉が持つ危険性を指摘したユニークな論考。「広島避難日記」や「気仙沼通信」では避難者や被災者が心情をつづり、「わたしの『8・6』」と合わせ、体験者の声を記録するコーナーを継続した。
 一方で「基地・安保・戦争」も力点を置いた。「激増する米軍低空飛行」は「低空飛行の即時中止を求める連絡会」事務局スタッフが執筆。松元剛・琉球新報記者の連載「沖縄リポート」は沖縄施政権返還40年に焦点を当て「差別への怒りが覆う」と、熱い一文。「国民主権揺るがす秘密保全法」は、日弁連でこの問題の対策本部副本部長を務める井上正信弁護士の講演詳報。元毎日新聞記者・西山太吉氏の「隠蔽体質打破こそ重要」と合わせ、問題の所在が背景ごと分かる形にした。「終わらないアフガン戦争」や「世界の核情勢」は国際的な視点に立つ論考。
 B5判155㌻、定価500円。定期購読のほか、紀伊国屋書店広島店など広島市内の書店などで販売している。
                                            (12.6.16)


 「がれき、他地方で処理」の希望、聞いたことがない

伊達市から避難してきた藤井良子さんの発言


 「さよなら原発のつどい」(5月6日)の第2部では、「震災がれきの広域処理とは?」というテーマで会場の参加者を交えた討論が行われた。福島県伊達市から夫と避難してきた藤井良子さん(50)=広島市安佐南区=の発言要旨を紹介する。
 4月上旬に福島県の伊達市からこちらに避難してきました藤井といいます。本当に広島県の皆さんに温かく迎えていただいたたと感謝しています。福島のことに今でも関心を持っていただいて心から感謝します。私の主人は宮城県石巻市出身で、石巻の中心部は半分くらい壊滅状態で、主人の実家のある町も壊滅状態でした。ほとんど町がなくなったので瓦礫の山はすごかったです。中心部から復興が始まりまして、実家の近くは6月になっても手つかずのままでした。瓦礫の山を見ると悲しい気持ちはありますが、私がここでぜひお伝えしたかったのは、みなさん、それ(瓦礫)をほかに持っていこうという発想は本当にないんです。どこからそんな発想が起きているのか。今でも不思議でなりません。本当に瓦礫は、思わず涙がでるくらい(いろんなことを)思い出してしまうんですが、主人の地元の誰に聞いても、確かにつらいけど、なんでそんな遠くに、持っていくんだろう、そんな感じです。放射能がついてる、ついてない、そんな認識はあまり持ってなかったんですが。
 ただ、私は、うちの親戚、20数人なんですが、そのうちの10数人の意見しか聞いてはいないんです。細野大臣(豪志、内閣府特命大臣=原子力行政担当)はどこの被災地で聞かれたか分かりませんが、少なくとも私がこの耳で聞いたのは事実なんです。そこに放射性物質はついていると思います。福島、伊達、飯舘、ものすごい放射線量ですが、それでもほとんどの放射性物質は太平洋に流れていると聞きました。やはりそれは原発の地元の敷地にとどめるべきだと思っています。地元にいると本当にいろんな立場の人がいて、これを言ったら傷つくかなと私でさえ思うので、なかなか声に出しにくいところがあるんですが、ほとんどの福島の人はそう思っています。
 私は福島にいるころに、実は教員でした。なんとか子供たちを守ってあげたいんですが、無理なんです。どうやっても放射能から逃れることはできません。息をしても入ってきているので、無理なんです。それで私はこちらに避難してきました。がんばってね、という声も聞かれましたが、無責任だという声も聞かれました。もちろん、私だけ逃げるというのはすごく無責任です。でもそれくらい危険なんだよということも知ってもらいたいということもあります。こちらに来ると石巻から避難した長男と家族3人、無職で、ネットを使えない、でもマスコミは本当のことを全然流さない。広島だからこういうところがあると思っています。マスコミの情報ばかり聞いていたら、福島のことは分からない。私もこちらに来て3日間はマスクを外せなかった。怖くて。でも4日目に外して、こっちに来てよかったなあと思っています。
 瓦礫の話と違いましたが、私の親戚や石巻の方、瓦礫をほか(の地域)に出す、そんなこと考えも及ばなかった、というのが実際のところだと思います。安全な、普通の生活ができる地域になんでわざわざ、放射能をばらまくのかな、私は政府は普通じゃないのじゃないかと思っています。これが政府の実態だなあと思っています。今でも関心を持ち続けてくれている人々がいらっしゃる。これが私たちの唯一の希望だと思います。
 (映画「風とともに去りぬ」のヒロイン)スカーレット・オハラが手に持って頑張ろうと思ったのは土なんですね。でも私たちにはその土さえもないんです。みなさんの気持ち、関心、それがあるから私たちもほかのところでやっていける、生きていけると思っています。みなさん、きょうはありがとうございました。
 【写真】福島県伊達市から広島に移住し、がれき処理などについて発言する藤井良子さん。
  [注]かっこ内は編集部                                (12.5.14)


さよなら原発のつどい 再稼働・震災がれきで討論

湯崎知事への再稼働反対表明要請を決議


 全国に50基ある原発すべてが停止したことを記念し、再稼働ストップ・震災がれき徹底討論をテーマにした「さよなら原発のつどい」(さよなら原発ヒロシマの会主催)が5月6日午後1時半から原爆資料館会議室1で開かれた。約250人の参加があり、第2部の震災がれき討論は、閉会後も約80人が会場に残り、夕方6時まで続いた。
 第1部の「再稼働許すな」では、さよなら原発ヒロシマの会の滝史郎事務局長が「原発ゼロでも電力は大丈夫」、同会運営委員で「原発はごめんだヒロシマ市民の会」代表の木原省治さんが「これからの運動のポイント」を話した。また、湯崎英彦広島県知事に原発再稼働に反対を表明するよう求める要請文(別項)を提案し、採択した。
 要請文は7日、運営委員13人が県庁を訪れ、提出した.

