2008年5月25日

入国審査強化は日本人社会にもつながる問題
G8サミットを前に学習会

難波弁護士が「監視強化」の可能性指摘

 JCJ北海道支部は、北海道洞爺湖サミットに向けた学習会「G8サミットと外国人の入国」を五月二十五日、札幌市中央区の「かでる2・7」で開いた。講師に招いたサミット人権監視弁護士ネットワーク「WATCH」事務局次長の難波満弁護士(東京)は、指紋読み取りや顔画像撮影システムが昨年から導入されるなど、入国審査が強化されている現状について「情報がデータベース化され、各国が犯罪捜査で共有することも遠くないうちに現実化する。これは外国人だけの問題ではなく、日本人自身にもつながる問題だ」と指摘。監視強化に対して「市民社会という観点から再認識していくことが必要だ」と語った。

 サミットに向けて全国の弁護士が四月に結成した「WATCH」、G8サミット市民フォーラム北海道との共催。会場には、多くの報道関係者を含めて約五十人が出席した。

 難波弁護士は、指紋・顔画像取得のほかに、査証(ビザ)発給についても「手続きは国籍別になっているなど、発給の是非は国が恣意的に決めることができる」と問題点を提示。本来はビザなしで入国できる対象国でありながら、ビザを取得しないと日本上陸を原則として認めない「査証取得勧奨措置」の対象に今年四月一日から七月九日までという期間限定でチュニジアが加えられていることを紹介、「チュニジアから来る人がサミットに対して何かするかもしれないという考えが背景にある」と述べた。

 さらに、「入国目的に疑義がある」として昨年一年間で一万人以上が入国を拒否されている実情を報告。今年はサミットを前に「外国人に対する渡航目的のチェックが厳しくなるだろう」として、道内で開かれるサミット関係の集会や会議に参加する海外のNGO関係者らが、入国カードに渡航目的を「観光」と記しただけで入国を拒否される可能性を指摘。「外国人には、集会や会議の資料を持ってきてもらい、入国審査官に真実を説明することが重要になるだろう」と語った。

難波弁護士の講演要旨

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