2008年7月12日

臓器提供考えるきっかけに
総理大臣賞のHBCドキュメンタリー上映会
山崎ディレクターが取材の背景紹介

 JCJ北海道支部は、今年四月に開かれた「第四十九回科学技術映像祭」で最高賞の内閣総理大臣賞を受賞したHBC(北海道放送)制作のドキュメンタリー番組「命をつなぐ〜臓器移植法10年・救急医療の現場から〜」の上映会を七月十二日、札幌市中央区の「かでる2・7」で開いた。講師に招いたHBCの山崎裕侍ディレクターは「臓器提供が進まない背景に、患者側に臓器提供という選択肢を提示しない医師側の意識の低さがあると考え、これまであまり報道されてこなかった臓器を提供する側からの取材に取り組んだ」と番組制作の背景を紹介。「臓器提供を終末期医療の一つととらえ、死に対する議論や教育を普及させていくことが大切だと感じた」と番組を総括して語った。



 会員ら十人が参加した。作品は、市立札幌病院救急救命センターの医師の奮闘ぶりを軸に描き、昨年十月に一時間番組として放送されたもの。同センターは緊急搬送されてきた患者の救命率が高いことで知られているが、同時に脳死と診断された患者の家族から心停止後の臓器移植を承諾してもらう率も全国の中で極めて高い70%に上るという実態を紹介。脳死と診断されたある男性の臓器提供を息子が承諾するまでのセンター側とのやりとりを追うととともに、心停止後の父親からの臓器提供の現場に全国で初めてカメラが密着したという貴重な映像も盛り込まれている。

 男性が親子で実名を公開し、臓器提供の取材に応じてくれた背景について山崎さんは「息子さんが医師の話を聞いて、臓器移植を前向きに考えていた。そういう医師と患者の信頼関係が築かれていたことが大きかった」と語った。また、放送後の反応について山崎さんは「番組モニターには『自分に置き換えて考えた』『家族で臓器移植について話し合った』という反応があり、うれしかった」と紹介。番組を通して「生と死について自分ならどうするかを考える場を家庭や学校で持ってもらうことができれば」と語った。
(事務局長 安藤 健)

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