 第2部の「震災がれきの広域処理とは?」はいずれも同会運営委員アーサー・ビナードさん(詩人)と徳岡真紀さん(主婦、三次市在住)の司会ですすめられ、同会運営委員の青木克明さん、市民グループ「POCO A POCO」の長橋綾子さん、「ひなの会」の信恵勝彦さん(尾道れいこう堂店主)の3人がパネリストをつとめた。
 会場からも、東北・関東からの避難者や広島県内各地の市民から震災がれき広域処理の意味を問う発言が続き、約3時間にわたって討論が続いた。


250人が参加して開かれた「さよなら原発のつどい」。講演者はさよなら原発の会運営委員の木原省治さん

震災がれきの広域処理について発言する左から徳岡真紀さん、アーサー・ビナードさん、信恵勝彦さん、青木克明さん、長橋綾子さん

アーサー・ビナードさんの話に聴きいる参加者
                                            (12.5.7)

【つどいで採択された広島県知事あての要請書】

                                         2012年5月7日
  広島県知事
     湯崎英彦様
                                     さよなら原発ヒロシマの会
                                      共同代表 アーサー・ビナード
                                        同  青木 克明
                                        同  佐々木猛也
                                        同  三浦 精子

         広島県は原子力発電所の再稼働に反対してください

 東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年以上経ちましたが、いまだ原子炉は不安定なままで、また広範な放射能汚染で住民の暮らしと健康は脅かされ続けています。そればかりか、美しい大自然もすべてが被曝し、汚染された中で満開に咲いている桜を見るにつけ哀れでなりません。
 この事故は「立地自治体」をはるかに越えた、広範囲に深刻な事態をもたらすことを実証しました。
 広島県でも瀬戸内海を隔てて四国電力伊方原子力発電所があり、北には山を隔てて中国電力島根原子力発電所が存在しています。いずれの原子力発電所も事故があれば広島県民に甚大な被害が及ぶことは想像に難くありません。
 広島県知事におかれましては、「4つの挑戦」の一つに「安心な暮らしづくり」を掲げられ、県民の健康と安全に大きな責任を持っておられます。そのことからも近隣の原子力発電所の存在は、決して無関心ではいられないことと思います。
 地震ともなれば活断層が問題になりますが、昨年の大地震でこれまでの「安全審査基準」が適切ではなかったことが明らかになるなど、既設の原子力発電所の安全性を見直すことが不可欠です。
 教訓とすべき福島第一原発は、いまだ炉心の状態の正確な把握や、地震の影響の解析などできていません。このような段階で適切な対策は立てられるはずがありません。原子力安全・保安院がとりまとめた津波対策はこれまでの事故調査も反映されておらず、科学的検証もなく、机上の計算に過ぎないストレステストを加えて、原子力発電所の安全を事足らせようとしています。
 政府の原子力安全・保安院と原子力安全委員会は原発の推進的立場であり、安全のために規制する機関としては機能していません。このたびの事故時にも適切な対応ができず国民の信頼は全く失われました。規制機関が事実上存在しない状態で原発を稼動させようとすることは、国民の安全をないがしろにするものです。さらに事故時にそれを収束させるための指揮体制すらなく、政府としての役割を全く放棄しています。
 それにもかかわらず、政府は国民の不安を無視して、原子力発電所を再稼動させようとしています。
 福井県にある関西電力大飯原子力発電所の再稼動問題では、隣接する京都府と滋賀県の知事が強い懸念を政府に進言しています。
 いま伊方原子力発電所3号機の再稼動の準備が進んでいます。そして伊方1・2号機、島根1・2・3号機もそれに続こうとしています。そこで広島県知事に次の二点を強く要請いたします。

1. 島根、伊方いずれの原子力発電所の事故でも広島県民に甚大な被害を与える可能性のある、これら原子力発電所 の稼動に当たっては、広島県の同意が必要であることを表明してください。
2. そしてさし迫っている伊方原子力発電所3号機の再稼動は、当面認められないことを広島県の意見として表明し てください。

 とりわけ世界で初めて原爆投下された広島県の知事として、「二度と放射能の脅威に苦しむことは許されない」とお考えのことと思います。県民の暮らしと健康を守るという立場から、誠意ある回答をくださいますようお願いいたします。お忙しいところ大変恐縮ですが、2週間後の5月21日までに御返事をいただきたく、よろしくお願いいたします。
 なおこの要請文は5月6日の「さよなら原発のつどい」で決議されました。
                                            (12.5.7)

