2008年11月14日

環境から、科学から、「平和」考える
「七人委員会」協賛で北大講演会

池田香代子さん、池内了さんが熱弁

 「世界がもし100人の村だったら」の作者で児童文学者の池田香代子氏と宇宙物理学者で総合研究大学院大学教授の池内了氏による講演会「100人の村から世界を見る〜大学の学びは世界とつながっていた!〜」が十一月十四日、北海道大学文系講堂で開かれた。池田氏は、米国の次期大統領に選ばれた民主党のオバマ氏が環境分野での産業興しを目指す姿勢を示していることを評価、日本は技術協力を進めるとともに「戦争ほど環境に悪いものはないとオバマ氏に言えればいい」と提言した。また池内氏は、科学には軍事利用か民生利用かといった二面性があることを指摘した上で、「二者択一という問題ではなく、二面性を意識して科学を使いこなすことが問題だ」と科学者に求められる責任について言及した。



 両氏が委員を務める世界平和アピール七人委員会創立記念講演会の協賛行事として、JCJ北海道支部が「九条の会・北大」と北大生らによる実行委員会との共催で開催。学生やJCJ道支部会員、市民合わせて約百五十人が参加した。

 池田氏は、「100人の村」出版のもととなったチェーンメールの起源に当たる環境学者ドネラ・メドウズさんが発表したコラム「1000人の村」を紹介。「100人の村」では削られた内容として、「1000人の村らには5人の兵士、7人の教師、1人の医師がいます」との記述を取り上げ、「メドウズは人や金は戦争でなく教育や医療に用いるべきだということを書いている。しかし、日本の医療費や教育費が国家予算に占める割合は先進国中で最低水準だ」と述べ、医師や教師の過酷な労働状況の改善が急務だと訴えた。また、「100人の村」を音楽で表現したCDに収録されたジョン・レノンの「imagine」の自ら訳した歌詞を紹介し、「この歌は交戦権を持つ近代国民国家を否定したものであり、すべての国家が日本国憲法を持ったらどうなるかということを歌ったものだ」と力説、四月の名古屋高裁判決でも違憲判断が下された自衛隊の海外派遣について「この恥ずかしい状態を1日も早く終わらせなければならない」と訴えた。

 また池内氏は、「原爆開発に協力を求められたら、ひょっとしたらやるかもしれない」と、「世界初の発見を目指す」という科学者の本音の一端を語った。しかし、この答えの前提として「すべての中身が公開されることが条件だ」と述べ、研究をオープンにすることの重要性を強調した。科学者が負うべき責任として、池内氏は倫理責任、説明責任、社会的責任の三点を挙げ、「科学者は言説に虚偽があってはならない。研究は社会から付託されたものだから、社会に説明することが必要だし、社会に還元することも科学者に課せられた役割だ」と語った。さらに、求められる科学者像として、「想像力を持ち、現実を直視し、科学的事実に対して誠実、という感性が必要だ。科学者は科学を愛するがゆえに、科学を大切に使わなければならない。間違いや失敗をすればきちんと言うべきだ」と述べ、科学者が戦争に加担したかつての歩みを繰り返さないことの重要性を語った。

池田さん、池内さんの講演要旨

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