2009年9月5日

米軍再編に揺れる岩国、基地反対の運動支えねば
軍事化進む広島湾、核廃絶へ議論を

JCJ全国交流集会、道支部から2人参加

 米軍再編で空母艦載機部隊の移転が最終段階を迎え、極東最大の米軍基地化の渦中にある山口県岩国市、核兵器のない世界への展望が見えつつある中で被爆64年を迎えた広島市を中心に、JCJ全国交流集会が9月5日から3日間、開催された。昨年10月の夕張に続いて2年連続の集会が実現した。北海道支部から町田、古田の両運営委員が参加し、地元の広島を含めて45人が、広島支部の献身的な連続企画に臨んだ。

 2005年10月の日米2プラス2(安全保障協議委員会)で、沖縄の基地負担軽減を柱に米軍再編計画が強行合意された。計画では米海兵隊岩国基地は14年までに新たに神奈川県厚木基地の空母艦載機59機と沖縄県普天間基地の空中給油機12機の移転先とされ、駐留する米軍機は現在の57機から倍増の120機となり、兵隊が2千人も増える負担増となる。

 岩国市の井原勝介市長(当時)は、官僚から政治を志した基本原則として「今以上の基地機能強化は容認できない」と公約しており、自らが制定した住民投票条例を使って06年3月に受け入れの是非を問う住民投票を実施、反対が9割を超え「NO!」の民意が示された。翌月の合併に伴う新・岩国市の市長選挙でも圧勝し、国に対して受け入れ拒否の姿勢を改めて要請したが、国は市庁舎建設補助金のカットを通告。08年の市長選挙では容認派の前衆議院議員に僅差で敗れ、受け入れへの動きが加速している。アメリカとともに戦う国づくりが顕在化する中で、井原氏ら地元関係者からは「岩国の動きは中国地方での報道にとどまり、全国的には情報が共有されていない」との強い指摘があった。

 一方、被爆地・広島もまた呉、江田島、東広島などに米軍と陸・海自衛隊の基地が網の目のように張り巡らされている。翻って冷戦中はソ連に睨みをきかす最前線となっていた北海道の日米軍事一体化も進んでいる。小樽の軍港化、千歳基地への訓練移転とPAC3配備計画、矢臼別での日米軍事演習の恒常化など、反対運動の風化も顕著になっている。

 今回は自公政権退場、民主党政権の誕生という歴史的情勢の下での全国交流集会であり、新政権の日米軍事同盟との向き合い方にも関心が集まった。他方、オバマ大統領の核兵器廃絶と軍事費の段階的削減の決意が世界の潮流となろうとしている。しかし、アメリカの軍事費削減が日本に肩代わりを求めることだとすれば筋違いである。「米軍は本国に帰れ」が最終帰結としては望ましいが、全国の基地を抱える住民の運動を支え、地域に入り込んで軍事同盟に奔走する勢力を告発し、ネットワークの先頭に立つ気概がジャーナリストに求められていると痛感する契機となった。
(事務局長 古田俊暁)

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