       秘密保全法策定の背景に日米軍事一体化
             JCJ広島支総会で井上弁護士講演

 JCJ広島支部は4月28日、広島市中区で開いた2012年度総会で「独自の機関紙・誌、ホームページ、インターネット放送局を足場に自由な言論、人権と民主主義と平和を担うジャーナリスト活動」を目指す12年度の活動方針を決めた。総会後、日本弁護士連合会秘密保全法制対策本部副本部長の井上正信弁護士=写真=(広島弁護士会))が「秘密保全法の『秘密』を解く」と題して特別講演。会員外の市民も加わって「危険な今」を学んだ。
 当面、3月で8号まで積み上げた季刊「広島ジャーナリスト」と支部ホームページの内容充実に重点を置く。自由メディアへの映像送信も視野に入れる。08年から続けている「ヒロシマ基礎講座」は昨年度3回開講。「詩人と医師、歴史家が語り合う『ヒロシマからフクシマまでの道』」「いま中国地方の基地は-新防衛大綱を考える」「『黒い雨』と放影研」をテーマにした。本年度は講座を運営する事務局の体制強化と、より幅広い活動へ目配りしていく。
 井上弁護士は、国家機密漏洩を防ぐための秘密保全法制化について「動きが国民の目から隠されている上、その中身も秘密にされている」と指摘。法制化のたたき台をつくった有識者会議の議事録が作成されておらず、官僚による資料隠し、改ざんなどが相次いで明らかになっていると述べた。かつて廃案になった国家機密法の再来で、背景には新防衛大綱の策定、強まるばかりの日米軍事一体化があり、軍事情報の漏えいを危惧する米の意向も考えられるという。
 井上弁護士は、保護されるべき「特別秘密」が無限定であいまいな概念であることに強い懸念を表明。法制化は憲法の国民主権と民主主義原理、基本的人権の保障、憲法9条の平和原則に反する。法制化を断念させるには「常に情報公開を求めていく持続的な国民の動きの広がりが力になる」と呼びかけた。
 総会を祝してJCJ本部をはじめ関西、岡山、福岡、岡山の各支部から連帯メッセージが寄せられた。2012年度支部役員は次の通り。代表幹事 沢田正(再)▽副代表幹事 利元克巳(再)難波健治(新)▽事務局長 井上俊逸(新)
                                              (12.5.1)


原子力政策、国は今どう動こうとしているか


原子力資料情報室の伴英幸さん講演


 「原発はごめんだヒロシマ市民の会」は4月14日、広島平和記念資料館東館で講演会「原子力政策、国は今どう動こうとしているか」を開いた。講師は原子力資料情報室共同代表の伴英幸さん(写真)で、経産省の総合エネルギー調査会基本問題委員会で原発ゼロを主張している。約100人を前に国のエネルギー政策を根本から変えてゆくには、脱原発の世論をさらに高めていく1000万人署名など現場の力にかかっていると訴えた。
 伴さんは委員会のこれまでの議論について、東電福島第1原発事故にもかかわらず原子力への依存を続けようとする声が大きいと報告。夏ごろまでに決定する「2030年の原発割合」の選択肢の一つに「35%」が入ったことについて、原子力村の委員と事務局が緊密な打ち合わせで動いていたのではないかと述べた。まるで事故がなかったかのような発言がなされている。省エネルギー、再生可能エネルギーへの積極性も感じられないという。今後1カ月が議論のヤマ場になる。伴さんら8委員(全体25委員)はエネルギー需給から見た新たな社会像、それを実現する政策の基本方針を議論の中心に置くように意見書を出している。
 伴さんは原子力委員会原子力発電・核燃料サイクル等技術検討小委員会で、深刻になっているトイレなきマンション問題についても議論している。青森県下北半島の六ケ所村などの核燃料サイクル事業は行き詰まっており、脱原発と表裏一体の関係にある論点だ。当面の政策選択肢としては①全量を再処理②再処理・直接処分(埋設)併存③直接処分-の三つが考えられる。伴さんは事務局の意図は②の「併存」にあるとみているが、技術面で稼動できないでいる六ケ所村の再処理工場の扱いが焦点になりそうだ。電力会社は国策でやっているという。事務局は民間事業だから電力会社の選択次第という。どちらも責任をとろうとしない。こうした中で注意を要するのは、核兵器開発の潜在能力に欠かせないプルトニウム生産技術を維持する配慮からの再処理論が、委員の一部で公然と語られるようになっている点だ。伴さんは推進側の危機感の現れでもあろうと述べた。
                                            (12.4.17)


「広島ジャーナリスト」第8号発売


 東日本大震災・福島原発事故から1年の3月15日、「広島ジャーナリスト」第8号が広島市内の書店などで発売された。B5判143㌻で定価500円(消費税込み)。同誌は1980年代以来途絶えていたが2010年夏、装いを新たに復刊。3カ月ごとの定期刊行を続けている。
 第8号は「震災・原発1年<再生>は見えたか」をメーン特集とした。福島生協病院(広島市)病院長をへて医療生協わたり病院(福島市)医師の齋藤紀さんが福島復興と再生への道のりを提示。福島大准教授の丹波史紀さんが避難所を漂流する被災者の現状を詳細に報告した。中四国地方の原発事情については、さよなら島根原発ネットワーク事務局の芦原康江さんが自治体による周辺安全協定の拙速ぶりを批判。サイエンスライター田中三彦さんが、島根原発などで採用されているMarkⅠ型格納容器は耐震設計上基本的な問題があると指摘した。11年12月に起こされた伊方原発運転差し止め訴訟については、原告代理人の一人で弁護士の定者吉人さんが意義と課題を解説。福島から避難し伊方原発訴訟の原告共同代表となった渡部寛志さんが思いを書きつづった。関連して連載「南海日日新聞の日々㊥」を載せた。
 もう一つの特集「放影研『黒い雨』データ公開を」では「オークリッジ・リポート」の存在を明らかにした本田孝也さん(長崎保険医協会副会長)が、ヒロシマ基礎講座で語った講演内容を詳報した。次号もこのテーマを継続する。
 普天間基地移設で揺れる沖縄から琉球新報政治部長の松元剛さんが「『負担軽減』の虚飾」とリポート。離発着訓練場計画が浮上した馬毛島の現状を「鹿児島に米軍はいらない県民の会」事務局次長の大石正博さんが寄稿した。
 理論物理学者で反核・平和運動にも発言を続け、2月18日に亡くなった庄野直美さんの業績について前広島女学院大教授の宇吹暁さんが「『庄野直美』私論」を寄せ、広島大名誉教授の葉佐井博巳さんが故人の思い出をつづった。
 広島市民球場跡地問題で、考古学ライターの後藤研一さんが埋蔵文化財(遺跡)の問題がなおざりにされ議会やメディアの関心が低いことを憂えた。球場問題では、解体の賛否を問う住民投票の市長却下の是非をめぐって「判断は妥当」とした広島地裁判決を「歴史と未来を守る会」代表の土屋時子さんが「市民蔑視」と批判した。
 「この1冊」で掲載を続けていた書評は「THE BOOK」と体裁を変え、1㌻全面を使って2本立てとした。今号はモニカ・ブラウ著「検閲」とチャルマーズ・ジョンソン著「帝国解体」をとりあげた。
 同誌は紀伊国屋広島店、フタバ図書紙屋町店など、MARUZEN&ジュンク堂広島店、啓文社廿日市店―のほか、日本ジャーナリスト会議広島支部でも扱っている。 
                                          (12.3.15)

