2006年10月29日

権力追及には自らを律せよ
道警問題と道新報道をめぐり札幌でシンポ

田原氏、大谷氏らがメディアの姿勢に苦言


道警の裏金問題追及で新聞協会賞などを受賞した北海道新聞だが最近、裏金追及の記事は紙面から消え、「道警と和解を図っているのではないか」といった指摘が出ている。道新取材班を支えてきたジャーナリストや弁護士らによるシンポジウム「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」(実行委員会主催)が十月二十九日、札幌のかでる2・7で開かれた。

ジャーナリストの田原総一朗氏が基調講演。市川守弘弁護士が司会したパネルディスカッションには北大大学院の山口二郎教授、元道警釧路方面本部長の原田宏二氏、作家宮崎学氏、ジャーナリスト大谷昭宏氏、元共同通信記者のジャーナリスト魚住昭氏が登場。衆院議員鈴木宗男氏が会場から乱入する一幕もあり、日曜の夜、入場料千円ながら、五百二十一席の会場はほぼ満員の盛況となった。

基調講演で田原氏は、メディアの現状について「意気地なしになってきている。メディア自身のだらしない一面を突かれるとどうしようもなくなるからだ」と苦言を呈した。その一方で、「小泉改革で地方が疲弊しているが、ガタガタになっている北海道からこそ構造改革が可能」と指摘。「危機をチャンスにするため、マスコミに頑張ってもらいたい」と奮起を促した。

また、パネル討論では、道新の道警裏金報道について、大谷氏が「警察担当記者が書いてきたことに大きな意義がある」と評価。その一方で、道警が覚せい剤の「おとり捜査」に失敗したとした記事に対して、道新が「おわび」を掲載した問題について、原田氏が「経費の私的流用問題で退社した広告部長の退職金を道新役員が分担して会社に補填したことを道警に背任ではと指摘されたため、(それを事件化しないための)バーターとして掲載した」と批判した。

さらに、メディアが抱える問題点として、宮崎氏が「新聞社には広告収入に不透明な部分がある」と述べたのに対し、田原氏は「自分の足元を固めないで権力批判すると反撃されるのは事実だが、権力に対して声を上げない現状はよくない」と、メディア側の自覚を強く求めた。

(JCJ北海道支部)


田原氏の講演要旨、パネルディスカッション要旨へ

2006年会員雑記帳へ

トップページへ