                                       

等々力隆広さん(福島被災者)の訴え

3.11さようなら原発1000万人アクションin広島集会


 福島市飯野町から来た等々力隆広と申します。きょうは風が強いのですが、福島市ではこういう強い風が吹くと今でも空間線量が上がってガイガーカウンターから嫌なガリガリという音がします。こうしてみなさんの前に立てる安堵感と罪悪感を感じます。
 福島では福祉の仕事をしながら小さな田畑を耕し仲間たちと自給自足の緩やかなコミュニティー作りを楽しんできました。昨年正月2日に息子が生まれ、おんもに出たいと待っていた1年前のこの日、この列島の東の大地は今にも沈むばかりの難破船になって揺れ動きました。海原から大波が押し寄せあまたの命の憩いの場がなすすべもなくさらわれていきました。
 わが福島県でも浜通りという沿岸部を津波が襲いました。一方、私の住む福島市は中通りとよぶ盆地で地震の直接的被害は限定的なものでした。中通りから東へ阿武隈山地を越えて車で1~2時間走らせれば浜通り地域に着きます。本来なら浜通りの救援ボランティアに駆けつけてしかるべき私たちだったのです。
 しかし、悔しいかな福島第1原発が爆発したことを知り、直ちに健康への影響はないと官房長官が繰り返すのを聞きながら、私は心の中で「母さん、無邪気な時代は終わるんだね」と思わずつぶやきました。悪い夢を無理やり買わされたような時間の中、畑の麦や野菜たちは夏草に埋もれていきました。
 そしてきょう、「東日本大震災から1年の節目を迎えようとしています」とメディアがそろって伝えます。しかし、福島にとってこの日はあの地震から1年たった日であって、震災から1年たった日ではありません。私は言葉の揚げ足取りをしている訳ではないのです。なぜなら私たちにとって震災は今なお進行中であるからです。津波は海に戻っても原子炉から漏れ続ける放射能というおか津波は愛する福島の空に海に山に、そこに住む生きとし生けるものにこの刹那も押し寄せ続けているのです。
 正直を申せばきょう11日はひっそりと誰にも会わず過ごすつもりでした。震災の津波で犠牲になった、ことに原発事故で救助そのものが放棄された犠牲者をせめて悼もう、非日常が日常化した福島の中で、とりわけ非日常な第1原発の中でミッションを遂行する、ことに名前さえ定かでない末端下請けの作業者の日常をあえて祈ろう、振り返る余裕も見渡す配慮もできなかったこの1年の購いのためにそう思ったんです。
 しかし、みなさんが集まるこの日だからこそその声をそのまま発することが私に与えられた今の幸せだと思い直して、今ここに立たせていただいています。震災は終わっていません。むしろこれからです。始まったばかりという方が私たちの実感です。
 今回、古里の広島市に避難した連れ合いと息子を通じて原爆被爆者の方たちとのご縁をいただいています。その中で恥ずかしながら被爆被害への切実な取り組みがいまだに続いていることを初めて知りました。そんなラストの被曝地福島の井の中の蛙がファースト被爆地広島へ自戒と連帯をこめて、核災害はこれにかかわるすべての人の来し方行く末を否応なく問いただす事象であると僭越を顧みず申し上げます。
 私はこの1年、福島で仕事を続けながら月に1度、福島と広島を往復する生活を続けております。私の住む福島のある中通り地域は政府の避難指定を受けてはいません。普段1㍉シーベルトであった被曝基準が今回、臨時に設定された年間20㍉シーベルトを下回っているからです。しかし、そこにはかのチェルノブイリ事故では強制非難、あるいは避難の権利保障が認められる、そういう水準の汚染が広範囲に広がっています。
この低線量長時間被曝といういわば慢性的な緊急事態をめぐって健康問題、経済問題、地域社会問題などあらゆる価値観がスプロール現象のように錯綜し地域、職場、家族の間にしこり、軋轢が多発しています。お互いに知らず知らず疑心暗鬼になり、日常生活の中で原子のつぶてに貫かれながら放射能を語るのが憚られる雰囲気に支配されています。
とりわけ放射能の影響を受けやすいといわれる子どもの健康被害を心配する親たちの孤立感は限界をとうに超えています。その一部はインターネットや電子メールでつながって、避難の案内、被曝の危険を減らす知恵、放射能にかかわる学習会、講演会などの情報を交換して支えあってきました。そこで共有されている志は子どもを放射能から守るという一点において連帯し、言い出しっぺが先頭となりあらゆる活動をしていくというものです。
 ですからその中には原発を容認するという人さえいます。私は以前から原子力は持続可能な技術ではあり得ないと判断し命を守るには原発撤回が不可欠と考えてささやかな行動をしてきました。その一方で福島の子どもを守る、その一点で原発容認の人ともともに活動することを、やむを得ずの呉越同舟とはとらえていません。3・11以前の私への反省は、原発反対を人に言っているつもりが、実際には空にしか言っていなかったということです。たとえどんなに茨の道であろうとも廃炉への道を歩むのは、原発推進・廃止の同行二人でしかなしえないと、映像の向こうの無残な原子炉建屋のしゃれこうべが私に問わず語りに語ってきたのです。
 54基ある原子炉のうち稼動しているのは2基だけになりました。久しく覚えのない原発ゼロの日本をカウントダウンするかのように胸躍らせる友がいます。でもその2基は定期点検という予定のプロセスを通り止まるのです。私はすべての原発が止まるかもしれないその日の私たちが、今まで見たことのないびょうびょうたる干潟を見たというあの3月11日の浜辺の人々にオーバーラップして仕方ありません。そんな第三の津波への防波堤はもちろんコンクリートではなく人と人との膝詰め談判なのではないでしょうか。そこにはE=mc2乗という魔法の法則に魅入られた、魂を売った人々がいます。彼らを質量保存の汗をかき、血の通う俗世に奪還するにはどうしたらいいのか、「なにしよるねん」と怒鳴るだけでええんじゃろか、というのがこの原子力列島の西東をこの1年飛び交ってわめいているしけた原子のつぶやきであります。
 原発事故直後、着の身着のままで山形、新潟、大阪を経て広島に逃れてまいり、広電の電停に立った私たち家族におもむろに近づいてきた熟年の紳士が1万円札を取り出し「ええけん、ええけん」と名前も聞かぬまま行かれ、見送る背中に手を合わせました。それが、率直で懐の深い広島の人情との出会いでした。その後もたくさんの市民や支援者の方とのご縁をいただいてこれまでの困難をしのいでこられました。祝島の方にもお世話になりました。この場を借りてあらためてお礼申し上げます。ありがとうございます。これから、さらに地元に根を張り、根をのばして私たち先輩避難者が支援者となって後続を支えるコミュニティーを作っていかなくてはと考えています。
 この人災に対する東京電力や国の責任をそこで問うていくのは当然の使命と考えていますが、未来を担う子どもに対しては日本の大人がすべて責任があるのもまた重層的な事実です。健康に影響なしとはもはや言えない環境に子どもを放置し続けるこの国は、守られるべき国際通念である、確定できない安全は危険とみなす予防原則を踏みにじっています。今、主権の主体たる国民自身に国としてどう動くのかが一人ひとりに問われているのではないでしょうか。人と核がお互いに侵しあわない、そういうビジョンをともにできる広島と福島の市民が率先して手を携え、祈りとともに原子力からの底なしの欲望からの自由を実現して自由の風を吹かせていきましょう。
 【写真は、等々力隆広さん】
                                           (12.3.13)


脱原発で2千人が集会

原水禁運動の枠超え行動


 東日本大震災から1年の11日、広島市基町の中央公園で全国の行動に合わせた「さようなら原発1000万人アクションin広島集会」が行われ、約2000人が参加、市中心部をデモして道行く市民に脱原発を訴えた。
 集会は平和活動家森瀧春子さんや平岡敬元広島市長、坪井直日本原水爆被害者団体協議会代表委員ら4人が呼びかけて開かれた。参加者は原水禁と原水協という原水禁運動の枠を超えて集い、福島事故で立ち上がった子育て世代の市民らとともに脱原発を掲げて行動した。冒頭、震災の犠牲者に黙祷を捧げた後、呼びかけ人があいさつ。森瀧さんは「核はウラン鉱山の採掘から、核戦争、核実験、原発事故、劣化ウラン兵器まであらゆるところで被曝者を生み出している。核と人類は共存できないことを胸に刻み、私たちが核に否定されないために私たちが核を否定していこう」と強調した。
 平岡さんはメッセージを寄せ「今こそ核エネルギーに依存しない新しい真の民主主義を実現する社会をつくる時。原発事故収束の見通しも立っていないのに原発の再稼動や輸出をもくろむ政府に断固反対し抗議しよう」と訴えた。
 中国電力の上関原発建設計画に反対し30年にわたって闘ってきた上関町・祝島の山根善夫さんも駆けつけ「祝島の住民は生活の糧である海は売らないと反対してきた。気を緩めることなく建設計画の撤回というはっきりした言葉を聞くまで命がけで頑張る。脱原発の声を広げてほしい」とよびかけた。
 妻子が広島市に避難し、自身は福島市に残って働く等々力隆広さんは「福島にとって震災は今なお進行中。津波は海に戻っても原子炉から漏れ続ける放射能というおか津波は押し寄せ続けている。福島の親は原発容認派も含め子どもを放射能から守るという一点において志を共有し連帯している。未来を担う子どもに対しては日本の大人がすべて責任がある」と述べ、会場の共感を呼んだ。
 これに先立って午前10時から原爆資料館地下のメモリアルホールで「3・11追悼 さよなら原発のつどい」が開かれた。ホールをぎっしり埋めた約400人を前に集会を呼びかけた「さよなら原発ヒロシマの会」共同代表の児童文学者三浦精子さんがあいさつ。「原発事故で子どもが自由に遊べない状況になってしまい、憲法前文にうたわれた平和に生きる権利が奪われている。なぜ原発の建設に反対してこなかったのかと子どもたちに責められても仕方がない。一日も早く原発の全面廃炉を実現することが大人の罪ほろぼしであり、子どもたちへの詫び状だ」と訴えた。
 原爆ドーム前では11時から「3・11ヒロシマ発 内部被曝は嫌だ!原発はハイロ」集会が開かれた。子連れの父母ら市民約300人が参加。主催した実行委員会を代表して森本道人さんが、1年前に震災に遭ってから普通の会社員が原発をなくすために行動するようになった思いを話し、「私たちの生存を根底から破壊する原発はいけない。原発がなくても電気は足りている。私たちは被曝を拒否し、放射能汚染食品を拒否しなくてはならない」などと呼びかけた。集会後、さよなら原発のつどい参加者も加わり、ドーム前から中央公園までデモして午後1時からの1000万人アクションin広島集会に合流した。                           (12.3.12)
  
       

【写真速報】3・11脱原発を求める行動

 
 大震災、原発事故から1周年の3月
11日、市民団体による集会やパレードが広島市内で繰り広げられた。



 「3.11追悼 さよなら原発のつどい」で行動提起をする滝史郎・さよなら原発ヒロシマの会事務局長
 (平和資料館メモリアルホール)


 原爆ドーム前集会で「原発はハイロ!」の紙を一斉に掲げる


 原爆ドーム前から中央公園へ向けて出発するパレード隊


 「3.11さようなら原発1000万人アクションinヒロシマ集会」で「さようなら原発!」の意思表示をする参加者
 (中央公園


 広島市の中心部をパレードする「1000万人アクションinヒロシマ集会」参加者                                                          (12.3.11)



          本田医師らデータ公表、分析を求める
                ヒロシマ基礎講座ー「黒い雨」と放影研 開く


 日本ジャーナリスト会議広島支部は2月5日、広島市中区で第24回ヒロシマ基礎講座「『黒い雨』と放影研」を開いた。講師には放射線影響研究所の原爆「黒い雨」データの存在に昨秋気づいて、公開を求めてきた長崎市の内科医本田孝也さん(長崎県保険医協会副会長)を迎えた。本田さんは黒い雨による放射線被害者の援護を進めるために、データを活用する必要があると述べた。続いて広島県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会事務局長の牧野一見さんら2人が黒い雨に遭った被災者は今もがんなどで苦しんでおり、放影研はデータを全部公開し被害の真相解明を急いでほしいと訴えた。約70人が聴講した。
 本田さんは地元、間の瀬地区に降った黒い雨と住民の脱毛との関連性などを調査しているうちに、米オークリッジ国立研究所の1972年のリポートに行き当たった。「黒い雨」を浴びた人に高い確率で急性症状が出ていると、放影研の前身である原爆傷害調査委員会(ABCC)の職員と米研究者が共同執筆していた。放影研は寿命調査(12万人余対象)の中で「原爆直後雨に遭った」と回答した約1万3000人のデータを保有しながら公表せず、本格的な研究もしていないことも分かった。50年代から60年代にかけて面接し、場所や性別、年齢、急性症状を聞いていた。
 放影研は当初、科学的に価値のあるデータではないと意図的な隠蔽を否定。その後、遭遇者の分布図を公表したが解析を加えていない。黒い雨被害の解明は急性症状のほか、川や井戸水などを通しての内部被曝とも大きなかかわりを持ち、外部・内部被曝に直面しているフクシマとつながる課題だ。本田さんは「不確定な要素を切り捨てるのではなく、それを加えて幅広く解析することが大事だと思う」と話した。
 黒い雨の援護対象区域の拡大について厚生労働省の有識者検討会のワーキンググループは今年1月20日の第6回検討会で「降雨域を確定するのは困難」と報告した。「黒い雨被害者の運動は正念場」を迎えている。牧野さんは放影研のデータについて、記憶がまだしっかりしていた時の調査で正確なはずと指摘。「入力を終えた」という生のデータを公表させて「健康影響の資料として検討会で検討するように迫りたい」と語った。
(詳報は3月中旬に発行する「広島ジャーナリスト8号」に掲載します)
                                             (12.2.7)


          2月5日 講座 「黒い雨」と「放影研」
                  JCJ広島支部主催 
 
 長崎の医師、本田孝也さんが偶然見つけた英文のリポートが、波紋を広げている。リポートをめぐる放影研とのやりとりの中で、1万3千人の「黒い雨」データを放影研が保有していることが明らかになったからだ。その後、放影研は黒い雨を浴びた地点を地図に落とした分布図だけは公表したものの、急性症状などを含む生データの公表は拒んでいる。黒い雨を浴びた人に原爆症特有の急性症状が表れたことを示すリポートは、どんな経緯で何を目的に書かれたのか。放影研はデータを公表すべきではないのか。発見者と、広島で「黒い雨」住民運動に取り組む2人がホットな話題を提供する。
 下記の通り、日本ジャーナリスト会議広島支部主催の第24回ヒロシマ基礎講座が開かれる。
 ■と き  2月5日(日)午後2時から4時半
 ■ところ  原爆資料館東館地下会議室(1)
 ■テーマ  「黒い雨」と放影研
  ① オークリッジリポートをこう読んだ  
    発見のいきさつとリポートの「謎」
            長崎県保険医協会副会長  本田孝也さん
  ②ヒロシマの「黒い雨」 
    指定地域拡大の運動と放影研
            広島県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会事務局長  牧野一見さん
 ■参加費   500円(資料代)※学生は無料
                                             (11.2.2)


            沖縄蔑視発言、琉球新報記者はこう見た


 日本ジャーナリスト会議(JCJ)広島支部は12月15日付で「広島ジャーナリスト」第7号を発行した。
「基地の町と戦争はいま」と「原発の闇が暴かれる」を2大特集とした。

  基地特集では、11月28日夜にあった田中聡沖縄防衛局長の沖縄蔑視発言を翌日付朝刊でただ一紙報道した琉球新報で、当夜の編集現場にいた松元剛政治部長が「沖縄リポート」を寄せた。オフレコ懇談での発言だが、松元部長は記者の報告を聞いて「耳を疑った」とし「普天間飛行場の返還・移設問題への政府の処し方を、性的暴行になぞらえた発言は見過ごすことはできず、オフレコであっても読者に伝える公共性、公益性が勝ると考えた」と判断したという。オフレコ取材の問題点については、浅川泰生本誌編集長が巻頭言で「発言内容からして、1社でもオフレコに承服できないなら通告したうえで報道すべき」との考えを示した。

 中国地方の基地を取り巻く問題点を取り上げたヒロシマ講座の詳報も掲載。日本平和委員会常任理事の中尾元重さんら4人が新防衛大綱の波に洗われる岩国、呉基地の現状を報告した。アフガンの人権活動家マラライ・ジョヤさん、イラク難民支援のボランティア活動を続け日本政府の戦争「加担」検証を呼び掛ける高遠菜穂子さんが、戦火のもとで苦しむ民衆の現状をそれぞれ生々しく語った。
 オバマ米大統領の来日について、2009年当時の藪中三十二外務事務次官が「時期尚早」と米側に伝えたことがウィキリークスの外交公電公開で明らかになったが、その背後に隠された日米の核戦略上の意図を、前広島市立大広島平和研究所長・浅井基文氏が分析した。

 原発特集では福島の事故を受けていち早く現地で調査活動に入った今中哲二・京都大原子炉実験所助教の発言を収録。今中氏は事故直後の測定データがほとんど出てこなかった実態を指摘。一方で放射線リスクの判断は難しく、最終的には個人レベルでするしかないとの考えを示し、ベクレルやシーベルトに普段からなじむ必要があると呼び掛けた。
 東京大原子力工学科1期生で原発批判を続けてきた安斎育郎・立命館大名誉教授は、原子力ムラがどのように形成されてきたかを振り返った。原発推進派の現職が3選を果たした山口・上関町の行方、福島・飯舘村から一家で広島に避難した男性の報告、放影研へのデモを決行した市民グループの論理も取り上げた。NHKの七沢潔氏、元通信社記者の丸山重威氏による原発取材批判と、反原発の論陣を張った連載「南海日日新聞の記録」㊤は「メディアと原発」の小特集とした。

 このほか、中国新聞社編集局長だった小野増平氏の追悼記事、利用者置き去りのJR芸備線の実情報告、TPP報道を分析した「メディアスクランブル」など、多彩な内容となった。
 「広島ジャーナリスト」は昨年7月に発刊。B5判、1部500円。JCJ広島支部のほか、広島市内の紀伊国屋書店、フタバ図書、MARUZEN&ジュンク堂、啓文社廿日市店など主要書店で手に入る。
                                           (11.12.15)


「広島ジャーナリスト」 第7号発売


 広島支部は12月15日、「広島ジャーナリスト」第7号を発行しました。購読ご希望の方は、「申し込み要領」をご覧ください。
 【第7号の主な内容】
  オキナワの怒り あるいは「卵と壁」     浅川泰生 
 ≪特集・基地の町と戦争はいま≫    
  沖縄リポート 耳疑う蔑視発言        松元 剛
  いま中国地方の基地は ヒロシマ講座    
  「トモダチ作戦」とは何だったか        本藤 修
  女性には最危険国アフガン            マラライ・ジョヤ
  マラライ・ジョヤの闘い             清水竹人 
  イラク難民500万人                高遠菜穂子
  「オバマ広島訪問」の二面性         浅井基文
   
 ≪特集・原発の闇が暴かれる≫  
  出てこなかった情報             今中哲二
  差別・監視・嫌がらせ 原子力ムラ     安斎育郎
  上関 揺れる施設建設           柏木蛍太
  故郷と人生を奪った事故          青木達也
  放射能安全神話 ヒロシマから        久野成章
  放射能と人間 見えぬ未来 平和学会から     浜風子
  足りない現地取材               七沢 潔
  木鐸の原点に戻れ                丸山重威
  連載・南海日日新聞の軌跡㊤    
   
 わたしの「8・6」                箕牧智之
 気仙沼通信                   加藤俊之
 ブロックの祭壇に合掌             青木伸一
 小野増平さんを悼む              枡田 勲
 風訊帖  地位協定運用見直しの欺瞞      和志
 JR芸備線  利用者置き去り          
 メディアスクランブル  TPP報道       真崎 哲
 アングル 「チェルノブイリ・ハート」      真崎 哲
 この1冊 「ショック・ドクトリン」  
 源流  あの日あのとき 命の海を守る決意      風
                                           (11.12.15)


伊方原発運転差し止め求め提訴
16都県の300人


 四国電力伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)をめぐり、愛媛、大分、広島など全国16都県の住民・市民300人が12月8日、地震や老朽化で大事故の危険があるとして、同社に1~3号全機の運転差し止めを求める訴えを松山地裁に起こした。 
 東京電力福島第1原発の事故以後、浜岡原発(静岡県)や泊原発(北海道)の廃炉を求めた提訴に続くもので、原告・弁護団は全国の原発を止めていく連鎖の口火を目指すとしている。
訴えでは、東海、東南海、南海の3連動より広域の超巨大地震の可能性や、伊方原発の北沖合6キロを走る世界最大級の断層「中央構造線」での巨大地震発生の危険と運転34年の1号機、29年の2号機の老朽化を指摘。原子力委員会の現在の耐震設計指針や安全設計指針、安全評価指針では安全でないことが福島事故で明らかになったとして、新しい指針や改定指針で安全が確認されない限り、運転してはならない、と主張している。
 また、伊方原発で事故が起これば外洋に向いていないため、どの方向の住民も被曝は避けられず、閉鎖海域の瀬戸内海は死の海と化すなど大災害を引き起こすと訴えている。
 伊方原発をめぐる訴訟は今回が3回目。地元住民が1973年、国を相手に起こした原子炉設置許可処分取り消し訴訟は全国初の原発裁判だった。最高裁まで19年間争い、92年に敗訴が確定。2回目は78年、2号機増設許可取り消しを求めて住民たちが弁護士をたてることなく本人訴訟を起こした。一審で22年間死力を尽くしたが、敗訴。控訴する余力はなく確定した。
 今回の訴状では、「福島事故の背景には、原発訴訟で司法救済を求める人たちを救済しなかった裁判官の消極的姿勢がある。その責任は問われるべきだ」と指弾している。
 原告には地元愛媛県の住民を中心に、福島県から愛媛県に避難した農業の男性(32)や愛媛県の大学生3人、大分県の小学生2人と多様な地域、年代の住民や市民が参加。弁護団には北海道から沖縄までの147人が名を連ねた。
 原告団共同代表の近藤誠さん(64)=愛媛県八幡浜市=は原発権力にひるまなかった地域紙の南海日日新聞(休刊中)の記者をしながら、支援者や原告として伊方原発と向き合ってきた。近藤さんは「子、孫が安心して暮らせる世界をなんとしても守らなければ」と3度目の裁判に懸ける。     
                                          (11.12.12)


広島県、中国新聞社などの「後援」に抗議
防衛省主催「防衛問題セミナー」


 防衛省と中国四国防衛局は9月21日夜、広島市中区のアステールプラザ中ホールで「防衛問題ミナー」を開く。広島でのセミナーは3月12日に予定されていたが、東日本大震災のため中止された。3月のセミナーは広島県、広島県教育委員会、中国新聞社が後援団体となっており、JCJ広島支部など20団体、個人22人が抗議文を発表、後援した3団体に申し入れをした。
 防衛局のホームページによれば、今回のセミナーは「防衛省庁・自衛隊の災害派遣および新防衛大綱等について」のタイトルがあり、陸上自衛隊第46普通科連隊長の大元宏朗一等陸佐が「東日本大震災における第46普通科連隊の活動状況について」、中国四国防衛局の辰己昌良局長が「新防衛計画大綱等について」講演。その後のパネルディスカッションでは、海上自衛隊第一術科学校の鍛冶雅和校長、中国新聞岩崎誠論説委員、広島大学大学院永山博之准教授がパネラーを務めるという。

 JCJ広島支部は後援の広島県と中国新聞社に対し、新防衛大綱は「憲法9条を覆すような、アメリカと一緒に戦争をする国になるという宣言」であり、防衛政策のためのキャンペーンを防衛省とともにすすめることを見過ごすことはできないとして、抗議のFAXを送付した。また、市民団体に抗議の意思表示をすることを呼びかけた。
 県、中国新聞社への抗議文はこちら
                                           (11.9.20)


「広島ジャーナリスト」 第6号発売


 広島支部は9月15日、「広島ジャーナリスト」第6号を発行しました。購読ご希望の方は、「申し込み要領」をご覧ください。
  【第6号の主な内容】
≪特集 「原発を〝抱きしめない〟選択」≫   
 「上関計画」となぜ闘うか         山戸貞夫
   祝島・自然エネ100%構想            竹村英明
  「島根原発の町」で暮らして   芦原康江
  伊方原発は今   小倉 正
  基礎から分かる原発交付金 北  透
  原発も原爆も同じ核        小出裕章
  福島原発 国会児玉発言に思う   青木克明
  児玉教授の発言要旨
  気仙沼通信 間借り先に気遣い実習   
  共通する内部被爆 沢田昭二
 ≪特集 「問われた被爆地の思想」.≫ 
 「脱原発」に踏み込まず  沖長 広
 起草委が市長後押し 長崎        西山琳太郎
  松井市長に「平和宣言」を聞く 
  被爆者援護 松井発言の意味   田村和之
 記者座談会 二つの核 揺れたヒロシマ
医師と詩人、歴史家がフクシマを語る   鎌田七男、アーサー・ビナード、田村栄子
ヒロシマとアウシュヴィッツ  竹本真希子
私の「8・15」   石田寿美恵
万次郎、鶴見さん、キーンさん            大島 寛
この一冊 「『フクシマ』論   
                                            (11.9.19)   



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